こんにちは。時短父さんです。

全米でケチャップ不足が生じているようです。CNNが報じたところによると、「ケチャップ不足、中でも持ち帰り食品用のミニパック入りケチャップの不足は、全米で昨年夏ごろから発生し始め、状況は悪化している」とのこと。

えっ、何で?って思いますよね。発端は、疾病対策センター(CDC)による新型コロナ対策として、飲食店内での食事を控えるように求めて、デリバリーやテイクアウトを勧告したことだそうです。既存のデリバリー業者以外もそうしたことやテイクアウトを始めたことで需要が急増したみたいです。

ケチャップ不足っていうから、ボトル入りのものかと思ったら、そうじゃない。小分けパックだって。しかも、これが不足しているから、デリバリーやテイクアウトを行う飲食店は、ボトル入りケチャップをわざわざ手作業で小分けにしているほどとか、、、。てか、注文する方も家の冷蔵庫に常備しておきなよね。

なんか一年前を思い出しますね。日本でもあったじゃないですか。トイレットペーパー不足。政府が一回目の緊急事態宣言を発出した時、学校も休校となって、外出自粛が求められて、在宅時間が多くなったことで、トイレットペーパーが不足した時がありました。もちろん、それ以上にマスクも不足しました。

ご想像のとおり、日本で言えばケチャップはカゴメですが、アメリカではハインツです。米ケチャップ最大手のハインツはこの問題の中心的存在です。CNNの記事によると、「同社は対応強化に乗り出し、数日前には生産量を25%増やして年間計120億のミニパック入りケチャップを製造する計画を発表」したらしいのです。

あれ~?おかしいなぁ。親会社のクラフト・ハインツ(KHC)から、プレスリリースが発表された気配はないんだけど。この発言はクラフト・ハインツの幹部がUSA TODAYに語ったところからの引用のようです。

いずれにしてもハインツ製品の需要が高まることは、同社の株主にとっては朗報です。当たり前だけれど、需要が高まれば、販売価格を上げるか、生産を増やして供給を増やします。どちらにしても、クラフト・ハインツにとっては売上高増加に寄与します。

昨年はケチャップだけでなくて、在宅時間の増加でアンビエント・フーズ(常温保存可能食品)の需要が高まり、同社の業績回復に貢献しました。2020年同カテゴリーは最も売上高増加率(19%増)が高かったです。

同様に今回のケチャップ不足騒動は、クラフト・ハインツの業績を押し上げることになりそうです。アンビエント・フーズは19%増加だったとはいえ、売上高全体の11%を占めるに過ぎません。ケチャップを含む、ソース・調味料カテゴリーは全体の26%を占めます(20年は6%増でした)。
【KHC】カテゴリー別売上高比率

従ってここの部分の需要増加は、クラフト・ハインツ全体にとっても非常に影響力があると思うのです。

クラフト・ハインツは2015年に、チーズのクラフトとケチャップのハインツが合併してできた巨大食品会社で、著名投資家ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイとブラジルの3Gキャピタルがこの合併を主導しました。

が、マーケティングに失敗したのか、2016~2018年にかけてキャッシュを稼げない状態が続き、2018年に巨額の減損処理を行ったという経緯があります。そして、36%もの大幅な減配も実施しました。そこから、配当は戻ってきていません。

しかし幸か不幸か、コロナ禍はクラフト・ハインツにとっては追い風となったようです。大幅減配後に、同社は経営陣を交代させ、構造改革を断行しました(今も続いています)。それがようやく実り始めてきたかもしれません。20年は売上高も増加し、キャッシュフローも大きく改善しました。

株価は40ドル台を回復し、私が保有するクラフト・ハインツ株の含み損もやっと解消しました。今回の「ケチャップ不足」報道で、もしかしたら爆上げしちゃうかなっと思ったけど、さすがにそれはなかったですね。
株価 2021APR

ま、いずれにしてもクラフト・ハインツは、もともとは消費者に欠かせない製品を扱っているメーカー・ブランドあり、需要の底固さはあります。あとはコストを削り、利益を生み出せる体質に持っていけるか、そこにかかっていると思います。


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