こんにちは。時短父さんです。

先日、米スリーエム(MMM)が1-3月期の決算を発表しましたね。内容は悪くなっかったと思うのに、何故か発表日の株価は2.6%も下げました。パンデミックと2月の天候不順による供給網の混乱でコスト増の懸念が払しょくされない、通期見通しを据え置いたことが嫌気された、らしい。らしい、としか言えない。

でもこの決算内容見たら、何故株価が下がるの?って思うし、むしろ下がったところを拾いたいねって思うはずです。そして、スリーエムの配当の安全性は一層高まっていることに自信を持ってもいいと思います(株主さんは)。

四半期の売上高は88.5億ドル(前年同期比9.6%増)、営業利益は19.9億ドル(同19.9%増)、純利益は16.2億ドル(同25.7%増)でした。希薄化後一株利益は2.77ドルで市場予想2.29ドルを大きく上回りました。
1Q業績推移

セグメント別で見ても、主要4部門全てで増収増益でした。特に安全・産業部門は13%増収、16%増益でしたし、交通・エレクトロニックス部門は13%増収、22%増益でした。引き続き、医療用マスクの需要は高かったようですよ。

で、営業キャッシュフローは16.8億ドル(同39%増)、事業継続に必要な投資支出は3.1億ドル(同6%減)、フリーキャッシュフローは13.7億ドル(同56%増)でした。営業キャッシュフローマージンは19.1%で、優位性が高いと言われる15%を上回りました。

ね、決算内容自体は決して悪くないでしょ。やはり株価下落の要因は見通しを据え置いたことなのかな、、、。

ま、いいや。配当の安全性の話をしましょう。
スリーエムはこの3ヵ月間で株主に8.4億ドルの配当を支払いました。フリーキャッシュフローは13.7億ドルだったので、配当性向は61.5%となります。これは前年同期の96.1%から大幅に低下(良いこと)しています。

そういえばスリーエムは今年の四半期配当の増配はたったの0.01ドルでした。年間で0.04ドルね。たったこれだけしか増配できなかったのは、昨年パンデミックによる影響があったからと思われます。0.01ドルしか増やせないってことは、結構ヤバいんじゃ?と思うかもしれません。

でも冷静にフリーキャッシュフローと配当性向を見てみると、スリーエムの配当は今すぐに減配になるとか、増配が止まるとかってことにはならないと分かります。安全性は高まっているのです。

【MMM】通期フリーCFと配当の推移

2018年まではフリーキャッシュフローが横ばいから緩やかな減少になっていましたので、連続増配をしているスリーエムの配当性向は上昇傾向にありました。しかしながら、2019年と2020年は、連続してフリーキャッシュフローが増加しており、配当性向は逆に急低下しています。20年の配当性向は51.2%でした。

一般的に配当性向が50%を切ってくれば、配当は十分に安全だと言えます。スリーエムの51.2%はほぼそれに近い水準だということです。

なので、何が言いたいかって言うと、決算発表後に株価は下げましたが、これは配当株投資家にとっては、少しばかり安く優良銘柄を買えるチャンスだったってことです。


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米国株四半期速報2021年春号
亜州リサーチ株式会社
EAN/ISBN13
2021-04-14