こんにちは。時短父さんです。

たばこ大手フィリップ・モリスインターナショナル(PM)は2021年第3四半期(6-9月期)の決算を発表しました。内容は良かったものの株価の反応はいまいちでした。

純収入は81.2億ドルで、前年同月比9%増加し、市場予想79.3億ドルを上回りました。引き続き加熱式たばこの販売量が増えたことと、減少傾向にあった紙巻たばこの販売量が横ばいで済んだことが要因の一つです。

純収入が80億ドルを超えたのは、おそらく初めてではないかと思われます。少なくとも2013年以降のどの四半期においても80億ドルを超えたことはありませんでした。

営業利益は34.5億ドル(同7%増)純利益は24.2億ドル(同5%増)しました。営業利益率は42%で前年同期の43%よりわずかに下落しましたが、19年3Qの36%よりはかなり高い水準です。気にするレベルではないでしょう。

希薄化後の一株利益は1.55ドル(同5%増)、調整後一株利益は1.58ドル(同11%増)で、市場予想1.56ドルを上回りました。

【PM】3Q業績推移

地域別で見てみると、中東アフリカでの純収入が大きく増加(23%増)した他、日本を含む東アジア・豪州(12%増)も全体をけん引しました。

一方で、EUや南・東南アジアでは販売数量が減少しました。ただEUや東欧では紙巻たばこの販売量が減少したものの、加熱式たばこの販売量を大幅に増加させており、純収入の減少幅をある程度相殺させているようです。

利益率が最も高かったのは、EUで53%(前年同期より1ポイント減少)、次いで東アジア・豪州の43%(同4ポイント減)などとなっています。

冒頭でもお伝えしたように、これまで減少傾向が続いていた紙巻たばこの販売量に変化が見られました。この3ヶ月間ではわずかに減少(0.4%減)したものの、ほぼ横ばいだったのです。

【PM】3Q種類別出荷数の推移

一方で、加熱式たばこは、絶対数量からするとまだ紙巻たばこの足元にも及びませんが、前年同期比24%増としています。

フィリップ・モリスは、煙のない社会を目指しており、加熱式たばこの普及を進めているところで、まずまず順調に進んでいると見ていいでしょう。

フィリップ・モリスのキャッシュフローですが、営業キャッシュフローのみが発表されています。四半期営業キャッシュフローは38.7億ドル(前年同期比7%増)でした。9ヵ月累積では79.3億ドル(同19%増)となっています。

9ヶ月累積の純収入は233億ドルだったので、営業キャッシュフローマージンは34%となり、上昇しました。キャッシュ創出力は衰えていませんね。

【PM】3QCF推移

さて、この決算を受けて、フィリップ・モリスは通期の業績見通しを上方修正しました。希薄化後一株利益は5.77~5.82ドルとし、調整後一株利益(為替影響除く)は5.84~5.89ドルと下限を引き上げました。オーガニック成長率は13~14%としています。

決算について、フィリップ・モリスのオルザックCEOは「21年の通期見通しでは力強い成長を確認できる。ただIQOSの需要を満たすために必要な私たちの能力に影響を与えているが、世界的な半導体の不足に起因する供給網のひっ迫だ」と述べています。

ただ「一時的にIQOSのユーザー増加率が低調になったとしても、私たちは21~23年に向けての目標達成に自信を持っている」と述べました。

個人的には悪い決算ではなかったと思いますが、期待外れみたいなところがあったのかな。株式市場の反応はいまいちで、決算発表後の株価はやや下落(1.6%安)しましたね。

株価は気にすることはないでしょう。業績がしっかり成長できていれば、それでいいです。キャッシュも創出できていますし、心配は要りません。フィリップ・モリスからの配当の旨味をしっかり味わっておきましょう。


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