こんにちは。時短父さんです。

今日はちょっと真面目な記事です。

米3M(MMM)は20日、PFAS(ピーファス)と呼ばれる化学物質の使用を2025年までに停止すると発表しました。

日経新聞も記事にしています。
PFAS



化学物質といっても色々あると思いますが、有機フッ素化合物群というのだそうです。私、化学に疎いので、それがどういったものか詳しくは分からなかったのですが、調べてみると私たちの日常生活に深く関わっていました。

PFASの特徴として、熱や薬品や紫外線に強く、水と油の両方を弾く性質があるそうです。一方で、水に溶けやすいという特徴もあるそう、、。そのため、多くの工業 製品、消費者製品、石油火災用の泡消火剤など広範に使われてきました。


例えば、防水スプレー、フッ素樹脂加工のフライパンや鍋、ファストフード用の容器包装、カーペットの防水処理、デンタルフロス、ファンデーションなどの化粧品、メガネの曇り止め、スキーのワックスなどです。

結構たくさんありますね。

生活以外にも、空港や軍事基地で使用される消化剤、半導体の製造過程においても研磨剤などに含まれているようです。

過度な警戒は不要なのでしょうが、健康被害としては①環境ホルモン作用、②発がん性、③生殖毒性、④免疫力の低下、⑤肝臓への毒性などが挙げられます。

日本でも軍事基地の周辺では、PFASによる河川汚染が確認されています。

さて、そんなPFASの使用を3Mは2025年末までに停止するとのこと。

確かに3Mの製品群からすると、PFASを使用していてもおかしくないですね。

発表文を見てみましょう。

PFAS-1

3M will
と、そこに強い意志を感じます。
・2025年末までにPFASの全ての製造を停止する
・2025年末までに製品ポートフォリオからPFASを排除する

これまでに徐々に対応をしてきたようですが、残り3年で完了するでしょうか。株主として見守って行く必要がありますね。

それで、気になるのは業績への影響ですが、発表文によると、現在のPFAS使用製品の純売上高は13億ドルほどで、EBTIDA比率は16%だそうです。

これを2025年末までにゼロにして行くわけですね。

3Mは2022年末期の決算にて、約13~23億ドルの税引き前費用を計上する予定です。また第4四半期だけでは7~10億ドルの費用となります。そのうちの70~80%はノンキャッシュだそうで、つまり減損損失となるでしょう。

経済環境の悪化に加え、今回の決定により、3Mにとって厳しい決算発表となりそうですね。とはいえ、企業が長く存続していくためには、必要な措置だと、株主として理解を示す必要があります。

3Mはコロナ禍の初期にN95マスクの製造を通じて、世界中の人々の命と生活を救いました。その功績は称えられるべきものです。今回は謙虚にPFASの危険性を認めたことを素直に評価したいです。

株価にはマイナスでしょう。事業ポートフォリオの再構築にも時間が掛かるでしょう。しかし、私は3Mの決断を支持しますし、3Mの株主であることを誇りに思いたいです。


楽しい投資生活を。
ポチっとお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ



100年成長企業のマネジメント 3Mに学ぶ戦略駆動力の経営
山路 直人
日本経済新聞出版社
2017-12-16