こんにちは。時短父さんです。

米食品大手のクラフト・ハインツ(KHC)は11日、トルコのキンバー・ホールディングス傘下のアッサン・フーズを1億ドルで買収することで、合意したと発表しました。アッサン・フーズの買収は、規制当局の承認後行われ、2021年下半期に完了となっています。

アッサン・フーズ??

初めて聞きましたね。ご存知でした?クラフト・ハインツが発表した文書によれば、アッサン・フーズはハインツと同業で、ソース類の調味料を中心に製造するメーカーです。トルコでは急成長しているみたいです。で、意外なことにクラフト・ハインツとは、欧州・中東・アフリカへの販路の起点として、2019年から業務提携していたようです。

アッサン・フーズが製造しているのは、トマトペースト、ケチャップ、マヨネーズ、パスタ・ミートソースなどで、ほどハインツと被っています。しかも、Colorado、 Kingtom、Obaといったブランド名で、国際展開もしています。従業員は400名ほどで、トルコ国内のほか、約50ヶ国、4大陸に展開しています。

assan foods

クラフト・ハインツの国際地域プレジデントのラファエル・オリビア氏は、「(この買収は)私たちの国際的な成長戦略を加速させるためのすばらしい機会となる」と述べています。

なるほどね。アッサン・フーズの実績と、アッサン・フーズとの関係も前々からあるんですね。それなら、少しは安心できそう。無謀な投資って感じはしないです。

戦略的にも悪くないです。クラフト・ハインツの売上高のほとんどは北米(アメリカとカナダ)に偏っています。それ以外の地域での売上高は、全体の2割程度(2021年第1四半期)となっています。地域ポーフォリオの分散という意味では、北米以外の市場を攻めて行く必要がありましたから、これ自然な流れかもしれません。

【KHC】地域別売上高比率

その流れの一環なのでしょうか。クラフト・ハインツは1日、英国での食品工場建設でも投資を行うと発表していましたね。投資額は今後4年間で総額1億4000万ポンド(1億9883万ドル)で、もし実現すれば、米国外の既存製造施設への投資としては過去20年間で最大の規模となるそうです。

何だか、数年前のクラフト・ハインツの経営状況からは考えられない(投資)ですね。あの悪夢の減配と減損処理がずーっと後を引いている印象だったし、実際負債の削減と不要な資産売却、コスト削減を進めてきました。新規投資なんて考えられなかったはず。

ですが、ここにきて経営陣はそろそろ攻めに転じてきましたね。コロナ禍でクラフト・ハインツの製品が認知され、それが実績として表れたことが自信となったことが背景にありそうです。

で、工場建設に約2億ドル、アッサン・フーズ買収に1億ドル、計3億ドルが必要ですが、どうするのでしょう?新規借り入れ?まさかね。あり得ないでしょう。

私はこの3億ドルがどこから出るか、何となく想像が付きます。勘の良い方ならわかるかな。先日、クラフト・ハインツはナッツを事業の売却を完了させましたね。その売却で得られたキャッシュは、3.35億ドルでした。これとほぼ一致します。

なので、投資資金的には問題ないんだと思います。市場関係者も同様の反応を見せています。11日の株価は、事業買収の発表のあとでも下落することなく、前日比1%高で終えました。

KHC株価

クラフト・ハインツが本格的に復活する日は近いかもしれませんね。それが今から楽しみで仕方ありません。増配も復活してー!!


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