こんにちは。時短父さんです。

米化学製品メーカー大手のスリーエム(MMM、以下3M)は3日、自社IRサイトに『3M to Advance Operating Model, Improve Cost Structure, and Accelerate Innovation』と題するプレスリリースを掲載しました。『オペレーティングモデルを前進させ、費用構造を改善させ、イノベーションを加速する3M』とでも訳しましょうか。原文はこちら

何だか3Mの新たな決意表明のように聞こえますね。ちょっと身構える。でもどこか力強さも感じる取れるような気がします。

何故今このような決意表明がされたのか?と推測してみると、現地時間3日にクレディ・スイス主催の第8回産業会議が(オンラインで)開催され、そこに3Mのマイク・ローマンCEOらが発言することになっているからです。

機関投資家はじめ、関係するステークホルダーが注目する会議ですから、自社の改革姿勢をアピールしようという狙いがあるのでしょう。

で、具体的な内容ですが、同プレスリリースは「新型コロナの発生により世界経済がシフトするなかで、3Mはオペレーティングモデルを前進させ、事業を合理化し、グローバルな潮流に焦点を当てる」という一文から始まります。

「新型コロナの大流行は変化のスピードを上げ、世界中のエンド市場を混乱に陥れた。これは、会社が今までよりも素早く変化に適応する必要性を高める結果となった」とマイク・ローマンCEOは述べています。

3Mは今年1月に、同社にとって大胆なステップとなる新たなグローバルなオペレーティングモデルを発表。それには3Mはより消費者視点に立つことやパンデミックのなかでも3Mがリーダーであり続けることを可能にします。

今回発表するアクションにおいて、3Mはオペレーションやマーケティング能力を高めることになるでしょう。具体的には、製造現場においては重複を排除し、限界的な効率性を進めるため様々な分析をうまく利用できるようになります。マーケティングにおいては、データ内の洞察を深め、消費者に対してデジタルの方向から関係強めることに寄与することになります。

3Mは今後、e-コマース分野、個人の安全性の分野、ヘルスケア、自動車で電化、ホーム・インプルーブメントなどの分野で強みを発揮していくことになる。同時に成長が遅いエンド市場への投資の優先順位を下げる計画もしています。

そして具体的な数字も出てきました。

3Mは全ての事業部門、機能、地域において構造改革を進める計画です。その結果として、3Mは税引き前費用を2.5-3.0億ドルの抑制になると見込んでいます。10-12月期だけでも1.2-1.5億ドルになるでしょう。残りの約半分は21年下半期に実行に移します。
これらの行動により、トータルで2.0-2.5億ドルの税引き前貯蓄を確保し、21年はこれが0.75-1.0億ドルとなる見込みです。

さらに世界中を対象とし、2900人の削減を計画しています。

「10-12月期だけでも1.2-1.5億ドル」の費用抑制とのこと、これは営業利益を9-11%押し上げる効果があると試算しています。19年第4四半期の営業利益は13.2億ドルでしたから、単純に1.2-1.5億ドルが加算されると、14.4-14.7億ドルになるからです。

世界規模での人員削減も進めるとのこと。2900名の削減は、全従業員96,000人のうちの約3%にあたる規模です。

新型コロナは3Mのビジネスモデルにも大きな影響を与えそうです。しかし、同社はこれまでも厳しいビジネス環境にうまく適応してきましたし、これからも切り抜けることができると思います。一つの部門ががやられても、他部門でカバーできます。これがコングロマリットの強みですね。

コロナがきっかけではありますが、決意を新たにして、次の成長へと向かってほしいと思います。そして株主・投資家への還元もしっかりやっていってほしいですね。


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