こんにちは。時短父さんです。

米たばこ大手フィリップ・モリスインターナショナル(PM)は9日、英製薬会社のベクチゥラ・グループ(VEC)を8.52英ポンド(およそ12億ドル)で買収することで、先方の合意したと発表しました。

ベクチュラ・グループは、呼吸器疾患治療用のさまざ まな吸入薬を開発しているようです。同社の製品は、喘息や慢性閉塞性肺疾患の治療に使用され、肺病 理学や呼吸器疾患以外の分野向け製品の開発も手掛けています。
VEC

たばこ会社が呼吸器系吸入薬の製薬会社を買収するんですね。何だか皮肉ですね。日本たばこ産業(JT)も鳥居製薬を傘下に収めていますし、同じ構図になりそうです。

フィリップ・モリスは1日にもデンマークのフェルティン・ファーマ(非上場)を8.2億ドルで買収すると発表していましたので、立て続けの製薬会社の取得(計20億ドル超)となります。フェルティン・ファーマはガムやパウチ、タブレットなどを製造していて、デンマークのほかカナダやインドで事業を展開しています。

フィリップ・モリスが製薬会社を取得する狙いは、同社がたばこ会社にも関わらず、2025年までに非紙巻たばこ製品の純収入を全体の50%まで引き上げると共に、非ニコチン製品からの純収入を10億ドルまで引き上げる目標を設定しているからです。

2020年の純収入は287億ドルでしたから、10億ドルはそのわずか3.4%に過ぎません。べクチュラ・グループとフェルティン・ファーマの年間売上高は、それぞれ2.45億ドルと1.6億ドルなので、この2社で4億ドル強となります。

2025年までの残りの期間で、これを10億ドルまでどのように増やして行くのか注目されます。

ちなみにこれら2社の買収価格は、べクチュラ・グループは2020年EBITDAの14倍、フェルティン・ファーマは同15倍の水準となっています。

フィリップ・モリスの買収発表を受けて、べクチュラ・グループの株価は前日比14%高と急騰しており、同社株主にとっても願ってもない朗報だったようです。
VEC

通常、他社買収が発表されると、買収する側の株価は下がるものですが、フィリップ・モリスの株価は下がらず、前日比1.1%高となっています。フィリップ・モリスの株主はそれほど心配していないのでしょう。

2製薬会社買収に伴う、フィリップ・モリスの業績見通しの変更は、おそらく次回決算発表時にリリースと思われます。鳥居製薬がJTに貢献しているようには思えないので、今回の買収もちょっと不安が残りますが、フィリップ・モリスならうまくやってくれるような気がしています。


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バフェット太郎
ぱる出版
2018-04-28