こんにちは。時短父さんです。

3日の日本たばこ産業(JT)の株価が、大幅高となりました。な、なんと7.59%高!137.5円も上昇して3営業日ぶりに1900円台を回復しました(終値1949.5円)。
JT株価チャート(2020年8月3日)

こんなに上昇するなんて、ちょっと信じらなかったです。だって、週末に発表した上半期の決算では、2.7%の減収、23.8%の減益(当期利益)となったんですから。キャッシュフローもズタボロでしたよね。営業キャッシュフローは43%減、フリーキャッシュフローは30%減でした。

ただ海外たばこ事業の売上収益はわずか2%ほど増加、為替一定ベースの調整営業利益は7.5%増加していました。でも、これだけじゃ7%超も株価が上がる要因になるとは思えません。実際、週末にこのブログでJTの決算を報じた時は、週明けの株価は期待できない旨を書きました。

が、ふたを開けてみたら上の通りですからね・・・ほんと分かりません。

決算発表と同日に発表していた、たばこの小売価格の値上げが要因だとの見方が強いですね。いや~完全に見逃していました。発表文のタイトル(「たばこ税増税等に伴うたばこの小売定価改定の認可申請について」)は見ていたんですよ。

パッと見て、また増税か。値上げと言ってもたばこ増税分の値上げなら収入・収益の押し上げ要因にはならんだろ。あるとすれば、値上げ前の駆け込み需要程度(反動も予想できる)。と思っていました。

が、よぉ~くタイトルを見なければいけませんね。どこにも「たばこ税増税のみ~」とは書いていません。「たばこ税増税に伴うたばこの小売定価改定の認可申請について」です。

実際、たばこ増税は10月1日から行われ、1本あたり1.0円の増税となっています。これらに伴う小売価格の値上げ申請を筆頭株主の財務大臣に申請しています。対象は加熱式たばこも含めて計224銘柄です。

さらに発表文を読めば、はっきりと増税分以上の値上げを行う旨が記されていました。

「各銘柄の品質・ブランド価値を維持し、お客様のご支持・ご期待にお応えするために、一部銘柄を除き増税分以上の定価改定を行うことといたしました。なお、一箱当たり主として 50 円の値上げとさせていただいております」(発表文から抜粋。下線は筆者)

前回、たばこ増税が行われたのは、2年前の2018年10月です。その時は1箱40円の値上げでしたから、これを上回る水準です(その時は「たばこ税増税に伴うたばこの小売定価改定の認可について」というタイトルでした)。さらに2019年10月の消費増税の時は、1箱10円の値上げでした。

こう考えると、50円の値上げは思い切ったものです。そして、おそらく10円分以上の部分についてが、各銘柄の品質・ブランド価値を維持するために使われるのでしょう。さらに言えば、ここがJTの収入に直結します。国内たばこ事業は総需要の減少が続いているとはいえ、値上げによってそれを押しとどめる効果が期待できます。

値上げで喫煙者が減るのでは?という懸念もないことはないです。しかし喫煙者が1箱50円程度の値上げだけを理由に、たばこを止めるとは思えません。多くの人が吸い続けることでしょう。

そして最も、期待できるは配当を含めた株主還元の維持です。今年は発表段階では、年間配当は154円で、昨年と変わらずとなっています。値上げ効果で収益が改善されれば、ひとまずこれは守られるでしょう。うまく行けば、サプライズ増配なんてのもあるかもしれません。なかったとしても、来期以降の増配復活に道を開くものであることは間違いないと思います。


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