こんにちは。時短父さんです。
米国株では2021年1-3月期の決算発表が始まりましたね。四半期毎の決算発表は、個別株へ投資している個人投資家ににとっては、重要なイベントです。投資先の業績が良かったのか、今後の見通しはどうなのか、確認しておきたいものです。
業績は一年前の同時期と比べてどうだったかがポイントですよね。売上は伸びているか、利益は成長しているのか、そんなところをいつも見ています。あとはキャッシュフローもかな。でも今回の四半期の一年前というと、ちょうどコロナが企業業績に影響を出し始めた時です。あれから、もう一年です。
大手企業のなかではいつも銀行・証券などの金融機関がその先陣を切って決算を発表しています。14日はゴールドマン・サックス・グループ(GS)、JPモルガン・チェース(JPM)、ウェルズ・ファーゴ(WFG)が決算を発表しました。
いずれも底堅い決算内容だったようです。というか、めちゃ良い内容でした(表面上は)!
例えば、ゴールドマンは市場予想を上回る大幅増益で、特別買収目的会社(SPAC)による新規株式公開(IPO)ブームやコロナ禍を背景とした株式トレーディングの活発化が業績押し上げに寄与しました。純利益は67億ドル、一株利益は18.60ドルで、前年同期3.11ドルから6倍近く増加しました。総収入も177億ドルで、2倍超の増加でした。
売上高が1年前に比べて2倍、利益が6倍って、こんなことって普通ありますかね、、、(笑)でも、まぁゴールドマンはちゃんと自力で稼いだんで、良しとしましょうよ。問題は次の2企業です。
JPモルガン・チェースも良かったんです。収入は331億ドルで前年同期比14%増加しました。ゴールドマンほどじゃないけど、頑張りましたね。純利益は143億ドル、一株利益は4.50ドルでした。前年同期の純利益は29億ドル(一株利益は0.78ドル)でしたから、それぞれ5倍前後の増加です。
売上が14%しか増えてないのに、純利益が5倍って、何?!ですよね。これにはからくりがあって、新型コロナに伴って計上していた貸倒引当金の一部を戻し入れたからです。
貸倒引当金は売掛金や貸付金など将来受け取ることになっている金銭債権が、なんらかの事情で回収不能となり、将来の損失となり得ることを示すものです。これが経済の回復などで、回収不能の可能性が減ったことで、その計上していた費用を戻すことを、貸倒引当金の戻し入れと言います。
JPモルガン・チェースの戻し入れ額は52億ドルでした。それでもまだ260億ドル残っているものの、純
利益143億ドルのうち、52億ドルですからね。どんだけ利益をかさ上げさせたんかって話です(決して粉飾ではないです)。ちなみに20年10-12月期の純利益121億ドルに対して、貸倒引当金戻し入れは30億ドルでした。
もう一つ、ウェルズ・ファーゴも同様です。同行も貸倒引当金の戻し入れを16億ドルしたことで、利益を大幅に拡大させました。純利益は47.4億ドル、一株利益は1.05ドルでした。前年同期の純利益は6.5億ドル、一株利益はたった0.01ドルでしたから、純利益は7倍超となっています。その増加度合を分かって頂けるかと思います。
てか、ズルくないっすか。こんな方法で大幅増益を達成しても、嬉しくないっていうか。何度言いますが、決して粉飾決算ではない、とはいえです。数字上の見た目が良くなり過ぎてしまいます。
そう、実際良く見え過ぎているようです。
ウェルズ・ファーゴは本業の収益源である純金利収入は22%減少していますし、税引き前・引当金繰り入れ前利益は13%減少しています。
JPモルガン・チェースの貸出残高は減少しており、預金貸出比率は44%となって、大手行として望ましいとされる水準の半分程度に留まっているようです。また金利が歴史的低水準に留まっていることや、収益関連費用の増加によって、金利収入の予想を下方修正させたほか、費用予想を上方修正しています。
利益が前年同期比で5倍とか7倍とか、普通はあり得ないから。ちゃんとそこにはからくりがあって、本質を見誤らないようにしないといけませんね。てか、まともに稼いでいたのはゴールドマンだけでしたね。まぁ、あそこは若手バンカーから労働条件改善を求められるほどで、従業員を酷使して出した結果なのでしょうが。
さぁ、この後シティ・グループ(C)も決算発表するでしょうが、きっと貸倒引当金を戻し入れてくると思いますよ。結果が楽しみですね。
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米国株では2021年1-3月期の決算発表が始まりましたね。四半期毎の決算発表は、個別株へ投資している個人投資家ににとっては、重要なイベントです。投資先の業績が良かったのか、今後の見通しはどうなのか、確認しておきたいものです。
業績は一年前の同時期と比べてどうだったかがポイントですよね。売上は伸びているか、利益は成長しているのか、そんなところをいつも見ています。あとはキャッシュフローもかな。でも今回の四半期の一年前というと、ちょうどコロナが企業業績に影響を出し始めた時です。あれから、もう一年です。
大手企業のなかではいつも銀行・証券などの金融機関がその先陣を切って決算を発表しています。14日はゴールドマン・サックス・グループ(GS)、JPモルガン・チェース(JPM)、ウェルズ・ファーゴ(WFG)が決算を発表しました。
いずれも底堅い決算内容だったようです。というか、めちゃ良い内容でした(表面上は)!
例えば、ゴールドマンは市場予想を上回る大幅増益で、特別買収目的会社(SPAC)による新規株式公開(IPO)ブームやコロナ禍を背景とした株式トレーディングの活発化が業績押し上げに寄与しました。純利益は67億ドル、一株利益は18.60ドルで、前年同期3.11ドルから6倍近く増加しました。総収入も177億ドルで、2倍超の増加でした。
売上高が1年前に比べて2倍、利益が6倍って、こんなことって普通ありますかね、、、(笑)でも、まぁゴールドマンはちゃんと自力で稼いだんで、良しとしましょうよ。問題は次の2企業です。
JPモルガン・チェースも良かったんです。収入は331億ドルで前年同期比14%増加しました。ゴールドマンほどじゃないけど、頑張りましたね。純利益は143億ドル、一株利益は4.50ドルでした。前年同期の純利益は29億ドル(一株利益は0.78ドル)でしたから、それぞれ5倍前後の増加です。
売上が14%しか増えてないのに、純利益が5倍って、何?!ですよね。これにはからくりがあって、新型コロナに伴って計上していた貸倒引当金の一部を戻し入れたからです。
貸倒引当金は売掛金や貸付金など将来受け取ることになっている金銭債権が、なんらかの事情で回収不能となり、将来の損失となり得ることを示すものです。これが経済の回復などで、回収不能の可能性が減ったことで、その計上していた費用を戻すことを、貸倒引当金の戻し入れと言います。
JPモルガン・チェースの戻し入れ額は52億ドルでした。それでもまだ260億ドル残っているものの、純
利益143億ドルのうち、52億ドルですからね。どんだけ利益をかさ上げさせたんかって話です(決して粉飾ではないです)。ちなみに20年10-12月期の純利益121億ドルに対して、貸倒引当金戻し入れは30億ドルでした。
もう一つ、ウェルズ・ファーゴも同様です。同行も貸倒引当金の戻し入れを16億ドルしたことで、利益を大幅に拡大させました。純利益は47.4億ドル、一株利益は1.05ドルでした。前年同期の純利益は6.5億ドル、一株利益はたった0.01ドルでしたから、純利益は7倍超となっています。その増加度合を分かって頂けるかと思います。
てか、ズルくないっすか。こんな方法で大幅増益を達成しても、嬉しくないっていうか。何度言いますが、決して粉飾決算ではない、とはいえです。数字上の見た目が良くなり過ぎてしまいます。
そう、実際良く見え過ぎているようです。
ウェルズ・ファーゴは本業の収益源である純金利収入は22%減少していますし、税引き前・引当金繰り入れ前利益は13%減少しています。
JPモルガン・チェースの貸出残高は減少しており、預金貸出比率は44%となって、大手行として望ましいとされる水準の半分程度に留まっているようです。また金利が歴史的低水準に留まっていることや、収益関連費用の増加によって、金利収入の予想を下方修正させたほか、費用予想を上方修正しています。
利益が前年同期比で5倍とか7倍とか、普通はあり得ないから。ちゃんとそこにはからくりがあって、本質を見誤らないようにしないといけませんね。てか、まともに稼いでいたのはゴールドマンだけでしたね。まぁ、あそこは若手バンカーから労働条件改善を求められるほどで、従業員を酷使して出した結果なのでしょうが。
さぁ、この後シティ・グループ(C)も決算発表するでしょうが、きっと貸倒引当金を戻し入れてくると思いますよ。結果が楽しみですね。
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