こんにちは。時短父さんです。
米コングロマリットのスリーエム(MMM、以下3M)は、2020年第1四半期の決算を発表しました。内容は良かったです。
売上高は80.7億ドルで、前年同期比2.7%増加しました。新型コロナの影響で医療用マスクの需要が高まり、世界的な景気減速による産業やエレクトロニクス部門の減収を相殺しました。
営業利益は16.6億ドルで、同46.4%増加しました。売上高増加に加えて、営業費用を4.6%抑制できたことで、営業利益を抑制しました。営業利益率は20.6%で、同14.4%から大幅に改善しました。
純利益は12.9億ドルで、同45.0%増加しました。
希薄化後1株利益は2.22ドルで、前年同期の1.51ドルから47%もの大幅増益となりました。調整後ベースの1株利益は2.16ドルとなり、こちらは市場予想2.03ドルを上回る結果でした。

2012年以降の第1四半期では、2番目に高い売上高となり、1株利益は最も高くなりました。2018年は
、前年の税制改革法に伴う費用や、訴訟費用を積み増したことなどで急減していた1株利益も、V字回復に至りました。
セグメント別の業績を確認してみます。
安全・産業部門の売上高は29.3億ドル(前年同期比0.9%減)、営業利益は7.2億ドル(同14.0%増)でした。産業用接着剤や屋根補強材の売上が増加した一方、マスキングテープや研磨材、自動車二次産業に関わる売上が落ちました。
交通・エレクトロニクス部門の売上高は22.3億ドル(同5.0%減)、営業利益は4.8億ドル(同7.3%減)でした。自動車・航空宇宙事業などが減少しました。
ヘルスケア部門の売上高は21.0億ドル(21.0%増)、営業利益は4.5億ドル(1.7%減)でした。こちらの売上高急増は、昨年買収した医療機器メーカー・アセリティの効果が大きいです。既存事業では1.2%増に留まっています。
消費者部門の売上高は12.5億ドル(4.7%増)、営業利益は2.6億ドル(14.5%増)でした。ホームケア、消費者用ヘルスケアは売上高を伸ばした一方、文具やオフィス用品は減少しました。

地域別の売上高では、米州圏が10.1%増加(既存事業4.2%増)、アジア太平洋5.4%減少(同4.4%減)、欧州・中東・アフリカは0.2%減少(同1.7%減)となりました。米州圏での売上高増加(主にアセリティ買収効果ですが・・・)が貢献しました。
3Mの1Qキャッシュフローは以下の通りです。
営業CFは前年同期比15%増加、投資CFは同69%減少(昨年は事業買収があった)したことで、フリーCFはプラスに転換しました。営業CFマージンも15%に改善しました。

また3Mは、新型コロナの影響が不透明になることから、2020年の通期見通しを取り下げました。N95のマスク需要は高く、生産を倍増するのはプラス材料ですが、世界的な景気低迷が続くことにより、主力の産業部門の減収が継続してしまいかねません。一方で、ビジネスの透明性を高めるために、5月より月次ベースの売上高を公表していいくことを発表しました。
財務的な面では、自社株買いの停止を発表しました。これは財務的な柔軟性を確保するためとのことです。しかし、 既存事業への投資や株主への配当は優先的に確保しておくようです。60年以上も続く連続増配株ですからね。配当は維持して頂けるとのことで、安心しました。
決算発表を受けて、3Mの株価は一時5%上昇しました(終値では2.5%上昇)。ただ年初来では12%下落していて回復は不十分ですし、同社の最高値(2018年1月)からは38%も低い状態です。3Mの業績と株価が更に大きく飛躍するには、やはり売り上げの30%(2019年)を占める中国経済の回復が欠かせません。しばらくはマスク特需で、3Mの業績を下支えすることになりますが、本格的な成長にはコロナの終息が待たれます。
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米コングロマリットのスリーエム(MMM、以下3M)は、2020年第1四半期の決算を発表しました。内容は良かったです。
売上高は80.7億ドルで、前年同期比2.7%増加しました。新型コロナの影響で医療用マスクの需要が高まり、世界的な景気減速による産業やエレクトロニクス部門の減収を相殺しました。
営業利益は16.6億ドルで、同46.4%増加しました。売上高増加に加えて、営業費用を4.6%抑制できたことで、営業利益を抑制しました。営業利益率は20.6%で、同14.4%から大幅に改善しました。
純利益は12.9億ドルで、同45.0%増加しました。
希薄化後1株利益は2.22ドルで、前年同期の1.51ドルから47%もの大幅増益となりました。調整後ベースの1株利益は2.16ドルとなり、こちらは市場予想2.03ドルを上回る結果でした。

2012年以降の第1四半期では、2番目に高い売上高となり、1株利益は最も高くなりました。2018年は
、前年の税制改革法に伴う費用や、訴訟費用を積み増したことなどで急減していた1株利益も、V字回復に至りました。
セグメント別の業績を確認してみます。
安全・産業部門の売上高は29.3億ドル(前年同期比0.9%減)、営業利益は7.2億ドル(同14.0%増)でした。産業用接着剤や屋根補強材の売上が増加した一方、マスキングテープや研磨材、自動車二次産業に関わる売上が落ちました。
交通・エレクトロニクス部門の売上高は22.3億ドル(同5.0%減)、営業利益は4.8億ドル(同7.3%減)でした。自動車・航空宇宙事業などが減少しました。
ヘルスケア部門の売上高は21.0億ドル(21.0%増)、営業利益は4.5億ドル(1.7%減)でした。こちらの売上高急増は、昨年買収した医療機器メーカー・アセリティの効果が大きいです。既存事業では1.2%増に留まっています。
消費者部門の売上高は12.5億ドル(4.7%増)、営業利益は2.6億ドル(14.5%増)でした。ホームケア、消費者用ヘルスケアは売上高を伸ばした一方、文具やオフィス用品は減少しました。

地域別の売上高では、米州圏が10.1%増加(既存事業4.2%増)、アジア太平洋5.4%減少(同4.4%減)、欧州・中東・アフリカは0.2%減少(同1.7%減)となりました。米州圏での売上高増加(主にアセリティ買収効果ですが・・・)が貢献しました。
3Mの1Qキャッシュフローは以下の通りです。
営業CFは前年同期比15%増加、投資CFは同69%減少(昨年は事業買収があった)したことで、フリーCFはプラスに転換しました。営業CFマージンも15%に改善しました。

また3Mは、新型コロナの影響が不透明になることから、2020年の通期見通しを取り下げました。N95のマスク需要は高く、生産を倍増するのはプラス材料ですが、世界的な景気低迷が続くことにより、主力の産業部門の減収が継続してしまいかねません。一方で、ビジネスの透明性を高めるために、5月より月次ベースの売上高を公表していいくことを発表しました。
財務的な面では、自社株買いの停止を発表しました。これは財務的な柔軟性を確保するためとのことです。しかし、 既存事業への投資や株主への配当は優先的に確保しておくようです。60年以上も続く連続増配株ですからね。配当は維持して頂けるとのことで、安心しました。
決算発表を受けて、3Mの株価は一時5%上昇しました(終値では2.5%上昇)。ただ年初来では12%下落していて回復は不十分ですし、同社の最高値(2018年1月)からは38%も低い状態です。3Mの業績と株価が更に大きく飛躍するには、やはり売り上げの30%(2019年)を占める中国経済の回復が欠かせません。しばらくはマスク特需で、3Mの業績を下支えすることになりますが、本格的な成長にはコロナの終息が待たれます。
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