こんにちは。時短父さんです。

ブルームバーグ通信が伝えたところによると、ブラックストーン・グループのバイロン・ウィーン氏(87歳)が毎年恒例の「びっくり10大予想」を発表しました。これによれば、米国株の主要株価指数であるS&P500指数は、2021年前半に20%近く下げ、そこから4500まで上昇するとのことです。また米国経済の成長率は6%を上回り、10年債利回りが2%に上昇する見方を示しました。

正直言って後半の部分は私の専門外というか、そこまで興味がないところなので、詳しくは書きませんが、参考までに2020年の成長率は 1-3月期は-4.8%、4-6月期は-32.9%、7-9月期は+33.1%でした(10-12月期は未発表)。10年債利回りは2020年末時点で0.916%となっています。

注目するのはS&P500指数の下落と上昇についてです。前半に20%近く下げた後に、そこから4500まで上昇するとの予想をしているようですが、これ驚くべきことでしょうか?ウィーン氏が予想するS&P500の推移をチャートにするとこんな感じのV字を描きます。
ウィーン氏「びっくり予想」

でもよーく思い出して下さい。20年は似たような株価推移を辿りましたよね。2019年末は3230でした。コロナショックで20年3月下旬に2304まで下落。これは19年末比で-29%です。そしてそこから急回復を遂げて、2020年末には3756まで行ったのです。上昇幅は年間ベースでは16%ですが、最大で63%上昇したのです。

ウィーン氏の予想では、前半に20%近く下げると言っているので前半のいつかの時点で3004まで落ち込み、その後年末までに最大50%前後上昇します。4500は20年末比では+16%です。

しかしウィーン氏が何故21年前半に20%近く下げると予想しているかは、ブルームバーグは伝えていません。ただワクチンの成功と治療法の進歩により、5月末くらいまでには米国経済は正常に回復すると予想しており、「史上最大の景気循環が始まる」と説明しているようです。

これを見る限り本当にびっくりする予想と言えるのでしょうか?私には疑問です。限りなく昨年の株価指数の動きを踏襲しているような感じに映るからです。

それに最終的に4500まで行くとするS&P500ですが、これが目新しいものではないことはもうご存知ですよね。他にも似たような数字を出している関係者が複数いるからです。ゴールドン・サックスは4300に、モルガン・スタンレーは4500に、ジュレミー・シーゲル教授は4319程度まで上昇すると予想しています。

もし本当にびっくりするのだとすれば、ウィーン氏の今回の予想4500をさらに超える上昇が見られた時でしょうね。もしくは20%近くの下落がなかったとか。ちなみに同氏は1年前にS&P500は3500を突破すると予想していました。良い意味で期待を裏切ってくれたびっくりする結果となったわけです。

21年も同じように予想を裏切ってくれたら、それが本当のびっくり予想だと思いますね。さてあなたはこの予想にどう反応し、どう行動しますか?

今日もポチをお願いします。
↓↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

ブラックストーン・ウェイ PEファンドの王者が語る投資のすべて
スティーブ・シュワルツマン
翔泳社
2020-10-14