こんにちは。時短父さんです。

米日用品のプロクター&ギャンブル(PG、以下P&G)は、会計年度2020年第4四半期と通期の業績を発表しました。内容は市場予想を上回り、増収増益となったので、抜群に良かったです!

まずは四半期(4-6月)決算から見ていきましょうね。
売上高は177億ドルで、前年同期比3.5%増加しました。パンデミックによって在宅時間が増えたことで、トイレットペーパーやペーパータオル、洗剤などの需要が好調でした。

営業利益は34.8億ドルです。前年は髭剃り事業(ジレット)の減損処理が響いて、52億ドルの赤字でしたので、大きく改善しました。営業利益率は19.6%となっています。

純利益は28億ドル、報告ベースの希薄化一株利益は1.07ドルでした。前年は-2.12ドルだったので、V字回復です!一時項目を除く調整後ベースでは1.16ドルとなり、市場予想1.01ドルを上回りました。

【PG】4Q業績推移

セグメント別で見てみます。
既存事業の売上高が前年比で増加した部門は、Beauty部門(3%)、Health Care部門(2%)、Fabric & Home Care(14%)、Baby, Feminine & Family Care部門(5%)でした。Grooming部門は1%減少しました。

Beauty部門は旅行需要の減退で、SK-Ⅱブランドが軟調だったようですが、除菌関連が好調でした。Grooming部門は在宅時間の増加で、髭剃りの需要が減りました。そりゃ、そうです。在宅勤務なら髭剃りしなくていいもんね。

Health Care部門では、口腔ケア商品が歯科医クリニックの閉鎖等の影響を受けて、販売がやや落ち込みました。Fabric and Home Care部門は、ホームクリーニング用品や清掃用品の販売が30%以上増加しました。
【PG】4Qセグメント別売上高比率

みんな外に出ない分、部屋のなかで掃除しかしていないような内容ですね。P&Gにとって、化粧品や髭剃りは逆風に遭いましたが、クリーニング、除菌、清掃関連はむしろ追い風となりましたね。

通期ではどうだったでしょうか?
売上高は709億ドル(前年比4.8%増)、営業利益 は157億ドル(同186%増)、純利益は130億ドル(同234%増)となりました。一株利益は1.43ドルから4.96ドルへ2.5倍になっています。通期では3年連続の増収となりました。

キャッシュフローは超がつくほど安定的です。
営業キャッシュフローは14%増加して、174億ドルでした。投資キャッシュフローは投資有価証券の売却分(61億ドル)の収入があったので、純額でプラスに転じました。そのため、フリーキャッシュフローは204億ドルとなりました。P&Gは1年間に77.9億ドルの配当を株主に支払っていますが、キャッシュの余力は十分にあると言えます。

【PG】通期CF推移

次期(会計年度2021年)のガイダンスも発表しています。
報告ベースでの売上高は1-3%増加を見込み、既存事業ベースでは2-4%の増加を見込んでいるようです。
希薄化後一株利益も4.96ドルだった2020年に対して、6-10%の増加を見込んでいます。つまり5.25ドル~5.45ドルになると予想しています。

また株主還元も増加を見込んでいます。20年の配当支払77.9億ドルに対して、80億ドルを想定しており、2.7%程度の増配が期待できます。また自社株買いについても、20年の74億ドルに対して、60-80億ドルをガイダンスに盛り込んでいます。配当額の増加と、自社株買いの継続により、株価を押し上げる効果が期待できます。

というか、決算発表とガイダンスを受けて、投資家は反応しました。前日比でP&Gの株価は2.42%高となり、ついに130ドル台を突破しました!!おめでとー!(´∀`)
株価チャート(2020年7月30日)

4-6月期に米国のGDPは年率換算で-32%だったと発表があり、経済はズタボロだったというのが分かりました。失業保険申請も増加しています。その間においても、増収増益を達成できた、しかも予想を上回ったことで、パンデミックでも稼げることを証明し、市場がそれを評価した結果ですね。


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