こんにちは。時短父さんです。

米食品大手のクラフト・ハインツが2021年第1四半期(1-3月)の決算を発表しました。内容は良かったです。既存事業売上高は前年比2.5%増加、調整後EBITDAは同12%増加しました。

そして四半期配当も同時に発表して、0.40ドルを維持しています。後ほど触れますが、キャッシュフローの改善も顕著になってきており、そろそろ配当を増やしてくれると期待できる内容です。

まずは四半期の業績から。
売上高は63.9億ドルで、前年同期比3.8%増加しました。為替の良い影響が1.4%分含まれていますが、第1四半期としての増収は2年連続となっています。為替等の影響を除いた既存事業売上高の伸び率は2.5%となっていますで(前年は8.7%でした)。

営業利益は10.8億ドルで、同41.4%増加しました。売上原価が減少していたので、懸念されていた原材料価格の上昇の影響はあまりなかったようです。一般管理費はやや増加。そしていつもクラフト・ハインツの足を引っ張るのれん代の減損が2.3億ドル計上されていました。営業利益率は17.0%となり、一年前の12.5%に比べて4.5ポイント上昇しました。

純利益は5.6億ドルで、同48.9%増加しました。49%も増加したのは良いですが、営業利益が10.8億ドルもあって、何故に手元に残るのがたったの5.6億ドルなの?て思いますよね。これは270億ドルもの長期債務にかかる利息支払いで4.1億ドルも流出してしまっているのです。

希薄化後の一株利益は0.46ドルでした。前年同期の0.31ドルから大幅に増加しました。これで四半期配当0.40ドルは賄える水準を超えましたね。調整後一株利益は0.72ドルで。市場予想0.60ドルを上回りました。

下の業績推移を見て頂ければ分かりますが、売上高の減少には歯止めがかかったようですし、利益も残せる体質になってきたようで、本当に良かったと思います。

【KHC】1Q業績推移

地域別の売上高では米国が46.0億ドル(前年同期比2.5%増)、カナダが3.9億ドル(同8.6%増)、その他地域が13.9億ドル(同7.1%増)となっています。米国外での売上高が比較的好調だったようです。

市場調査会社カンターが21日公表した調査によると、2020年の世界の食品販売は前年比10%増加し、過去最高の伸びを記録したそうです。そのなかでも大半の食品部門を中南米の消費がけん引したとのことで、この1-3月期においてもその流れを受けたのかもしれません。

さて、キャッシュフローです。3ヵ月間の営業キャッシュフローは8.1億ドル(前年同期比282%増)、事業継続に必要な投資支出2.2億ドル(同73%増)、フリーキャッシュフローは5.8億ドル(同619%増)となりました。

営業キャッシュフローマージンは一年前の3%台から、なんと13%台にまで急上昇しました。売上高がしっかりとキャッシュ創出に繋がってきているようです。2020年通期では19%まで上昇したので、この1-3月での13%はある意味で当然の結果とも言えますが、あの稼げない時代を知っているだけに、よくここまで立て直してくれたなと、本当に嬉しいです。
【KHC】1Q CF推移

配当の安全性にも触れておきます。もうこれ以上は減配は見たくないので、、、。フリーキャッシュフローは5.8億ドルでした。この3ヵ月間で支払った配当総額は4.8億ドルです。よって配当性向は84%となります。84%だと安全性としては、難があります。

2019年はフリーキャッシュフローの8倍超、2020年は同じ様に6倍の配当を払ってきたことを考えると、フリーキャッシュフローのなかに収まっているだけで、すごく改善された印象を持ちます。

2020年通期では配当性向は45%でしたので、第2四半期以降では時間の経過とともに84%から減少していくものと思われます。配当性向が2年連続で50%を下回ると見通せれば、おそらく配当を増やしてきてくれるかもしれません。もうしばらく時間が掛かるかもですが、増配の時期は確実に近くなっていると言えるでしょう。


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マーク リクテンフェルド
APJ Media
2020-06-18