こんにちは。時短父さんです。
米マクドナルド(MCD)は2020年第4四半期(10-12月期)と通期の決算を発表しました。内容はまちまちでした。そして結論から言うと、45年に及ぶマクドナルドの連続増配年数に黄色信号が点ったと考えています。その理由を決算発表の内容とともに見ていきます。
まず四半期決算ですが、売上高は53.1億ドルで前年同期比2.1%減少しました。米国市場での売上高は5.5%伸びたものの、新型コロナの影響で欧州諸国が都市封鎖を再開したことを受けて海外市場の既存店売上高が7.4%減少しました。市場予想は53.7億ドルでした。
営業利益は21.4億ドルで同6.5%減少し、営業利益率は40.3%と前年同期の42.2%から減少しました。
純利益は13.7億ドルで、同12.4%減少しました。希薄化後の一株利益は1.84ドルで、前年同期2.08ドルから減少しました。一時項目を除く調整後利益は1.70ドルで、同1.94ドルから減少したものの、市場予想1.62ドルを上回りました。
マクドナルドの四半期業績(2014年から)の推移は以下の通りです。

全体としては売上高は減少傾向にあるものの、営業利益と純利益はほぼ横ばい、一株利益は緩やかに上昇傾向にあることが分かります。売上高が減少しているのに利益は確保できているのは、フランチャイズ化を進めているからですね。
振り返ってみると、2020年第1~2四半期は売上高、営業利益、純利益、一株利益ともに急落しましたね。あの時は1回目の都市封鎖の影響が大きく出たのでした。しかしながら第3四半期でV字回復を果たしており、やはり強さを見せつけています。マクドナルドはドライブスルーやテイクアウト、デリバリーを強化し、システムも強化しました。
マクドナルドのケプチンスキーCEOは「(後で振り返った時に)2020年は私たちの長い歴史のなかで最もチャレンジングな年の一つになっているだろう」と述べました。
で結果的に2020年の通期では、売上高は192.0億ドル(前年比10.1%減)、営業利益は73.2億ドル(同19.2%減)、純利益は47.3億ドル(21.5%減)となりました。希薄化後一株利益は6.31ドルで、前年の7.88ドルから大きく減少しました。

う~ん。先ほどの四半期業績の推移と同様にやはり売上高が(傾向として)減少していますね。それでも営業利益と純利益は横ばいといったところです。一株利益は増加傾向です。
2020年の減収減益は、ほぼ確実にコロナによるものなので、これが収まれば需要は回復すると思われます。つまり減少傾向だった売上高が18-19年に留まったように、この水準に戻すと考えています。
ただ気になるのはキャッシュフローです。2020年通期の営業キャッシュフローは62.6億ドルで前年比23%減少しました。投資キャッシュフローは、このご時世でだいぶ抑制され15.4億ドル(同49%減)でした。なのでフリーキャッシュフローはなんとか47.1億ドルを確保しました(同6%減)。

ただし、営業キャッシュフローマージンは前年の38%から32%に減少しました(2006年からの平均は26%)。そしてキャッシュフローベースの配当性向が前年の71%から79%に上昇しており、これはかなりの危険水域に入ったと感じています。
マクドナルドは昨年12月支払いの四半期配当を、従来の1.25ドルから1.29ドルへとわずか3.2%の増配で、株主をがっかりさせました(18年は14.9%、19年は7.8%でした)。おそらく当面のキャッシュフローの停滞を見込んでのことだったのでしょう。
営業キャッシュフローの減少と、配当性向の上昇により、2021年12月においても、おそらく増配はあると思われますが、その増加率は20年と同様かそれ以下に終わると予想しています。期待はしない方が良いでしょう。まずは都市封鎖が解けて、売上高が戻ることを期待するしかありません。
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米マクドナルド(MCD)は2020年第4四半期(10-12月期)と通期の決算を発表しました。内容はまちまちでした。そして結論から言うと、45年に及ぶマクドナルドの連続増配年数に黄色信号が点ったと考えています。その理由を決算発表の内容とともに見ていきます。
まず四半期決算ですが、売上高は53.1億ドルで前年同期比2.1%減少しました。米国市場での売上高は5.5%伸びたものの、新型コロナの影響で欧州諸国が都市封鎖を再開したことを受けて海外市場の既存店売上高が7.4%減少しました。市場予想は53.7億ドルでした。
営業利益は21.4億ドルで同6.5%減少し、営業利益率は40.3%と前年同期の42.2%から減少しました。
純利益は13.7億ドルで、同12.4%減少しました。希薄化後の一株利益は1.84ドルで、前年同期2.08ドルから減少しました。一時項目を除く調整後利益は1.70ドルで、同1.94ドルから減少したものの、市場予想1.62ドルを上回りました。
マクドナルドの四半期業績(2014年から)の推移は以下の通りです。

全体としては売上高は減少傾向にあるものの、営業利益と純利益はほぼ横ばい、一株利益は緩やかに上昇傾向にあることが分かります。売上高が減少しているのに利益は確保できているのは、フランチャイズ化を進めているからですね。
振り返ってみると、2020年第1~2四半期は売上高、営業利益、純利益、一株利益ともに急落しましたね。あの時は1回目の都市封鎖の影響が大きく出たのでした。しかしながら第3四半期でV字回復を果たしており、やはり強さを見せつけています。マクドナルドはドライブスルーやテイクアウト、デリバリーを強化し、システムも強化しました。
マクドナルドのケプチンスキーCEOは「(後で振り返った時に)2020年は私たちの長い歴史のなかで最もチャレンジングな年の一つになっているだろう」と述べました。
で結果的に2020年の通期では、売上高は192.0億ドル(前年比10.1%減)、営業利益は73.2億ドル(同19.2%減)、純利益は47.3億ドル(21.5%減)となりました。希薄化後一株利益は6.31ドルで、前年の7.88ドルから大きく減少しました。

う~ん。先ほどの四半期業績の推移と同様にやはり売上高が(傾向として)減少していますね。それでも営業利益と純利益は横ばいといったところです。一株利益は増加傾向です。
2020年の減収減益は、ほぼ確実にコロナによるものなので、これが収まれば需要は回復すると思われます。つまり減少傾向だった売上高が18-19年に留まったように、この水準に戻すと考えています。
ただ気になるのはキャッシュフローです。2020年通期の営業キャッシュフローは62.6億ドルで前年比23%減少しました。投資キャッシュフローは、このご時世でだいぶ抑制され15.4億ドル(同49%減)でした。なのでフリーキャッシュフローはなんとか47.1億ドルを確保しました(同6%減)。

ただし、営業キャッシュフローマージンは前年の38%から32%に減少しました(2006年からの平均は26%)。そしてキャッシュフローベースの配当性向が前年の71%から79%に上昇しており、これはかなりの危険水域に入ったと感じています。
マクドナルドは昨年12月支払いの四半期配当を、従来の1.25ドルから1.29ドルへとわずか3.2%の増配で、株主をがっかりさせました(18年は14.9%、19年は7.8%でした)。おそらく当面のキャッシュフローの停滞を見込んでのことだったのでしょう。
営業キャッシュフローの減少と、配当性向の上昇により、2021年12月においても、おそらく増配はあると思われますが、その増加率は20年と同様かそれ以下に終わると予想しています。期待はしない方が良いでしょう。まずは都市封鎖が解けて、売上高が戻ることを期待するしかありません。
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