こんにちは。時短父さんです。

医療機器・医薬品のジョンソン&ジョンソン(JNJ、以下J&J)は、同社のベビーパウダーの使用により卵巣がんを発症したとして、同社が訴えられていた裁判で、ニュージャージー州連邦地裁が原告の証言は科学的に正しい根拠ないとして退ける決定をした、と発表しました。

原告の主張によると、ベビーパウダーの原料タルクに発がん性物質のアスベストが混入していたことで、ベビーパウダーが卵巣がんを引き起こしたとのこと。同地裁の判事は、原告側のアスベストの専門家による実験は、タルクが卵巣がんを引き起こしたと証明することはできないとしました。

原告の女性がベビーパウダーを使ったことで、「相当な」量のアスベストに晒されたとしていますが、タルク製品の使用がアスベストを晒すことになるという原告側の意見を裏付けることは出来なかったとしました。

この決定は、正式に効力を持つものではなく、原告側の一つの主張を退けたに過ぎません。J&Jとしては引き続き自身を弁護するとともに、原告側は自身の主張を裏付ける一般的でかつ明瞭な証拠を提出する義務があるという立場です。

J&Jは決定を受けて、以下のようなコメントを発表しています。
タルクに関わる訴訟がベビーパウダーの安全性について混乱や心配を引き起こしていると理解しています。同社はタルクに関わる事実が理解されるよう努めています。ジョンソン・ベビーパウダーは100年以上もの間、信頼されてきた製品であり、独立した科学機関によって、ガンを引き起こさないと繰り返し確認してきました。たった一つの機関が、タルクと卵巣がんの関連性を調査してきたわけではないのです。

J&Jは医薬品や医療機器、日用品を扱うメーカーだけあって、ベビーパウダーに関わらず、あらゆる分野において製品に関わる訴訟を持っています。それだけ訴訟費用が高くつくというリスクがあるわけですが、もちろん同社も敏腕弁護団を立てて、対応にあたっています。そのため、J&Jが裁判で大負けした!というニュースはほとんど聞きませんね。賠償命令が出たとしても、予想をはるかに下回るものだったりします。

つまり多くの訴訟を起こされても、賠償命令が出たとしても、同社はそのこと自体はほとんど織り込み済みで、訴訟が原因で業績が急落するようなことはありません。100年以上も続くメーカーの製品が、そんな根本的に不備のあるものだとは思えません(一時的な瑕疵はあるかもしれませんが)。

これからも訴訟リスクには備えるのでしょうが、J&Jにおいては過度な悲観は不要だと思います。同社の安定したビジネスに長期で投資して行く姿勢が必要ですね。


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