こんにちは。時短父さんです。
米ソフトウエア大手のマイクロソフト(MSFT)は、12日米ボストンに本拠を置き、音声認識と人工知能のソリューションを提供しているニュアンス・コミュニケーションズ(NUAN)を買収することを発表しました。
前日にはロイターやブルームバーグが、マイクロソフトがニュアンスを160億ドルで買収か?と報道をしていましたが、その翌日に正式発表がありました。しかも、買収金額はニュアンスの一株あたり56ドルとのことで、先週末9日のニュアンスの株価より23%も上乗せされるようです。
全体ではニュアンスの負債も含めた企業価値として、197億ドル相当の買収金額になる見込みです。197億ドル!!すごいですね、、、。
果たしてそこまでの額を出して、マイクロソフトがニュアンスを買う必要があったのか?そもそもニュアンスとはどんな企業なのか?少し調べてみました。
ブルームバーグの企業概要によれば、ニュアンスは「対話型人工知能ソリューションの提供に従事」しており、「生産性とセキュリティ向上を目的とした人間の知能の増幅を把握・分析・対応するソリューションを手掛け」ています。「医療、金融サービス、電気通信、政府、および小売を対象に世界各地で事業を展開」しているようです。
ゴリゴリのAI開発企業って感じがしますね。正直言って私はこの辺のこと疎くて、すみません。事業概要は分かりました。では、業績はどうでしょう?マイクロソフトが買収するくらいだから、グイグイ売上を伸ばしているのかな?利益率がいいのかな?
FY2020の売上高は14.7億ドルで、前年比2.8%減少しました。毎年15億ドル前後の売上高となっていて、売上高がグイグイ伸びている感じは全くありません。また利益もFY2020になってやっと出せたようです。
売上高の内訳としては、ヘルスケア事業が62%、エンタープライズ事業が36%、その他が2%となっています。医療分野に強みを持っているのですね。
マイクロソフトの発表文にも、同社は「特定産業におけるクラウドを提供し、顧客とパートナーを支援してきた。それにはマイクロソフト・クラウド・ヘルスケアが含まれており、急速な成長が進む医療分野でのクラウドの包括的な必要性を指している」としています。
ニュアンスのソリューションは、米国の外科医の55%以上に、放射線技師の75%以上に、77%の病院に提供されており、ヘルスケア事業の売上高は前年比32%増加したとマイクロソフトは強調しています。
それだけ医療関係者にニュアンスのソリューションが使われているとしたら、この買収はいよいよマイクロソフトが本格的に医療分野へ進出することを意味するのですね。もう、マイクロソフトはソフトウエア企業から、AIやクラウド企業へと少しずつ変化して行くことになりそうです。
この買収によってマイクロソフトは197億ドルの支出となる訳ですが、同社の財務規模から見て、どうなのでしょうか?マイクロソフトの年間売上高は1430億ドルで、純利益は442億ドルです(FY2020)。単純に197億ドルを差し引いても、まだ利益は十分に残りそうです。
ただ発表文によれば、ニュアンス取得による一株利益への影響は「限りなく薄い(1%未満)」とのことです。
まぁでもキャッシュフローはそこそこにインパクトを受けると思いますね。下はマイクロソフトのキャッシュフローの推移です。投資CFはネットで見ています。
2020年の投資CFは122億ドルの支出でした。これに197億ドルが追加されるとなると、ざっと320億ドル近くの支出になる見込みで、2017年以来の大規模投資となります。
ただそれでも営業キャッシュフローは十分確保できる(2020年は606億ドル)でしょうから、ネットで見ても、フリーキャッシュフローはプラスを確保できることでしょう。
さぁ、実際に買収が完了して、シナジーを発揮してきた時のマイクロソフトが今から楽しみですね。
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米ソフトウエア大手のマイクロソフト(MSFT)は、12日米ボストンに本拠を置き、音声認識と人工知能のソリューションを提供しているニュアンス・コミュニケーションズ(NUAN)を買収することを発表しました。
前日にはロイターやブルームバーグが、マイクロソフトがニュアンスを160億ドルで買収か?と報道をしていましたが、その翌日に正式発表がありました。しかも、買収金額はニュアンスの一株あたり56ドルとのことで、先週末9日のニュアンスの株価より23%も上乗せされるようです。
全体ではニュアンスの負債も含めた企業価値として、197億ドル相当の買収金額になる見込みです。197億ドル!!すごいですね、、、。
果たしてそこまでの額を出して、マイクロソフトがニュアンスを買う必要があったのか?そもそもニュアンスとはどんな企業なのか?少し調べてみました。
ブルームバーグの企業概要によれば、ニュアンスは「対話型人工知能ソリューションの提供に従事」しており、「生産性とセキュリティ向上を目的とした人間の知能の増幅を把握・分析・対応するソリューションを手掛け」ています。「医療、金融サービス、電気通信、政府、および小売を対象に世界各地で事業を展開」しているようです。
ゴリゴリのAI開発企業って感じがしますね。正直言って私はこの辺のこと疎くて、すみません。事業概要は分かりました。では、業績はどうでしょう?マイクロソフトが買収するくらいだから、グイグイ売上を伸ばしているのかな?利益率がいいのかな?
FY2020の売上高は14.7億ドルで、前年比2.8%減少しました。毎年15億ドル前後の売上高となっていて、売上高がグイグイ伸びている感じは全くありません。また利益もFY2020になってやっと出せたようです。
売上高の内訳としては、ヘルスケア事業が62%、エンタープライズ事業が36%、その他が2%となっています。医療分野に強みを持っているのですね。
マイクロソフトの発表文にも、同社は「特定産業におけるクラウドを提供し、顧客とパートナーを支援してきた。それにはマイクロソフト・クラウド・ヘルスケアが含まれており、急速な成長が進む医療分野でのクラウドの包括的な必要性を指している」としています。
ニュアンスのソリューションは、米国の外科医の55%以上に、放射線技師の75%以上に、77%の病院に提供されており、ヘルスケア事業の売上高は前年比32%増加したとマイクロソフトは強調しています。
それだけ医療関係者にニュアンスのソリューションが使われているとしたら、この買収はいよいよマイクロソフトが本格的に医療分野へ進出することを意味するのですね。もう、マイクロソフトはソフトウエア企業から、AIやクラウド企業へと少しずつ変化して行くことになりそうです。
この買収によってマイクロソフトは197億ドルの支出となる訳ですが、同社の財務規模から見て、どうなのでしょうか?マイクロソフトの年間売上高は1430億ドルで、純利益は442億ドルです(FY2020)。単純に197億ドルを差し引いても、まだ利益は十分に残りそうです。
ただ発表文によれば、ニュアンス取得による一株利益への影響は「限りなく薄い(1%未満)」とのことです。
まぁでもキャッシュフローはそこそこにインパクトを受けると思いますね。下はマイクロソフトのキャッシュフローの推移です。投資CFはネットで見ています。
2020年の投資CFは122億ドルの支出でした。これに197億ドルが追加されるとなると、ざっと320億ドル近くの支出になる見込みで、2017年以来の大規模投資となります。
ただそれでも営業キャッシュフローは十分確保できる(2020年は606億ドル)でしょうから、ネットで見ても、フリーキャッシュフローはプラスを確保できることでしょう。
さぁ、実際に買収が完了して、シナジーを発揮してきた時のマイクロソフトが今から楽しみですね。
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