こんにちは。時短父さんです。

米コングロマリット・3M(MMM)は7月度の月次セールスレポートを発表しました。内容は良かったです。

月次売上高は28億ドルで、前年同月比6%増加しました。3Mでは4月から月次報告が始まって、初めて前年比増の報告となります。4月は23億ドル(前年比-11%)、5月は22億ドル(同-20%)でした。6月は単月での発表はなく、四半期売上高からの推定値で26億ドルとなっています。7月は6月を上回り、2ヵ月連続での増加です。

【月次】月次売上高推移

3Mは独自の科学技術と素材をベースに様々な産業・用途の部品だったり、製品を作っています。それだけに同社の売上高は、世界経済、特に製造業の経済活動のバロメーターになります。売上高の数値だけ見れば、製造業は動き出していると言ってもいいでしょう。

部門別の売上高はどうか?

ヘルスケア部門は前年同月比29%増と驚異的な伸びを示しました。これは昨年医療機器メーカー・アセリティを買収した効果があるからですが、既存事業・現地通貨建てベースでも11%増となっています。第2四半期の決算においてもヘルスケア部門は、売上高が横ばいで踏みとどまっており、今後3Mの主力部門になり得ると考えています。

【月次】部門別月次売上高推移
(6月単月では月次報告がないため、6月分は記載なし)

消費者部門は9%増加しました。既存事業・現地通貨建てベースでも9%増です。恐らくですが、徐々に外出制限が緩和されたことを受けて、オフィスに人が戻り始め、ポストイットなど文具やオフィス用品の需要が戻ったのだと思います。
ちなみに第2四半期(4-6月)の売上高は前年比6.2%減でしたから、6月単月では5月の-12%を相殺するくらいの売上があったのだと推測しています。

安全・産業部門では6%増加しました。既存事業・現地通貨建てベースでも8%増です。今後はヘルスケア部門が主力になるでしょうが、今のところはまだ安全・産業部門が一番の稼ぎ頭となっています。従って、同部門の売上高増加は全体を押し上げる特効薬です。

一方で輸送・エレクトロニクス部門は7%減少しました。既存事業・現地通貨建てベースでも6%減です。同部門は安全・産業部門に次ぐ規模ですが、第2四半期の売上高は21%減少と苦戦しています。製造業の工場が稼働を再開しないと、同部門にとっては厳しい状況が続きます。


地域別では、アジア太平洋は前年比横ばいでした。横ばいだからといってがっかりする必要はありません。4月は-5%、5月は-15%でした。それに比べれば、横ばいは回復傾向にあることを示唆しています。ただこの中でも明暗分かれていて、中国は13%増だったのに対し、日本は12%減少しており、日本の出遅れ感が否めません。そして中国が回復しているのはかなりの朗報ですね。

EMEA(欧州・中東・アフリカ)では売上高は3%増加しました。既存事業・現地通貨建てベースでは横ばいでした。

米州圏では10%増加となり、既存事業・現地通貨建てベースでは6%増加です。特に米国では8%増加したようで、徐々に人が動き出したのかなという印象です。

7月の月次レポートは13日の取引開始前に発表されました。7月の売上高を市場は好感したようです。3Mの株価は、ダウ平均がわずかに下げるなか、前日比0.97%上昇しました。

コロナ禍の最悪期は脱したのかなという感じですね。ただ米国大統領選挙まではちょっと気が抜けないのも事実です。トランプだと中国と摩擦が酷くなりそうだし(国益と世界のためなんだけど)、バイデンだと中国依存が進み過ぎるんじゃないかと懸念するし・・・どっちに転んでも、判断が難しい。

ま、少なくとも経済が回り出したので、安心しました。第3四半期は第2四半期に比べて良好な決算を期待できそうです。


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PS:3Mは9月支払いの四半期配当を1.47ドルとすると発表しました。連続増配株は何だかんだで、配当を維持します。株価が本格的に上がり始める前に仕込んでおきたいですね。