こんにちは。時短父さんです。

先週末の最後の取引で医薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の株価が5%近く上昇しましたのはご存知でしたでしょうか?

S&P500の上昇率(2.24%高)を遥かに上回っていたのですが、何があったのか?

おそらくですが、これが影響したのではというのを見つけました。

JNJ lawsuit

ロイターの記事によれば、ジョンソン・エンド・ジョンソンは破産システムを活用して、同社製品に含まれるタルクが、癌を引きを起こしたとする何十億ドルにも上る訴訟を回避できることになったそうです。

これは金曜日に米国の破産裁判所が手続きを正式に認めたことで、訴訟回避の見通しが立ちました。驚くなかれ、ジョンソン・エンド・ジョンソンが回避できる訴訟件数は、なんと3万8千件!!(゚∇゚ ;)エッ!?

そんなに訴訟を抱えていたの?!って思いますね、、。確かに時々、同社が○億ドルの賠償金支払いを命じられたとかいうニュース記事を見ることがありましたね。実際には同社は優秀な弁護団を有しているので、賠償金を最終的に大幅減額させてきてはいましたが、、。

で、その優秀な弁護団の意見を聞いたのかどうかは分かりませんが、以下のような仕組みで3.8万件もの訴訟を回避するようです。

"Texas two-step," と呼ばれるもので、企業は価値ある資産部分とそうでない負債部分をスプリット(分割)することができる、というものです。資産価値のある事業(部門)とそうでない訴訟などの負債を抱えている事業を分けちゃうんですね。

その後すぐに、負債部門を破産させる。そうすると、起こされていた訴訟が全て無効になってしまう。こういう何とも大胆な仕組みなのです。3.8万件の訴訟がなくなってしまう、、。ある意味恐ろしいです。

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、この戦略を既に昨年10月に発表していました。そんなことありましたね。

原告は米国連邦破産法11条に反すると主張しましたが、米国破産裁判所はそれを即却下。ジョンソン・エンド・ジョンソンの手法は「疑いの余地なく」適切であると述べています。

記事によれば、金曜日の株価上昇は、同社一日の上昇率としては2020年以来でも最も大きなものとなり、時価総額を4000億ドル以上に押し上げました。

また同時に同社は、米国内のオピオイド危機を解決するために50億ドルを州や地元政府に拠出すると発表しています。訴訟回避を実現するだけでなく、それなりの金銭的な対応はちゃんと取る点は褒められると思います。

さて、この訴訟回避の戦略、、、同様に多くの訴訟を抱えている企業が真似をする可能性がありますね。例えば3M(MMM)もそうかもしれません。

JNJ lawsuit 2

3Mも金曜日に株価が4.7%高となったのは、ジョンソン・エンド・ジョンソンのこの件が発表されたからではないか?というバロンズの記事です。

ジョンソン・エンド・ジョンソンの戦略はうまく行くのか?行くのような気はします。3Mは真似るのか?これで財務的な負担が軽くなれば、株価にもプラスになるはずです。株主としては万々歳ですね。


楽しい投資生活を。
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