こんにちは。時短父さんです。

米たばこ大手フィリップ・モリスインターナショナル(PM)は、7日同社が開発し、販売している加熱式たばこ「アイコス」について、米食品医薬品局(FDA)が部分的な変更を加えた形で承認したと発表しました。

規制当局であるFDAが、制限付きにせよアイコスの流通を認めたことで、フィリップ・モリスの株価は前日比3.3%高となりました。同業のアルトリアグループ(MO)は0.85%高、ブリティッシュ・アメリカンタバコ(GBX)が2.1%安だったのとは対照的です。

【PM】チャート(2020年7月7日)

このアイコスへの承認について、フィリップ・モリスの発表文では以下のように書かれていました。

・米FDAはアイコスを modified risk tobacco product (MRTP)として承認した。
 ⇒リスクが部分的に修正されたタバコ製品という意味ですね。つまりこれを吸ったからといって、即健康に悪影響が出るものとは言えないという意味です。

・今回の決定は、アイコスは基本的に(他と)異なるタバコ製品で、紙巻たばこの代替製品として成人にとってより良い選択肢になることを示すものである。

・アイコスは、米FDAによりMRTPとして認められた、最初で唯一の電子ニコチン製品である。

・米FDAは以下の理由でアイコスを承認した。
 ✓アイコスは加熱たばこであって、燃焼たばこではない点
 ✓アイコスは顕在的・潜在的に有害な物質を決定的に減らしている 
 ✓旧来の紙巻たばこからアイコスへの移行は、喫煙者の身体を顕在的・潜在的な有害物質に晒す機会を減らしていることを、科学的な研究は示している

・現在手に入る科学的証拠は、アイコスが喫煙者も非喫煙者も、すべての人々の健康に資すると期待できると示している、と米FDAは結論付けた。

・米FDAの決定は、アイコスは紙巻たばこを吸い続けるよりも、ベターな選択肢であるという、独立的で国際的・科学的なコンセンサスに基づいている。そして政府や公衆衛生機関が、公衆衛生を守り、促進していくために、今後どのように規制をしていくかの重要な好例となる。


米FDAの決定を受けて、フィリップ・モリスのアンドレ・カランツォプロスCEOは以下のようにコメントしました。

「FDAの決定は、公衆衛生の歴史的な転換点である。何千万人もの米国人が紙巻たばこを吸うのを止め、アイコスへの移行を進めて行くことになるだろう。紙巻たばこからの完全な移行は、有害物質にさらされる機会を減らすことを示した研究を認めたことを意味する」

「アイコスは、旧来の紙巻たばことは全く異なる製品であり、そのための規制も異なる必要がある、とFDAも認めていた」

「健康にとって一番良いのは、たばこを始めない、またはそれを止めることだ。しかし、止められない人にとって、とるべき選択肢はスモークフリープロダクトだ。3月末時点で、世界中でおよそ1060万人が紙巻きたばこからスモークフリープロダクトに切り替えたと見積もられるが、今回の決定でこれが促進されるだろう」


これまでもアイコスが2016年から販売され続けてきたことを思うと、それほどインパクトのある決定とまでは言えないかもしれません。

しかし、部分的に修正された形での承認とはいえ、規制当局であるFDAが公式にアイコスを認めたことの意義は大きいです。少なくとも紙巻きたばこよりは良い選択肢だとまで言っているのですから。

フィリップ・モリスは、規制当局のお墨付きを得たことで、一気に販売を加速させてくると思われます。米国内ではアルトリア・グループが販売を担当し、米国外では自社で行います。

FDAの承認が、各国の規制当局に影響を与えるのは必至で、フィリップ・モリスには相当な追い風になることは間違いありません。

アイコスが無害とは言えませんが、紙巻きたばこと比較すれば、その害の少なさにFDAも認めざるを得なかったのでしょう。

これまでたばこ会社にとって当局による規制は付き物でした。しかし、規制が強化される度にうまく切り抜けてきました。これからも規制は付き物になるでしょうが、フィリップ・モリスにとってはしばらくはマイナス材料にはなりにくいと言えます。


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