こんにちは。時短父さんです。
米通信大手のAT&T(T)は20日、同社ジョン・スティーブンス最高財務責任者(CFO)による定例の株主向けの声明文を発表しました。これは、同日モルガン・スタンレー主催の欧州テック・メディア・通信会議でコメントした内容です。
それによると、第3四半期に後払い契約の携帯電話の勢いが良かったことや、解約率が減少したこと、HBOマックスが好調なことなどを強調。また5Gへの投資によりネットワーク品質を高めていくこと、自社のビジネストランスフォーメーションを進めていることなどを説明しました。
中でも注目したいのは、財務の点です。「強力なキャッシュ創出と厳格な資金分配により、AT&Tは5GやHBOマックスへの投資に欠かせない財務基盤を強固にし、かつ柔軟性を確保できている」としました。
負債についてはこんな風に述べています。
「AT&Tはかつて600億ドル(約6兆円)以上もあった負債を立て直し、2025年までの債務を300億ドル(約3兆円)まで削減しています」
半減させているんですね。頑張っていますね。
気になるのは、やはり配当とその原資であるキャッシュフローです。これについては「AT&Tは2020年通期で260億ドルかそれ以上のフリーキャッシュフローを予想し、通期の配当性向を50%台後半とする」と説明。
さらに「2020年は全体で200億ドルの投資支出を見込んでいることに変わりはない」とコメントしました。ちなみにここでいう投資支出は、capital expenditureのことで、ネットの投資キャッシュフローではありません。
これらのコメント自体は特に真新しいものではありません。第3四半期決算発表時のプレスリリースで書かれていたのと同じ内容ですから。「同じ」ということは、それからも状況は変わっておらず、株主・投資家はAT&Tの配当、増配に強気になっていいと思うのです。
以前にも書きましたが、スティーブンスCFOの示す数字の根拠を振り返っておきましょう。
第3四半期終了時点での累積の営業キャッシュフローは330.4億ドルでした。対して投資キャッシュフロ―は137.2億ドルでした。差引フリーキャッシュフローは193.2億ドルです。
330.4-137.2=193.2
同期間にAT&Tが株主に支払った配当総額は112.5億ドルです。従ってキャッシュフローベースの配当性向は58%です。
112.5÷193.2×100=58%
第3四半期の決算発表前までは配当性向60%と言っていたので、支払能力に少し余力が出てきたことになります。
そしてさらに強気な材料として、AT&Tの営業キャッシュフローは第4四半期に増える傾向があることが挙げられます。少なく見積もっても、110億ドルは確保できるでしょう。つまりこれまでの累積330.4億ドルに、110億ドルを加えた、約440億ドルは固い。
すると、多少投資支出が増加したといても、投資キャッシュフローは175億ドル(前年比5%増、第3四半期比27.5%増)程度の収まると見ています。そうなると、フリーキャッシュフローは265億ドル程度となるのです。
440-175=265
ただここまでの計算は投資支出ではなく、ネットの投資キャッシュフローを基にしています。
営業キャッシュフローからスティーブンス氏が言う200億ドルの投資支出を差し引くと、240億ドルのフリーキャッシュフローということになります。
440-200=240
265億ドルのうち、配当性向を58%設定し、発行済み株式数71.25億株で割ると、年間配当は2.16ドルとなります(現行2.08ドル)。
265×0.58÷71.25=2.16
仮にフリーキャッシュフローを240億ドルだとすると(他は同じ条件)、年間配当は1.95ドルに、、、あれ?減配?
240×0.58÷71.25=1.95
配当を現状維持にするには、配当性向を62%まで引き上げてやる必要があります。
240×0.62÷71.25=2.08
まぁ、でも第4四半期の営業キャッシュフローは増える傾向にあることを考えると、フリーキャッシュフローは240億ドルより上振れる可能性が高く、配当性向60%を切る(=50%台後半)でも、増配を継続できると思いますよ。まぁ、増配できたとしても、年間4セント(四半期あたり1セント)で、増配率は1.92%でしょうけど、、、
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米通信大手のAT&T(T)は20日、同社ジョン・スティーブンス最高財務責任者(CFO)による定例の株主向けの声明文を発表しました。これは、同日モルガン・スタンレー主催の欧州テック・メディア・通信会議でコメントした内容です。
それによると、第3四半期に後払い契約の携帯電話の勢いが良かったことや、解約率が減少したこと、HBOマックスが好調なことなどを強調。また5Gへの投資によりネットワーク品質を高めていくこと、自社のビジネストランスフォーメーションを進めていることなどを説明しました。
中でも注目したいのは、財務の点です。「強力なキャッシュ創出と厳格な資金分配により、AT&Tは5GやHBOマックスへの投資に欠かせない財務基盤を強固にし、かつ柔軟性を確保できている」としました。
負債についてはこんな風に述べています。
「AT&Tはかつて600億ドル(約6兆円)以上もあった負債を立て直し、2025年までの債務を300億ドル(約3兆円)まで削減しています」
半減させているんですね。頑張っていますね。
気になるのは、やはり配当とその原資であるキャッシュフローです。これについては「AT&Tは2020年通期で260億ドルかそれ以上のフリーキャッシュフローを予想し、通期の配当性向を50%台後半とする」と説明。
さらに「2020年は全体で200億ドルの投資支出を見込んでいることに変わりはない」とコメントしました。ちなみにここでいう投資支出は、capital expenditureのことで、ネットの投資キャッシュフローではありません。
これらのコメント自体は特に真新しいものではありません。第3四半期決算発表時のプレスリリースで書かれていたのと同じ内容ですから。「同じ」ということは、それからも状況は変わっておらず、株主・投資家はAT&Tの配当、増配に強気になっていいと思うのです。
以前にも書きましたが、スティーブンスCFOの示す数字の根拠を振り返っておきましょう。
第3四半期終了時点での累積の営業キャッシュフローは330.4億ドルでした。対して投資キャッシュフロ―は137.2億ドルでした。差引フリーキャッシュフローは193.2億ドルです。
330.4-137.2=193.2
同期間にAT&Tが株主に支払った配当総額は112.5億ドルです。従ってキャッシュフローベースの配当性向は58%です。
112.5÷193.2×100=58%
第3四半期の決算発表前までは配当性向60%と言っていたので、支払能力に少し余力が出てきたことになります。
そしてさらに強気な材料として、AT&Tの営業キャッシュフローは第4四半期に増える傾向があることが挙げられます。少なく見積もっても、110億ドルは確保できるでしょう。つまりこれまでの累積330.4億ドルに、110億ドルを加えた、約440億ドルは固い。
すると、多少投資支出が増加したといても、投資キャッシュフローは175億ドル(前年比5%増、第3四半期比27.5%増)程度の収まると見ています。そうなると、フリーキャッシュフローは265億ドル程度となるのです。
440-175=265
ただここまでの計算は投資支出ではなく、ネットの投資キャッシュフローを基にしています。
営業キャッシュフローからスティーブンス氏が言う200億ドルの投資支出を差し引くと、240億ドルのフリーキャッシュフローということになります。
440-200=240
265億ドルのうち、配当性向を58%設定し、発行済み株式数71.25億株で割ると、年間配当は2.16ドルとなります(現行2.08ドル)。
265×0.58÷71.25=2.16
仮にフリーキャッシュフローを240億ドルだとすると(他は同じ条件)、年間配当は1.95ドルに、、、あれ?減配?
240×0.58÷71.25=1.95
配当を現状維持にするには、配当性向を62%まで引き上げてやる必要があります。
240×0.62÷71.25=2.08
まぁ、でも第4四半期の営業キャッシュフローは増える傾向にあることを考えると、フリーキャッシュフローは240億ドルより上振れる可能性が高く、配当性向60%を切る(=50%台後半)でも、増配を継続できると思いますよ。まぁ、増配できたとしても、年間4セント(四半期あたり1セント)で、増配率は1.92%でしょうけど、、、
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