こんにちは。時短父さんです。

米コングロマリットのスリーエム(MMM、以下3M)は、取締役会にて第2四半期の配当を決議しました。それによると、1株あたりの四半期配当は1.47ドルで、支払日は6月12日、権利落ち日は5月22日です。

増配については、第1四半期にて2.1%の増配を実施済みなので、今回はありません。

下のグラフは、1977年からの3Mの配当推移です。
【MMM】四半期配当推移

3Mは米国株のなかでも指折りの連続増配株で、その実績は連続増配61年(今年で62年目)です。連続増配20年以上の銘柄で構成される配当貴族指数の一員であるだけでなく、アメリカン・ステーツウォーターやプロクター&ギャンブルとともに、「配当王」の地位も得ています。

過去20年間の平均増配率は8.7%、中央値は6.2%となっています。10年前後で配当が2倍になる計算です。平均や中央値に比べると、今年の増配率2.1%はかなり低いものとなりました。

でもそれは仕方ありませんね。3Mは景気敏感株です。しかも売上高の30%を中国に依存しています。2018年から2019年は米中関係の悪化から業績はパッとしませんでした。昨年末あたりから、両国の関係が改善し始めた矢先にコロナショックが襲いました。

3Mが最大の供給量を誇るN95マスクが注目されていますが、たかがマスクです。生産量を倍増させても、売上高を劇的に押し上げるほどの効果は見込めません。

最近はヘルスケア部門に力を入れている3Mですが、それでも主力は産業・交通部門やエレクトロニクス部門です。世界の経済が動かないことには、正直どうにもならない企業です。だからコロナが収束して、米中関係がノーマルになることが手っ取り早いのです。しかし、残念ながらその見通しはまだありません。

第2四半期は、マスク需要が業績を下支えする可能性はあるものの、業績悪化は避けられないでしょう。

こういった背景から今年の増配は低レベルに留まったのです。

だからといって3Mを手放せと言っているのではありません。コングロマリットであることのメリットは、その時のビジネス環境に応じて事業を取捨選択できる点です。今後はヘルスケア部門が同社を牽引するでしょう。

また売上高は毎年安定していますし、キャッシュフローが急速に悪化しているとも思えません。

株式投資でもアフターコロナが叫ばれていますが、3Mの実績とブランド力を鑑みれば、現在の株価(配当利回り4%超)は割安で、投資に値すると考えて良さそうです。


今日もポチっとお願いします。
↓↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ