こんにちは。時短父さんです。

S&P指数委員会は24日、今月31日から適用されるダウ30種構成銘柄の入れ替え3銘柄を発表しました。入れ替え(除外)対象となるのは、石油メジャーのエクソン・モービル(XOM)、製薬大手のファイザー(PFE)、航空機部品メーカーのレイセオン・テクノロジーズ(RTX:旧ユナイテッド・テクノロジーズ)です。

上記3銘柄の代わりに、顧客管理のセールスフォース・ドットコム(CRM)、製薬のアムジェン(AMGN)、機械メーカーのハネウェル・インターナショナル(HON)の3銘柄が新規に採用されます。

なんと、あのエクソンがダウから除外されるのです。今回の銘柄入れ替えは、アップル(AAPL)株式分割に伴って、ITセクターの比率が下がることが要因だそうです。S&P500指数は時価総額加重平均なので分割があっても構成比率に影響はないのですが、ダウ平均は株価の単純平均なため分割が起きると比率が下がってしまうのです。

S&P社は「新しいタイプの企業を組み入れ、米国経済をより反映させた」と説明しています。

時代の変化というには、衝撃的過ぎますね。エクソンは、ダウの構成銘柄が30種になった1928年から最も長く採用されていが銘柄の一つです。当時はスタンダードオイル・オブ・ニュージャージーという社名でした。

2006年から2012年は時価総額で米国最大を誇っていました。世界経済が伸びれば、石油需要も伸びるというのが、当然のことと思われていた時代で、マネーが石油メジャーに流入していたからです。しかし、今はESG、ESG、ESG・・・投資家の関心は石油から情報・ITに移っていってしまいました。

第二次世界大戦以降、国際政治は石油を巡って行われてきました。旧日本軍は石油欲しさに南下しましたし、イラクがクエートに侵攻して始まった湾岸戦争も石油が発端でした。現在は自国で生産できるようになったので少し控えめになっていますが、アメリカが中東に関与し続けてきた理由は、石油の安定供給を維持するためです。

しかし、もはや石油は時代の主役ではなくなったのでしょう。これからは、というかもう既に「情報・IT」が主役になっています。現在の米中関係で話題となっているファーウエイとか、TikTokへの規制問題を見れば一目瞭然ですね。

ダウ平均の入れ替えが決まった翌日25日の取引では、エクソンは3.17%安(原油価格は上昇したのに!)、ファイザーは1.11%安、レイセオンは1.50%安となりました。一方で、セールスフォースは3.73%高、アムジェンは5.37%高、ハネウェルは3.24%高となりました。
XOM株価チャート

指数入れ替えで何故株価が変化するかと言えば、一つは信用問題でしょうね。それなりに権威のある委員会が入れ替えを決めているので、「除外」となると銘柄への信用が傷つくし、「採用」となれば箔が付きます。

もう一つは指数連動型のインデックスファンドの組入れ銘柄も変わるので、「除外」銘柄は資金の引き上げが起き株価は下がります。逆に「採用」銘柄は資金が入りやすくなりますから、株価は上がります。ダウ平均にもインデックスファンドやETFがあるので、当然にこの動きがあると思います。

ダウ平均からの除外で私はエクソン株を手放そうか・・・?

いやそんなことはしません。時代の主役が変わっても、石油需要がなくなるなんてことはないだろうからです。それにエクソンはこの状況でも配当を維持しました。投資家・株主にやさしい銘柄です。現在配当利回りは驚異の8%超えです。これをどう捉えるかは自由ですが。


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