こんにちは。時短父さんです。

米石油メジャーのエクソンモービル(XOM)は、2020年第2四半期の決算を発表しました。内容はというと、原油価格の低迷から簡単に想像が出来るように、36年ぶりの2四半期連続の最終損失となり、散々なものでした。

売上高は326億ドルで前年比52%減です。売上が半分になってしまいました・・・ダレン・ウッズ最高経営責任者は、パンデミックが「価格、利益率、販売量の低下につながり、第2四半期業績に大きな影響を及ぼした」と述べました。

最終損失は10.8億ドル(前年比134%減)となり、2四半期連続の最終損失となりました。一株利益は0.26ドルでしたが、これは棚卸資産の評価益が0.44ドル分含まれているため、これを除くと(調整後)一株利益は0.70ドルの損失となります。ちなみに市場予想は0.61ドルの損失でしたので、予想を下回った形です。
2Q業績推移

第1四半期(1-3月)は6.1億ドルの最終損失でしたので、赤字幅が拡大しての連続損失ということになります(下のグラフ参照)。こうして見ると、エクソンモービルの利益はどんどん縮小しているのが分かりますね。次から代替エネルギーが生まれ、脱石油・脱プラの動きが進んでいるなかで、このコロナ禍です。時代の流れには逆らえないということでしょうか・・・?
四半期利益の推移

さて、個人的にはエクソンの減収減益は想定内。問題は配当政策がどうなるか?です。2Qではフリーキャッシュフローがマイナスに転落しました。なのに37億ドルも配当を支払う必要が出ています。これでは配当を維持するのは難しくなるのは明白です。「配当停止」「減配」の文字が浮かびます・・・ついに37年間連続増配は止まるのか・・・
2QCF推移

しかし、今のところエクソンモービルは配当を停止したり、減らしたりする考えはないようです。エクソンが発表した資料には以下のようなことが書かれていました。

「CAPITAL ALLOCATION PRIORITIES」(資本の優先的配分について)のタイトル下に、「Long-term capital allocation priorities remain unchanged」(長期的な資本の優先的な配分には変更はない)と書いてあります。具体的には・・・
・Invest in advantaged projects
・Maintain strong banlance sheet
・Provide reliable and growing dividend(信頼に足るかつ成長する配当を提供する)

「成長する配当」これだけで、減配は今のところ考えいないことが読み取れます。

さらに「With COVID-19 demand uncertainties, developing plans to:」(ウィズコロナ下の不透明な需要のなかで、加速させる予定として・・・)
・Further reduce Opex and efficiently defer Capex(営業費用の削減と投資支出の延期)
・Hold debt to currrent level(負債を現行レベルに保つ(=増やさない?))
・Maintain dividend(配当を維持する) 

出ました!「配当を維持する」。資料1ページのなかに配当への言及が2回もあり、かつ他の費用と投資は減らす・延期すると書いてある。つまり費用や投資を抑えることで、配当原資を捻出したい(する)という、経営の意思の表れのように感じます。

ロイターが報じたところによれば、複数の関係者は多額の損失があるなかでも、配当原資を確保するために支出と雇用の大幅な削減を準備しているとのことです。エクソンにとって配当は「聖域」とも伝えています。

だから、2四半期連続損失だったとしても、そんなに悲観する必要はないでしょうね。むしろ、雇用をカットしてまで、株主を大事にしてくれる有難い企業です。やはり企業は株主のもの、という考えが強いのでしょうね。日本企業も見習ってもらいたいものです。

現在エクソンの配当利回りは8%超です。高配当であり、37年連続増配であり、経営陣が配当は維持するなんて言っている、こんなにお得な銘柄はありません。私は一週間前に買い増しをしました。増配は気長に待ちたいと思います。


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