こんにちは。時短父さんです。

米食品大手クラフト・ハインツ(KHC)の株価が11日の取引で前日比5%の値上がりを見せ、昨年末以来の35ドル台に乗せています。その理由は同日クラフト・ハインツから発表されたプレスリリース3連発が関係しています。

一つ目!クラフト・ハインツの2020年第4四半期決算が良かったこと!
二つ目!クラフト・ハインツは2021年も配当を現行維持する(減配はない)と宣言したこと!
三つ目!クラフト・ハインツは2021年第1四半期にナッツ事業をホーメルフーズ(HRL)に売却すると決めたこと!

一つずつ見て行きましょう。クラフト・ハインツは2020年第4四半期と通期の決算を発表しました。内容は良かったです、特に第4四半期の方が。

売上高は69.3億ドルで前年同期比6.2%増加しました。米国事業は前年比8%増加し、私が調べた限り初めて四半期で50億ドル台に乗りました。同事業の売上高比率は72%⇒73%に上昇しました。

営業利益は15.5億ドルで同160%増加しました。160%増って何って?思いますよね。これ実は前年は6.8億ドルの減損損失が計上されていたので、見かけ上の営業利益はたったの5.9億ドルしかなかったのです。

ということは純利益も同様で、2020年第4四半期のそれは10.3億ドルとなり、前年同期比では467%増となりました。希薄化後の一株利益は0.84ドルで前年同期の0.15ドルから5.6倍に増加しました。2019年は減損処理が響いているので急激に増えた印象がありますが、調整後一株利益は19年は0.72ドル、20年は0.80ドルで、11%増加と落ち着いた増加率となっています。ちなみに調整後一株利益の市場予想は0.74ドルでした。

それでも調整後利益としては2016年から減少傾向が続いていた(16年4Q=0.91ドル、17年4Q=0.90ドル、18年4Q=0.84ドル)ので、ここにきて反転したのは非常に良いポイントだと思います。それに調整後EBITDAは17.8億ドルあり、前年同期比14%増、20年3Q比で7%増でした。税引き前・償却前利益が大きく改善している点も好感が持てます。
【KHC】営業利益と調整後EBITDAの四半期推移

一昨年夏からの各種構造改革が功を奏しているのでしょう。営業利益は減損損失の計上でマイナスや大きく減ることもありますが、調整後EBITDAは緩やかに増加傾向にあります。業績が悪くなる前の水準に戻りつつあるようです。

通期では、売上高は261.8億ドル(前年比4.8%増)、営業利益は21.2億ドル(同30%減)、純利益は3.5億ドル(同81%減)、希薄後一株利益は0.29ドル(同81%減)でした。売上高が5%弱増加しているのに、営業利益が30%減少しているのは、これもやはり減損処理が影響しています。クラフト・ハインツは第3四半期までに43億ドルもの減損損失を計上していました。

これを除いたら営業利益は64億ドルもあったってことですし、調整後の一株利益は2.88ドルとなっています。実際調整後EBITDAは66.6億ドルで、前年比10%増でした。

で、通期で気になるのはキャッシュフローですね。営業キャッシュフローは49.2億ドルの収入で前年比38%増加、投資キャッシュフローは5.2億ドルの支出でした。よってフリーキャッシュフローは44.0億ドルとなりました。営業キャッシュフローマージンは19%で、前年より5%ポイントも上昇しています。キャッシュを稼ぐ力が戻ってきました。

【KHC】通期CF推移

フリーキャッシュフローはやや減少していますが、気にしないで下さい。これは19年には事業売却に伴う収入が含まれており、純粋な投資支出でみたら、19年は27.8億ドルのフリーキャッシュフローでした。

またフリーキャシュフローに対する配当性向ですが、これは44%となっており、前年よりやや上昇したものの、とても落ち着いた水準です。そろそろ増配が欲しい、、、。

これに関連してクラフト・ハインツは次回の四半期配当を0.40ドルとすると発表しました。つまり増配はお預けとなりました。支払日は3月26日、権利落ち日は3月12日です。「増配なし」はちょっと残念ですけど、配当が維持されただけマシと考えましょう。

安易に増配して株主の期待を過度に高め、財務に負担を掛けるようなことは繰り返してはいけませんから。2度目の減配はしない。スリムな経営体質と盤石な財務状況を作る為には、増配もしばらく我慢してもらおうという経営陣の固い意志を感じ取ることができます。

まずは減損処理が年間を通して行われない(保有資産でしっかり稼げる)ような経営状況を迎えた後に、増配に転換してくれれば良いと思います。

そう、スリムな経営体質。ここです。クラフト・ハインツはデカすぎるんです。買収を繰り返し、負債が重荷になっている。それで稼げなくなり、結果減損処理をして利益を圧迫した。これが本質です。

で、ここにメスを入れなければクラフト・ハインツは変われません。3つ目の発表ですが、同社はナッツ事業を33.5億ドルの現金で同業のホーメル・フーズに売却すると決めました。

ナッツ事業にはPlantersの他、Nut-rition、Cheez Balls、Cheez Curlsが含まれます。クラフト・ハインツにのナッツ事業は年間売上高11億ドルで、全体の4%に相当(2020年)します。つまり事業売却と引き換えに、約3年分の売上高分のキャッシュを手に入れることになります。

それ以上に事業売却を通じて、経営資源を主力事業に集中させることが重要です。パトリシオCEOも「(事業売却は)成長力と競争力のあるエリアに私たちの焦点を合わせることが可能になる」とコメントしています。

4%の売上高がなくなる訳ですが、悲観的になる必要はありません、クラフト・ハインツは21年のガイダンスで既存事業売上高は横ばいを予想、調整後EBITDAは1桁台前半の成長を予想しています。横ばいとか1桁とか低成長のような感じがしますが、これは20年第1四半期が良すぎたことを考慮したものです。しっかりとこれを継続できる見込みなので、問題ないでしょう。

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