こんにちは。時短父さんです。

久しぶりに米IBMから朗報が届きました。ソフトウェアやクラウドサービスを手掛ける米IBM(IBM)は8日、同社グローバル・テクノロジー・サービス部門のマネジド・インフラストラクチャ・サービス事業のスピンオフ(分社化)を発表しました。

発表文によれば、このスピンオフは既存のIBM株主にとって非課税で新会社の株式が交付され、2021年末までに完了する見込みです。

IBMのアルビンド・クリシュナCEOは、「IBMは1兆ドル規模のハイブリッドなクラウド事業の機会に集中できる」「IBMはクラウドプラットフォームやAI(人工知能)に集中し、新会社は世界中の重要な組織・企業に対してインフラをデザインし、運営し、現代化することに特化する」などと述べています。

IBMは何故、クラウド事業に集中したがるのか?そしてインフラサービス事業を切り離すことにしたのか?ちょっと疑問ですよね?

でも、これはクリシュナ氏がCEOに就任したことを考えれば、ある意味自然な流れだったのかも知れないと思います。

同氏は、長年クラウド事業に関わってきました。そしてIBMによる巨額買収案件を主導した人物でもあります。そう、2018-19年のレッド・ハットの買収です。買収額は340億ドル(3兆7000億円)でした。

おかげで、巨額の負債とのれん代を抱えることになりましたが、クラウド部門は全社的には大きな収益の柱として成長することになったのです。

下のグラフは第2四半期(4-6月)のセグメント別売上高の推移です。
【IBM】2Qセグメント別売上高推移

クラウド&コグニティブは右肩上がりになっているのが分かりますね。これはレッドハット買収の効果です。

一方で、今回スピンオフされることになったテクノロジーサービス部門は、急激な右肩下がりです。2016年2Qには90億ドル近くもあり一番の稼ぎ頭だったのですが、今年2Qは60億ドルまで減少しています。近いうちにクラウド&コグニティブ部門に抜かされるのは必至でした。

で、ここ(の一部事業)がスピンオフになったわけです。

株主・投資家はこの決定をひとまず好感しています。同時に発表となった第3四半期の予想も市場予想に一致しました。IBM株は買われ、一時7%高となり、終値は5.9%高でした。


IBM株主にとって、スピンオフはどんなメリットがあるのでしょう?

マネックス証券のサイトによる説明だと以下のようになっています。
↓↓

通常の分離では、実施会社から事業部門が1つなくなるため、理論的には切り離す事業部門の価値だけ株価が下がることとなり、実施会社の株主は損失が発生する可能性があります。
しかし、スピンオフでは分離してできた会社の株式を実施会社の株主に分配するため、理論上スピンオフ実施前後で保有する株式全体の価値が変わることはございません。


そして、このスピンオフによってIBM株主には、新会社の株式が保有数量に応じて割りあてられます。なので、私はIBMの株主であると同時に、新会社の株主になるのです。

まぁでも新会社が、IBMのような高配当銘柄になるとは限りませんし、事業が傾いている訳ですから、どうなりますやら。分社化によって、各会社が事業に集中してくれれば、どちらも上向くベストシナリオは達成可能なのかもしれませんね。

どうなるか楽しみです♪

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