こんにちは。時短父さんです。

コングロマリットと呼ばれる複合企業体が、米国企業には多数存在します。複合企業とは直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業界へ参入する企業体のことです。

例えば、スリーエム(MMM)です。文具のポストイットは有名ですが、その粘着技術は様々な工業製品に応用されています。研磨材の加工技術もしかりです。

他にも高精度センサーや印刷関連機器のドーバー(DOV)や航空機エンジンや交通システムのハネウェル(HON)、計測機器や制御バルブなどのエマソン・エクトロニック(EMR)などがあります。

お気付きかとは思いますが、ハネウェルを除いて、全て60年以上の連続増配株です。ドーバーは64年、エマソンは63年、3Mは61 年ですね。ハネウェルは9年です。

60年以上も配当を増やし続けられるには、それなりにキャッシュフローがしっかりしていないといけません。キャッシュあっての配当ですからね。今回は先のコングロマリット4銘柄をキャッシュフローの観点から分析してみます。

まずはそれぞれのキャッシュフロー推移からです。営業CFは営業活動によるキャッシュフローを、投資支出は事業継続に必要な設備投資への支出を、フリーCFは営業CFから投資支出を引いたものです。


ドーバー
DOV CF

ドーバーの営業キャッシュフローは、期間平均で毎年2.8%成長しています。09年から19年で17.8%増加しました。17年までは減少傾向にありましたが、ここ2年は増加しています。

3M
MMM CF

3Mの営業キャッシュフローは、期間平均で毎年3.8%成長しています。09年から19年で43.1%増加しました。同期間で前年を割ったのは2回だけでした。

ハネウェル
HON CF

ハネウェル営業キャッシュフローは、期間平均で毎年7.0%成長しています(4銘柄では最高)。09年から19年で75%増加しました。営業キャッシュフローは12年から連続して増加しています。


エマソン・エレクトリック
EMR CF

エマソン・エレクトリックの営業キャッシュフローは、期間平均で毎年2.4%成長しています(4銘柄では最低)。09年から19年で2%減少しました。


ではいくつかの分析指標を使って、4銘柄を比較してみましょう。

最初は営業キャッシュフローマージンです。営業キャッシュフローを売上高で割って算出します。キャッシュフローベースの営業利益率です。

営業CFマージン

各銘柄の期間平均と中央値では、ドーバーはともに14%、3Mはともに20%、ハネウェルは13%、エマソンは15%でした。20%の3Mが他社を引き離しているのが分かりますね。

ただし、営業キャッシュフローマージンの成長率で見ると、少し違います。3Mの営業キャッシュフローマージン(19年)は、09年比3%増加なのに対し、ハネウェルは47%増加となっています。ドーバーに至っては5%減少です。ハネウェルが急速に追い上げているのが分かりますね。


次に事業投資営業キャッシュフロー比率です。こちらは営業キャッシュフローのうちどれだけ事業継続に必要な投資(設備投資)に振り向けたかを示しています。

事業投資営業CF比率

各銘柄の期間平均と中央値では、ドーバー、ハネウェル、エマソンは20%前後となっているのに対し、3Mは平均24%、中央値24%となっています。ややキャッシュフローに占める投資支出の割合が多いようですが、水準としては全く問題ありません。


1株あたり営業キャッシュフローは、顕著な違いが現れました。1株あたり営業キャッシュフローは、営業キャッシュフローを加重平均の発行済普通株式数で割って算出しました。

1株当たり営業CF

ドーバーは平均で5.39ドル、中央値で5.19ドル、19年(対09年)は50%増加しています。

3Mは、平均で9.20ドル、中央値で10.01ドル(4銘柄で最高)、19年(対09年)は73%増加しています。

ハネウェルは、平均で6.38ドル、中央値6.32ドル、19年(対09年)は81%増加(4銘柄で最高)しています。

エマソンは、平均で4.34ドル、中央値4.35ドル、19年(対09年)は19%増加に留まりました。

キャッシュフローの水準としては3Mが頭一つ抜け出しています。増加率ではハネウェルが猛追しています。1株あたり営業キャッシュフローの増加率が、営業キャッシュフローの増加率よりも大きいですね。これは各銘柄とも自社株買いを積極的にしており、流通する株式数が毎年減少しているからです。


いかがでしたか?
同じコングロマリットと言っても、キャッシュフローを見るとその違いが見えてきますね。総じて3Mは優秀で、優位な立場にあります。しばらくは増配は維持しそうです。

またハネウェルが勢い良く追い上げている点も注目に値します。連続増配は9年で短いですが、キャッシュフローを見る限りでは、今後増配年数を伸ばして行く可能性は高いと言えます。




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