こんにちは。時短父さんです。

米複合企業スリーエム(MMM、以下3M)は、9日高機能マスクN95の不正販売を巡るインディアナ州での訴訟において、和解に至ったと発表しました。

この訴訟は、3Mがゼロ・アクアという企業を相手取り、インディアナ州の連邦地裁にN95マスクの不正販売を止めるよう求めていた裁判です。

3Mはこれまでもニューヨークやフロリダ、カリフォルニア、カナダでも同様の訴訟を起こしています。新型コロナで需要が増えていたN95マスクが法外な値段で転売されたり、粗悪なマスクがN95として販売されたりする事例が後を絶たなかったからです。

6月上旬には通販サイト・アマゾンで不正販売を行った業者をカリフォルニア州連邦地裁に提訴して、アマゾン側はその販売サイトを閉鎖するなどの対応が取られました。現在も係争中と思われます。

N95マスクは本来必要とされている医療従事者へ適正な価格で、高品質なものを届けるという、3Mのミッションというか、思いというか、そういうものが込められているはずです。にも関わらず、欠陥品を法外な値段で平気で販売し、利益を得ようとする業者を許せないのです。

3M自身もこれらによって、本来得られる利益を失うことにもなりますからね。でも同社は自社の利益については、ほとんど気にしていないようです。訴訟で得た和解金は全て医療関係機関へ寄付することにしているからです。なんと真面目で崇高な姿勢でしょうか。

話をインディアナ州の裁判に戻します。
この裁判は、同意判決、裁判所の仲介による永久差し止め、3Mへの支払(最終的には寄付される)を通じて、解決を見ました。

「この判決は、3Mの名前を騙った詐欺とパンデミック中に不当利益を得た者たちを永久に止めさせるだろう。私たちは悪徳業者を罰するために、法的措置を講じながら、不正販売に戦っていく」と3Mの幹部は述べています。

そしてここからなんですが、3Mはついにここまでやるかってことを公式ページに載せています。カリフォルニア州での提訴でも毒づいた単語を使って、不正業者側を非難していましたが、今回は被告側の謝罪文を掲載しました。

以下、本文
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apology by Zero Aqua
以下、ざっくりとした訳です。
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「インディアナ州と3Mに謝罪します。私が何をしているのかを理解し、もう二度とこんなことはやりません。
(中略)
医療関係者や公務員はこの重要な戦いにおけるヒーローです。これからは正しくなるように必要なことを行っていきます。私は、法的強制力を持つ3Mに関する全ての事項を開示し、協力して行きます。私は今後同様な事象が起きないよう、自分がやってきた事実を口述し、記録しました。私は3Mを手助けすること、裁判所が示した法的措置を守ると約束します」

被告は裁判での証言の他に、原告(3M)側の公式サイトにまで謝罪文を掲載させられました。それだけ3Mを怒らせたということでしょう。3Mとしては、不正販売に関わった場合、社会的制裁も辞さないとの姿勢を示したかったのだと思います。

また裁判(証言)のなかで明らかになったことですが、この被告は単なる実行役で、他にこの不正販売の枠組みを考えた主犯がいると、3Mの文書には書かれています。主犯格は、インディアナ州から偽装N95マスクで142億ドルを騙し取ろうとしていました。

3Mは被告の証言を受けて、被告の協力に感謝すると共に、追加的な訴追も視野に検討を進めていることも明らかにしています。

新型コロナの流行はまだ収まる気配がありません。医療機関のひっ迫した状態はなかなか解消されません。3Mは自社の利益だけでなく、むしろそれよりも医療関係者への貢献を重視しています。「正義」を体現できる数少ない企業だと思います。


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