こんにちは。時短父さんです。

6日のニューヨーク株式市場はまちまちの展開となりました。執筆時点でダウ平均株価は30,851ドルと前日比460ドル高(1.51%高)となっている一方、ハイテク株中心のナスダック総合指数は12,667ポイントで前日比134ポイント安(1.05%安)となっています。

これは2枠を争うジョージア州での上院議員選挙(決戦投票)で、1枠を民主党候補が当確したことを受けて、残り1枠も含めた勝利の可能性が出てきたことによるもの、だそうです(報道ではね)。民主党候補が2枠取ると、上院の過半数を取ることになり、既に過半数を取っている下院とホワイトハウス(つまりバイデン次期大統領)とともに政権運営、議会運営がスムーズに進むと見られています。

追加の経済対策など財政支出の拡大が期待されていることから、景気敏感株などに買いが集まっている模様です。例えば、建機メーカーのキャタピラー(CAT)は5.5%高で推移してますし、クレジットカードのアメックス(AXP)は4.1%、化学のダウも4.6%上昇しています。

そんななか、清涼飲料大手のコカ・コーラ株(KO)は連日の急落となっています。6日だけで3.4%下落していますし、20年末比では8%余り下落したことになります。

チャート

何故、ハイテク株でもないコカ・コーラがここまで下落するのでしょうか?もしかしてコカ・コーラはハイテク製品なのでしょうか?はたまた同社の本拠地がジョージア州アトランタにあるからでしょうか?(笑)

いえ、たぶん違います。
コカ・コーラ株が急落している背景には、最近の長期金利の上昇と同社のバランスシートとがあります。

長期金利は米国10年債利回りのことですが、これは現在1.039%(前日比8.7%高)となっており、昨年夏場(最低は8月4日の0.515%)から約50%上昇しています。長期金利が上がると、何が起きるか?いろいろな影響は考えられますが、企業にとっては借り入れコストの上昇が問題となります。金利支払いの負担が上昇するのです。

特に借入の大きいハイテク企業はそのマイナスの影響は必至で、そのためナスダック指数は下がっていると見て良いです。

そしてコカ・コーラですが、連続増配銘柄で、バフェット銘柄でもあって優良企業として有名ではあるものの、実は負債の多さが目に付く銘柄でもあります。
BS(2020-3Q)

上に示したのはコカ・コーラの2020年9月末時点のバランスシートです。どうでしょう?意外と負債が多いように見えませんか?負債比率は78%を超え、自己資本比率は20%ちょっとしかありません。

2018年にコカ・コーラは英コーヒーチェーンのコスタを51億ドル(当時5600億円)も掛けて買収しました。この買収もおそらく借入によって賄ったのでしょう。

借入(負債)が多ければ、その分金利支払いも増えます。これに加えて長期金利の上昇が追い打ちを掛ければ、金利負担が重くなり、利益を押し下げる要因になることは目に見えています。

とはいえ、コカ・コーラが長期金利上昇だけで潰れるなんてことはないでしょうから、むしろ株価が下がったところを慎重に押し目買いしていったらいいと思います。ワクチンが普及して、外食需要やスポーツイベントの開催が始まれば、コカ・コーラにとっては追い風になるはずです。


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コカ・コーラ帝国の興亡―100年の商魂と生き残り戦略
マーク ペンダグラスト
徳間書店
1993-04T