こんにちは。時短父さんです。

米国版モトリーフールに『3 High-Yield Dividend Stocks That Just Went On Sale』という記事が配信されていました(8月15日)。『セールに出されたばかりの高配当株3銘柄』とでも訳しましょうか。

「セールに出された」とは、これまで少し割高だったのが、現在何らかの理由により、株価が下がっているか、逆風にさらされているかで、割安になっているという意味でしょう。つまり今が買い時ってこと。

優良株なら多少割高でも良いかと思う時もありますが、同じものを手に入れるなら、できればお安く手に入れたいものですものね。

ここで紹介された3銘柄を見てみましょう。

1.キャタピラー(CAT)

一つ目はキャタピラーだそうです。世界的な建設機械メーカーですね。キャタピラーの株価は過去3か月間で13%以上も下落しています。4-6月期決算は悪くなかったにも関わらず、ウォールストリートにける、この重機メーカーの評価は芳しくありません。その理由は、業績ではなく、見通しです。

2020年4-6月期はコロナ禍で散々な目に遭ったキャタピラーですが、2021年4-6月期は2019年比では見見劣りするものの、順調に回復していることを印象付ける内容でした。

2019年4-6月期 売上高 144億ドル 一株利益 2.83ドル
2020年4-6月期 売上高 100億ドル 一株利益 0.84ドル
2021年4-6月期 売上高 129億ドル 一株利益 2.56ドル

4-6月期の業績が悪くなかったにもかかわらず、キャタピラーは通期のガイダンスを発表していません。ただ7-9月期は増収になると見込まれ、かつ上半期の好業績を加味すると、通期ではまずまずの範囲に収まるでしょう。

キャタピラー株は景気敏感株です。同社の株価は景気の先行きを占う一つの指標です。原油・鉱物など天然資源の採掘が活発になったり、工場建設などの投資が進めば同社の建機が活躍します。が、どうでしょう。コロナ次第といえばそれまでですが。

過去の5年間の株価を眺めてみると、2018年頃から停滞していましたね。中国との貿易摩擦の影響ですね。その時に比べれば、株価は遥かに上昇(+160%)しています。ここ3ヵ月の下落はちょっとした調整でしょうから、今後も期待できるでしょう。
CAT チャート

2.3M(MMM)

続いては時短父さんも保有している3Mです!!こういう記事に自分の保有銘柄が紹介されると嬉しいよね。

3Mについてモトリーフールの記事では、一株あたりフリーキャッシュフローと一株あたり配当の差が拡大してきていると指摘しています。悪い意味ではなくて、配当を増やす余裕があるので、配当について心配することはないという意味での指摘です。

ただ3Mにも逆風的なものはありますよね。そう原材料価格の高騰です。これが利益を圧迫する要因になっているのです。実際、4-6月の決算でも、売上原価の増加が目立ちました。

さらに、化学物質PFASの問題が潜在的な負債となっていることも指摘しています。PFASはパーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物のことで、水や油をはじく、熱に強い、薬品に強い性質を持つ物質で、撥水剤や消化剤、コーティング剤などに使用されてきました。自然界や体内では分解されにくいとされており、主要メーカーの3Mはかつて自主的に製造中止をしています。

3Mは化学メーカーでもありますから、化学の力で世の中を解決する良い面がある一方で、それ故に問題を引き起こす可能性も高いと言えます。

キャタピラーと同様に、3Mも米中貿易戦争やコロナ禍の渦中にいましたが、なんだかんだ言って乗り越えて、現在に至っています。今後の経済回復の恩恵を受ける方が強いと思います。

3.アメリカン・エレクトリック・パワー(AEP)

最後はアメリカン・エレクトリック・パワーです。AEP、最近どこかで聞きましたね。そうです。SPDR S&P500ポートフォリオ高配当株ETF(SPYD)に、新たに追加された銘柄の一つです。株価が下がって、配当利回りが高まったことで、SPYDに採用されたんでしたね。現在の配当利回りは3.3%です。

同社は米国最大の電力ネットワークを保有しており、米国11州、550万の顧客に対し、電力を供給しています。

AEPは残念ながらまだ連続増配株の仲間入り(配当貴族)を果たしていません。が、11年間連続して配当を増やし続けています。2011年から2020年にかけては平均で4.9%の増配率です。また同社の過去4年間の配当性向は65%となっています。

2021年の業績予想は4.53~4.73ドルで、昨年実績の4.42ドルを上回ると予想されています。

バイデン政権によるインフラ投資が加速することで、同社のような企業は恩恵を受けるとされています。特に、電力会社はEV車の開発・普及に伴って、一層の追い風となるでしょう。

ちなみにAEPの株価はコロナショック前の水準を取り戻せていませんね。これはある意味ではまだ安いと判断できるのかもしれません。PERも19倍で、S&P500指数の27倍より低いですし。
AEP


記事をざっと読んだ感じでは、バーゲンセール(大安売り)に出されたというほどのことではないように思います。それでも、インカム投資家にとっては、これら優良株を保有しておくのは、定期的なインカムをある程度保証してくれるので、有難い存在であるのは間違いありませんね。

ま、個別株で持つのが恐ければ、ETFで持つのが安心でしょうね。

楽しい投資生活を。
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マーク リクテンフェルド
APJ Media
2020-06-18