こんにちは。時短父さんです。

個人投資家、とりわけインデックス・投資家の間でよく読まれていると聞いていた『敗者のゲーム』(チャールズ・エリス著)を読みました。

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この本には、機関投資家や高度人材の集中、インターネットの普及によって、株式投資で勝つことが難しくなった(「敗者のゲーム」)個人投資家が、「勝者のゲーム」をするにはどうしたらよいか?ということが書かれています。

簡単に言ってしまえば、アクティヴ・ファンドではなく、手数料が安いインデックス・ファンドで、長期に運用せよとのこと。これに尽きると思います。

多くの部分で賛成するものの、全ての個人投資家がインデックス・ファンドだけに投資しているわけではありませんね。高配当株やハイグロ株などの個別株にも投資しますし、レバナスにも投資します。

インデックス・ファンドの運用結果が出るのは、何十年も先の話なので、インカムが欲しくて配当株を、短期的な結果が欲しくてハイグロ株を手にすることもあるでしょう。

そうであっても、この『敗者のゲーム』に書かれている点で、参考になることは書かれています。

私が気に入ったのはこの部分です。

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運用期間はあなたの生存期間だけでなく、家族の人生やその施設の存続期間をカバーする必要がある

運用期間は、投資している本人(つまり自分)が生きている間だけの問題としてしか捉えていませんでした。家族(子どもや孫)がいたら、そして自分より長く生きる家族がいたら、彼ら彼女らの人生分をもカバーできるように運用してやるってことですね。

本文中にある「施設」というのは例えば出身大学などのことで、投資を通じて寄付をするという意味で書かれています。何とも欧米らしい考え方です。


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そう考えると、、

運用期間は単に平均余命の40年か50年ではなく、息子の平均余命である80年以上となるだろう

な、長い、、

私たちは必ず死ぬ運命にあるが、私たちのポートフォリオはそのことを知らないし、また気にも留めない

その通りですね。

きっとコカ・コーラは私が死んだ後も、多くの人々に愛され、飲まれ続けるでしょう。マクドナルドのハンバーガーもそう。プロクター&ギャンブルの洗剤も、今後何十年にも渡って使い続けられることでしょう。

そう考えると、投資を始めた本人の代で、全てを終わらせる(運用の結果を出す)必要性は全くもってないと言えますね。

長期投資と言いながら、10年20年先しか見ていないのだとしたら、それは実は短すぎるのかもしれないです。きっとそのくらいの期間では、大した結果は付いてこないのでしょう。

自分の代だけで、金持ちになろうとするから、余計なことをしたり、焦ったりするのでしょうね。例えば、株価が少し下がったらからって買付を止めたり、配当を減らされたからってポートフォリオを入れ換えたり、、。

自分よりも長く存在するであろうものに、運用成果を還元していく、渡して行くという考え方を受け入れると、本来の長期投資を実践することができるような気がしています。


誰もがウォーレン・バフェット氏にはなれない以上、長期投資で「勝者のゲーム」をするしかないのかもしれません。

楽しい投資生活を。
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敗者のゲーム[原著第8版] (日本経済新聞出版)
チャールズ・エリス
日経BP
2022-01-01