こんにちは。時短父さんです。

米通信大手のAT&T(T)は、同取締役会が現在の会長ランドール・スティーブンソン氏の後任として、2021年1月よりウィリアム・ケナード氏を会長に指名したと発表しました。

AT&Tは今年の初めに既に2007年から会長を務めているスティーブンソン氏の退任予定を発表しており、独立した会長の選出を進めていました。これでAT&Tのコーポレート・ガバナンスが一層強化される、とAT&Tは説明しています。

ん?独立した会長?コーポレート・ガバナンスの一層の強化?

そう。AT&Tはこれまで、というかスティーブンソン氏しか知らないんだけど、この人は会長と最高経営責任者(CEO)を兼任していたのです。

会長は取締役会の議長みたいなまとめ役。一方で、最高経営責任者は業務執行の責任者(執行役員のトップ)。そもそも、日本とアメリカの取締役の位置づけが違うところが、やや誤解を生んでいるのです。

日本だと取締役=執行役みたいなところが多いです。取締役が業務執行の責任者を兼ねているような。うちの会社も少し前まではそんな感じでした。だから取締役会で決めたことを、自分たちで実行に移しているんですね。

一方でアメリカの会社は、取締役と執行役は分けているところが多い。取締役会で全体の方針を決めて、それを執行役が進める、そして責任を負う、みたいな。取締役は株主に対して責任を負っています。

どちらが良い悪いは別にして、役割分担という意味では後者の方が明確です。だからコーポレート・ガバナンスが強化される、独立した、って表現しているんですね。

それが、スティーブンソン氏の退任発表の後、それまで最高オペレーション責任者(COO)だった、ジョン・スタンキー氏がCEOに就任していました。

なんかいろいろ名前が出てきたので、写真で覚えて下さい(別に覚えなくてもいいけど)

これが今までの会長で、少し前までCEOも兼任していたスティーブンソン氏
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Randall Stephenson

で、今年途中からCEO(前COO)をやっているスタンキー氏
↓↓
John Stankey

でもって、今回新たに会長に指名されたケナード氏
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Bill Kennard

ケナード氏はどんな人物かっていうと、彼はスタンフォード大学とイェール・ロースクールを出ています。卒業後はいくつかの弁護士事務所を経験し、1993-97年に連邦通信委員会(FCC)の一般委員を務めました。1997-2001年にはFCCの会長を務めています。

おぉ、もうこの辺りから通信業界との関わりを持っているんですね。

2001年にカーライル・グループ(投資ファンド)に入り、通信業界・メディア業界での投資経験を積みました。2009-13年にはオバマ政権下で、在EU米国大使を務めています。

AT&Tの取締役会メンバーには2014年に入っていて、コーポレート・ガバナンス・指名委員会と公共政策・コーポレート評価員会に従事していました。現在は、フォード・モーターやデュークエナジー、メットライフの取締役会のメンバーでもあります。

「ビル(ケナード氏)の通信、メディア、テクノロジーに関する深い知識とこれまで発揮してきたリーダーシップ、資本市場と政府機関での幅広い経験は、AT&Tの新たな会長として活かすことできる」と現会長スティーブンソン氏は述べています。

ケナード氏は「AT&Tの会長に選出されて大変光栄です。スティーブンソン会長のこれまでの功績に感謝するとともに、これからスタンキーCEOや取締役会メンバーと一緒に、全てのステークホルダーの長期的な価値を高めるための仕事ができることを楽しみにしています。」と述べました。

全てのステークホルダーには「投資家、従業員、AT&Tがサービスを提供する地域社会」が含まれます。3者のなかで「投資家」が一番先に来ていますね(笑)。投資家・株主のために働いてくれることを期待しましょう!


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2020-06-18