こんにちは。時短父さんです。

米たばこ大手のフィリップ・モリスインターナショナル(PM)は、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する初めての統合報告書2019年版を発表しました。

この中で一番インパクトのある記述はこれです。

cigarette sales can end within 10 to 15 years in many countries.

紙巻きたばこの売上は多くの国で、10年から15年間以内になくなるだろう


たばこ会社がそんなこと書いていいのかー!

フィリップ・モリスは本気で、紙巻きたばこをこの世からなくそうとしています。同社は2016年に「煙のない社会」「煙のない未来」の実現を目指すことを宣言していました。

その代わりにどうするかというと、アイコスに代表されるスモークフリー(煙のない)プロダクトを主力に据えようとしています。

彼らは本気です。

2016年に純収入に対するスモークフリープロダクトの比率は2.7%でした。現在は18.7%です。そして2025年には38%から42%を目指すとしています。

既に4ヵ国の市場では、フィリップ・モリスのスモークフリープロダクトのシェアは50%を超えているようです。

また出荷量においても、飛躍的に伸びています。2016年は77億ユニットだったのに対して、2019年は600億ユニットに増加しました。さらには2025年には2500億ユニットまで拡大すると見込んでいます。

一方で紙巻きたばこなどの燃焼系プロダクトの出荷量は、2016年の8450億ユニットから、19年には7320億ユニットに減少しました。

【PM】出荷量推移

まだ出荷量の絶対数には12倍以上の開きがあるものの、目標値にはフィリップ・モリスの本気度が伺えます。

また19年末時点で、世界で約970万人がスモークフリープロダクトへ切り替えをしたと見積もられています。18年には660万人でした。25年には4000万人を目指しています。

現在、フィリップ・モリスの紙巻きたばこ売上の半分は非OECD諸国となっています。そのため、これらの国々で2000万人の切り替えを目指すとしています。

さらには19年の研究開発費の98%を、営業費用の71%を、このスモークフリープロダクトに充てています。

今後10年から15年で紙巻きたばこの売上をゼロにするのは十分可能でしょう。

そりに比べて日本たばこ産業(JT)には、加熱式たばこを主力と捉える考えはないようです。

20年の経営計画を見ても、「プレゼンスの拡大」や「RRPとRMCのトップライン強化」としか記載がなく、数値目標が全くありません。やる気あんのかな・・・

国内でアイコスを販売するフィリップ・モリスジャパンは、先日消費者庁から景品表示法違反で課徴金5億円あまりの支払いを命じられました。

過度な販売強化によりシェアと販売量を確保するのではなく、コンプライアンスに従ってマーケティングしてもらいたいものです。そうすれば、自然と顧客は付いてきますし、フィリップ・モリス自身が目指したい社会の実現も早いと思います。


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