こんにちは。時短父さんです。

米たばこ大手のフィリップ・モリスインターナショナル(PM、以下フィリップ・モリス)は、2020年第2四半期の決算を発表しました。純収入、一株利益ともに市場予想を上回りました。

売上高から各国のたばこ税などを差し引いた純収入は66.5億ドルで、前年比13%減少しました。市場予想は65億ドルでした。

営業利益は27.3億ドルで、同14%減少し、純利益は19.4億ドルで、同16%減少しました。

希薄化後の一株利益は1.25ドルで、前年の1.49ドルから減少しました。一時項目を除いた調整後ベースでは、市場予想1.10ドルに対して、実績は1.26ドルとなりました(前年1.46ドル)。
【PM】2Q業績推移

先日決算発表したジョンソン&ジョンソンといい、同日に決算発表したコカ・コーラといい、フィリップ・モリスといい、減収減益にも関わらず、市場予想を上回る業績を発表する企業が多いですね。

それだけパンデミックの影響度合を相当に悲観していたのでしょう。思いがけない決算内容に、市場は喜びますね。

フィリップ・モリスに話を戻しましょう。
スモークフリーフューチャー(煙のない未来)の実現を目指すフィリップ・モリスは、紙巻きたばこ「マルボロ」より加熱式たばこ「IQOS」の販売に力を入れています。

第2四半期の全世界(アメリカ除く)における紙巻きと加熱式の販売数量は、前者が1513億ユニット(前年比17%減)、後者は187億ユニット(同24%増)となりました。
【PM】2Q種類別出荷数の推移

まだその差には8倍の開きがあります。しかし、2年前は17倍の差があったことを考えると、加熱式が紙巻きを追い抜く日はそう遠くない気がしますね。

全ての地域で紙巻きたばこの販売数量は2桁の減少を示しました。一方で、加熱式たばこはEUは38%増、東欧は89%増、中南米カナダは59%増となっています。加熱式の最大市場である東アジア豪州は7%増でした。
【PM】2Q販売ユニット比率

地域毎の純収入では、EUが4%減、東欧も4%減、中東アフリカは29%減、南・東南アジアは28%減、東アジア豪州は6%減、中南米カナダは30%減となりました。

また地域別の営業利益では、東アジア豪州のみが前年比で4%増加させました。同地域は販売数量のシェアは12%に留まりますが、利益率は46%を超えて、EU地域と同水準となっています。

利益率の良い(日本を含む)同地域のシェアを拡大させていければ、全体的に萎む傾向にあるたばこ需要のなかでも、しっかり利益を確保できるでしょう。


フィリップ・モリスは年初には、20年に最低でも5.50ドルの一株利益を見込んでいると発表していましたが、第1四半期決算発表ではそれを引っ込めていました。

第2四半期の決算を受けて、状況が改善されているとして、フィリップ・モリスは通期のガイダンス(見通し)を発表しました。

報告ベースの希薄化後一株利益を4.84-4.99ドルとしました。これは前年比で5-8%増える見込みです。

また為替の影響を除いた調整ベースでは、5.23-5.34ドルとし、前年比で2-5%増加する見通しです。

予想上回る決算と、ガイダンスを発表できたことで、市場は真っ先反応しましたね。21日の株価は4%余り上昇しました。

たばこ株で一儲けできるとは思いませんが、こんな時でもしっかり見通せるビジネスはやはり強い。高い配当利回りから、配当を受け取り、長期的に保有して行きたいと思います。

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