こんにちは。時短父さんです。

米ヘルスケア大手のジョンソン&ジョンソン(JNJ)は、2020年第3四半期(7-9月)の決算を発表しました。内容は良かったです。

売上高は210億ドルで、前年同期比1.7%増加しました。医療機器部門の売上高は減少したものの、他2部門(特に医薬品部門)が好調でした。

同社は営業利益を公表していません。売上高から売上原価、一般管理費、研究開発費を差し引いた推測ベースでは、58.3億ドルでした。これは前年同月比では0.8%の減少となっています。

一方、純利益は35.5億ドルと、前年同期から約2倍となっています。あ、でも純利益がいきなり2倍になるなんて、成熟企業ではあり得ないし、素直に喜ばない方がよいです。前年同期は営業外のその他費用が42億ドルもかかっていました。

一株あたり利益は1.33ドルで、前年同期0.66ドルから2倍になりました(が、理由は上に述べた通り)。一時的な項目を除いた調整後ベースでは2.20ドルで、同2.12ドルから3.8%増加しました。市場予想は1.99ドルだったので、これを10%上回りました。

【JNJ】3Q業績推移

部門別では医薬品部門が好調だった一方で、新型コロナの影響で手術が少なくなっている医療機器部門は売上高が減少しました。報告ベースの売上高は、消費者部門が35.1億ドル(前年同期比1.3%増)、医薬品部門が114.1億ドル(同5.0%増)、医療機器部門が61.5億ドル(同3.7%減)でした。

医療機器部門は減少しましたが、前期(4-6月)は前年比約34%減だったので、それに比べれば、回復してきたと言えます。ここは見逃してはいけないポイントだと思います。

既存事業ベースでは、それぞれ3.1%増、4.7%増、3.3%減となっています。

【JNJ】3Qセグメント別売上高推移

こうして見ると、医薬品部門(赤グラフ)の売上高比率が高まっていますね。実際、2009年は35%でしたが、今期は54%となっています。

ジョンソン&ジョンソンは、決算発表時にキャッシュフロー計算書を公表しない(10K提出時に添付)ので現時点ではお伝えできません。

そして、同社は足元の事業環境が回復してきたとして、前回7月に示していた売上高・利益見通しを一部上方修正し、報告ベースの売上高は10億ドル増、調整後一株利益を0.15ドル引き上げました。

7月時点では報告ベースの売上高は799~814億ドル(前年比-2.6%~-0.8%)としていましたが、これを812~820億ドル(同-1.0%~0%)としました。

同様に、調整後一株利益は7.75~7.95ドル(前年比-10.7%~-8.4%)としていましたが、これを7.95~8.05ドル(同-8.4%~-7.3%)と減少幅を縮小させています。

さて、市場予想を上回る内容と、通期見通しの引き上げがあれば、当然株価にはプラスに働くかなと思っていましたが、13日の終値は前日比2.3%安でした。たぶん、コロナワクチン候補の治験を一時中断すると発表したことが要因です。しかも理由が「原因不明(説明できない)症状が発生」ですからね。市場関係者が不安になるのも分かる気がします。

でもジョンソン&ジョンソンによれば、大規模な治験においてこういう事態は珍しくないとのこと。英アストラゼネカでもありましたしね。きっと克服してくれると思います。

そう考えると、今日の下落はさほど気にする必要はありません。業績を反映し、見通しを反映してくるものと思います。


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