こんにちは。時短父さんです。
メモリアルデー3連休明けの米株式市場で、米ジョンソン&ジョンソン(JNJ)の株価が2%余り下落しましました。ダウ平均株価を構成する30銘柄のうち、最も下落率が大きくなりました。
というのも、米連邦最高裁がジョンソン&ジョンソンの上告を退けたことで、同社に21億ドルドルの賠償金支払い義務が確定したからです。
何の訴訟か?って?
そうですよね。ジョンソン&ジョンソンは数万の訴訟案件を抱えているので、どれか分かりませんね。今回の件は、2018年ミズーリ州セントルイスで、20人余りの女性がベビーパウダーを使用したことでがんが発症したとして、同社を訴えた件です。ベビーパウダーにアスベストが混入していたから、がんが発症した!と訴えていたのです。
そういうこともありましたね。2年くらい前だったかな。ジョンソン&ジョンソンは、食品医薬品局(FDA)から微量のアスベストが混入しているとの指摘を受けて、米国でベビーパウダーを自主回収していました。昨年5月から米国とカナダでの出荷を停止し、販売を縮小するとも発表していました。
今回、21億ドルの支払い義務。最高裁が決めてしまったから、もうこれは支払うしかないですよね。21億ドルの賠償金て凄い額ですけど、これが決まる前々の段階では、セントルイスの陪審団は40億ドルの懲罰的賠償金の支払いを追加していました。
これが実現したら米国史上6番目の大きさの賠償額となったのですが、昨年セントルイスの控訴裁は、(21億ドルへ)半減させてました。
いずれにしても21億ドルは大きな額であるのは間違いありません。これを嫌気して株価が下がったのです。
問題は、21億ドルがジョンソン&ジョンソンの業績に与える影響度合いです。同社の2020年の売上高は825億ドル、純利益は147億ドルありました。単純に21億ドルの訴訟費用として純利益から差し引くと、126億ドル(14%減)となります。
14%減は大きいと言えば、大きいです。それでもまだ126億ドルも利益が残ると言えば、それも凄いですね。
キャッシュフローはどうでしょう。2020年のフリーキャッシュフローは201億ドルありました。21億ドル差し引いたとしても、180億ドルが手元に残ります。
2020年の配当性向は52%でしたが、フリーキャッシュフローが180億ドルになり、配当支払額が5%増えたとしても、配当性向は60%に上昇するに留まります。なので、これで同社からの配当が減るとかいう心配は不要です。
従って、21億ドルの支出は、全く問題ないとは言えないまでも、ジョンソン&ジョンソンの株主にとっては気にし過ぎる必要はない程度です。むしろ、これが前例となって、他の訴訟が勢い付くことの方がよほど心配かもしれませんね。
今日もポチをお願いします。
↓↓
追伸:ジョンソン&ジョンソン社からの発表によれば、経過利息を含めて25億ドルを6月中に支払うことになるとのことです。
メモリアルデー3連休明けの米株式市場で、米ジョンソン&ジョンソン(JNJ)の株価が2%余り下落しましました。ダウ平均株価を構成する30銘柄のうち、最も下落率が大きくなりました。
というのも、米連邦最高裁がジョンソン&ジョンソンの上告を退けたことで、同社に21億ドルドルの賠償金支払い義務が確定したからです。
何の訴訟か?って?
そうですよね。ジョンソン&ジョンソンは数万の訴訟案件を抱えているので、どれか分かりませんね。今回の件は、2018年ミズーリ州セントルイスで、20人余りの女性がベビーパウダーを使用したことでがんが発症したとして、同社を訴えた件です。ベビーパウダーにアスベストが混入していたから、がんが発症した!と訴えていたのです。
そういうこともありましたね。2年くらい前だったかな。ジョンソン&ジョンソンは、食品医薬品局(FDA)から微量のアスベストが混入しているとの指摘を受けて、米国でベビーパウダーを自主回収していました。昨年5月から米国とカナダでの出荷を停止し、販売を縮小するとも発表していました。
今回、21億ドルの支払い義務。最高裁が決めてしまったから、もうこれは支払うしかないですよね。21億ドルの賠償金て凄い額ですけど、これが決まる前々の段階では、セントルイスの陪審団は40億ドルの懲罰的賠償金の支払いを追加していました。
これが実現したら米国史上6番目の大きさの賠償額となったのですが、昨年セントルイスの控訴裁は、(21億ドルへ)半減させてました。
いずれにしても21億ドルは大きな額であるのは間違いありません。これを嫌気して株価が下がったのです。
問題は、21億ドルがジョンソン&ジョンソンの業績に与える影響度合いです。同社の2020年の売上高は825億ドル、純利益は147億ドルありました。単純に21億ドルの訴訟費用として純利益から差し引くと、126億ドル(14%減)となります。
14%減は大きいと言えば、大きいです。それでもまだ126億ドルも利益が残ると言えば、それも凄いですね。
キャッシュフローはどうでしょう。2020年のフリーキャッシュフローは201億ドルありました。21億ドル差し引いたとしても、180億ドルが手元に残ります。
2020年の配当性向は52%でしたが、フリーキャッシュフローが180億ドルになり、配当支払額が5%増えたとしても、配当性向は60%に上昇するに留まります。なので、これで同社からの配当が減るとかいう心配は不要です。
従って、21億ドルの支出は、全く問題ないとは言えないまでも、ジョンソン&ジョンソンの株主にとっては気にし過ぎる必要はない程度です。むしろ、これが前例となって、他の訴訟が勢い付くことの方がよほど心配かもしれませんね。
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