こんにちは。時短父さんです。

米化学製品メーカーで複合企業のスリーエム(MMM、以下3M)がちょっと変わった内容のプレスリリースを発表しました。どんな内容か簡単に言うと、ホッキョクグマの追跡調査についてNPO団体(Polar Bear International)と協力して、ホッキョクグマにとって負荷の少ない方法を提供する、というもの。
polar bear

ホッキョクグマの追跡調査には、伝統的にはクマの首に輪っかを取り付けるタイプが主流です。タグを人工衛星で追うんです。でもこれは大人のメスにしか付けられないらしい。オスは頭より首の方が太いというのと、子供のクマは成長が著しいから。


それで最近は耳に付けるタイプが出てきたんですって。よくありますよね。牧場とかで牛の耳に付いているやつ。あれみたいなのかな。でもこれ結構クマにとって負荷が大きいらしいんです。一度付けたら永久に付いたままだし、タグを付ける時は簡易な移植手術が必要になるので。

普通に考えれば、あぁそうだよなって感じですよね。

このNPO団体の幹部が3Mに相談したらしいんです。3Mのテクノロジーで何とか改善できないかと。

で、3Mはどうしたかっていうと、首輪でも、耳にでもないタイプの追跡ツールを開発しました。それは毛皮です。ホッキョクグマの毛皮に付けるんです。そのタグは非毒性で、一時的、かつ毛皮に取り付けるタイプなんだそう。

具体的なタグの仕組みはプレスリリースには書いてないのですが、おそらく3Mが保有する産業用もしくは医療用テープや研磨材の技術を用いたんだと思います。クマの毛皮に、burrと呼ばれるギザギザを利用して引っ掛ける(貼付する)のかな。想像だけど。

この新しいタグは、極限の寒さや降雪、海水、ホッキョクグマ特有の動き(雪の上で回転する)に耐えられるよう設計されています。burr on fur(毛皮へのギザ)アプローチは、開発したタグがホッキョクグマの毛皮をしっかり掴み、離れないのです。

現在、Polar Bear Internationalはカナダのハドソン湾などでテストを行っており、本格運用に向けた改善を試みているところです。また動物園や水族館にいるクマでもテストしていく方針のようです。


私はこのプレスリリースを読んで、3Mはつくづく真面目な会社だなと思いました。以前にもこういう感想を持ったことがありましたね。それはN95マスクの不正販売、転売を防止に注力した件です。N95マスクの不正販売を見つけたら、場合によっては訴訟も辞さず、訴訟で得た和解金は全て医療関係者に寄付したのでした。

コロナでマスクの需要が本当に多かった時も、3Mはマスクの値段を上げませんでした(下げなかったかもしれないが)。値段を上げれば、それなりの利益は得られたであろうに。それをしなかった。化学の力で社会へ貢献するという精神がここでも見て取れました。

ホッキョクグマの件も、これが3Mにとってどんな利益になるかは分かりません。直接的にこれでキャッシュフローが転がり込んでくるわけでも、特別利益を計上できることもないでしょう。なのに、ホッキョクグマの生存(調査)のために、技術を惜しみなく提供しました。

私はこういう会社が好きですね。もちろん利益を度外視しているわけではないでしょうけど、株主として誇りは持てます。現在、いくつかの米国企業の株主ですけれど、これほどまでに誇りを持てる企業は3M以外にないと断言できます。


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3Mで学んだニューロマネジメント
大久保 孝俊
日経BP
2017-09-22