こんにちは。時短父さんです。

既に7-9月期の決算発表が終わっているフィリップモリス・インターナショナル(PM)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ )から10Qが公表されました。

個人的に、この2銘柄の10Qを楽しみにしていました。10Qは規制当局(SEC)に提出する資料の一つで、四半期決算を(プレスリリース)より詳しく掲載しているものになります。

PMとJNJの10Qで見るべきポイントはただ一つ。キャシュフロー計算書です。より具体的に言えば、①営業キャッシュフロー(Net Operating Cash Flow)、②投資支出(Capital  Expenditure)、③配当(Dividend Payments)の3点です。

PMに関しては①は決算発表で公表されていましたが、JNJは毎回キャッシュフローについては触れられていません。

キャッシュフロー計算書を見る理由は、ちゃんとキャッシュを稼げているかを把握するためです。さらに言えば、配当余力が十分にあるかを確認します。

さて、PMの10Qはどうなっていたかというと、、。

営業キャッシュフロー 79.3億ドル
投資支出 -4.6億ドル
配当 56.3億ドル

でした。
ここから分かることは、一つはフリーキャッシュフロー。もう一つは配当性向です。

フリーキャッシュフローは営業キャッシュフローから投資支出を差し引いて算出します。PMの場合、79.3-4.6=74.7億ドルと分かります。

大事なのは、フリーキャッシュフローが年々増加しているかです。幸いPMは前年比21%増加させていました。
【PM】3QCF推移

さらにこのフリーキャッシュフローのうち、どのくらいの割合を配当に充てたかを調べます。56.3÷74.7×100=75%だと分かりますね。

これは中長期的に一定か、やや下落傾向であるのが望ましいと思っています。上昇傾向でなければ良しとしてもいいです。

するとPMの場合、緩やかな下落傾向であるのが分かりますね。配当の増加以上に、フリーキャッシュフローが増えていて、配当を増やす余地が増えてきている証拠です。
【PM】3Q FCFと配当推移

では、JNJはどうでしょう。

営業キャッシュフロー 176.8億ドル
投資支出 -22.4億ドル
配当 82.4億ドル

と10Qにありました。JNJの営業キャッシュフローは前年比で16%増加しました。

過去分を含めてキャッシュフローを見てみると、こうなります。
3Q CF推移

投資支出はほぼ一定で、営業キャッシュフローが伸びているので、その分フリーキャッシュフローが増えていますね。きれいなグラフです。

PM同様に、フリーキャッシュフローと配当性向を調べると、こうなりました。
3Q FCFと配当性向

フリーキャッシュフロー 154.4億ドル
配当性向 53%

前者は前年比5%増加、後者は同6ポイント減少しました。これも良い傾向ですね。


こうやって見て、自分の保有銘柄に自信を持てれば、多少の株価下落で動揺することもなくなり、むしろ買い増したいなと思えるようになります。

逆にこれらが悪い傾向なら、売却を検討するか、買い増しを控えるかしないといけませんね。

個人的には、上記2銘柄のキャッシュフローは全く問題なかったと判断しています。


楽しい投資生活を。
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マーク リクテンフェルド
APJ Media
2020-06-18