こんにちは。時短父さんです。

自己啓発としてファイナンスの勉強を始めて約1ヶ月が過ぎました。ファイナンスは、企業に資金を出している株主や債権者の立場から、企業がキャッシュを上手くコントロールしているか?資金を出すに値するか?などを判断するためのものです。

ファイナンスの勉強を通じて、投資家としてのレベルアップも期待できます。またせっかくだから、勉強して得た知識をアウトプットすることを実践して、知識の定着を図りたい。

これまで、いくつかの米国企業を例に取り、キャッシュフローの分析・比較をして、ブログで紹介してきました。少しでも皆さんの興味を引く内容になっていたら良かったと思います。

勉強も進んだことなので、一旦キャッシュフローからは離れます。今回は、EBITDAに注目します。EBITDAは、金利税引き前・償却前利益のことですね。

営業利益は、売上高から売上原価や一般管理費、減価償却費を差し引いて算出する利益で、一般的にも馴染み深い概念です。そこから、支払い利息や受け取り利息を加減し、法人税を差し引いたのが、当期純利益ですね。

一方、EBITDAは金利税引き前・償却前利益というだけあって、金利(支払い利息)や法人税を支払う前、かつ減価償却費と無形固定資産の償却費を差し引く前の利益を指します。金利・税引き前については、ほぼ営業利益と同じ意味ですが、ここに償却費を(実際にキャッシュは出ていないので)加えることで、キャッシュフローベースでの本業の利益を意味することになります。


米国企業の決算書を見ていると、時々出てくるんですよね、EBITDAが。例えば食品大手のクラフト・ハインツ(KHC)です。

売上高、営業利益、純利益、EPS(1株利益)などと並んで調整後EBITDAという項目があります。毎回気になってはいましたが、つい後回しにしてきていました。素人には、営業利益や純利益の方が分かりやすいですもんね。「調整後」というのは、一時的な要素を除いた、調整した、という意味です。
 
せっかくなので、クラフト・ハインツの過去の調整後EBITDAを調べて、営業利益と並べてみました。

【KHC】営業利益と調整後EBITDAの四半期推移

どうでしょう?
営業利益より、調整後EBITDAの方が上回っていますね。これは当たり前です。ざっくり言えば、営業利益に償却費を足したものだからです。でもこれがキャッシュフローベースで稼いだ本業の利益です。

17年1Qから20年1Qで、営業利益は46%減少しているのに対し、調整後EBITDAは23%減少に留まっています。これは興味深い。キャッシュフローベースでは、利益の減少は緩やかと言えます。これは逆を言えば、償却費がめちゃ多いということです。

そうです。クラフトとハインツの合併で、生じた巨額ののれん代(と負債…)。これが営業利益を押し下げているのです(減損処理もありますが)。


ファイナンスの教科書にはEBITDA倍率というのも出てきます。これは、企業が本業で稼いだキャッシュフローであるEBITDAと、それを受け取る権利がある資金提供者(株主や債権者)の資金投下額との関連から、株価を推定する方法です。

EBITDA倍率=(有利子負債+純資産)÷EBITDA

これが分かると、理論的な時価総額が算出でき、更には理論的な株価も計算できるのです。

クラフト・ハインツの場合で計算してみます。

20年1Qの有利子負債(長期負債)は315億ドル、純資産は510億ドル、調整後EBITDAは14億ドルでした。これによると、同時点でのEBITDA倍率は約58倍です。

またこれにEBITDAを掛けてやります(14億ドル×58)。そこから現金預金(54億ドル)と相殺した実質的な有利子負債(261億ドル)を差し引くと、理論的な時価総額が分かります。本来は業界の平均的なEBITDA倍率と、個社のEBITDAを掛けるのですが、今回は個社同士の値を掛けます。

こうやって計算したEBITDA倍率と時価総額の推移は以下のようになりました。

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20年1Q終了時点の理論的な時価総額は559億ドルでした。また発行済株式数は12億2183万株なので、これで時価総額を割ってやると、理論株価は45ドル余りだというのが算出されます。

45ドル?!

現在の株価は30ドルちょっとですから、理論値から3割も安くなっていますね。これはお買い得なのでしょうか…?

EBITDAによる株価評価を行う際の注意は、必ずしも投資を含めた最終的な業績を表しているわけではない点、税金が引かれていない点などです。なので、多少割り引いて考える必要はありますね。

理論株価が45ドル、実際株価が30ドルという、クラフト・ハインツの株価が割安かどうかのご判断は、皆さんに任せるとして、実際の数字を使うとこういう結果になりました。

また他の銘柄でも検証してみたいと思います。


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