こんにちは。時短父さんです。
先日のシェブロン(CVX)とエクソン・モービル(XOM)のキャッシュフロー比較に続いて、企画第2弾です。今回はペプシコ(PEP)とコカ・コーラ(KO)を扱ってみたいと思います。
ペプシコはペプシ・コーラのイメージが強いので、コカ・コーラとの全くの同業(のライバル)と思われがちですが、実は事業ポートフォリオの半分はスナック事業となっています。数日前もモトリーフールの記事で、両社が比較されていましたね。その記事によれば、コロナによる巣篭り消費で恩恵を受けるのは、ペプシコだそうです。増配余地もペプシコに軍配が上がると書かれていました。
コカ・コーラ株の保有者としては悔しいっ!!
モトリーフールの記事は置いておいて、ここでは両社のキャッシュフローを4つの指標で比較していきます。両者とも、連続増配銘柄の代表であるので、どんな特徴があるのか気になりますね。
両社のキャッシュフロー推移を見ていきます。以下にグラフを載せますが、営業CFは営業活動によるキャッシュフローを、投資支出はcapital expenditureまたはcapital spendingの額となっています。いずれもSEC Filingからです。他社買収や事業売却については、ここには反映されません。
フリーCFは、営業CFから投資支出を差し引いたものです。
まずはペプシコ。

営業CFは緩やかに成長し、または安定しているのが分かります。2016年からわずかに減少傾向でしたが、昨年は増加に転じました。投資支出は抑えられており、普段の営業において設備投資は少なくて済んでいます。
次にコカ・コーラ。

こちらはペプシコに比べるとやや変動が大きいように感じます。特に2016年~2019年にかけては減少と増加の勢いが激しいです。V字回復したと言えば、そうなのかもしれません。投資支出はしっかり抑えられていますね。
両社とも金額の規模はだいたい同じくらいですね。
では、以下においてキャッシュフロー分析の4つの指標で比較をしてみましょう。
①営業CFマージン
営業CFマージンは、売上高を営業CFで割った数値です。CFをベースにした利益率みたいなものです。いくら売上高が大きくても、営業利益率が高くても、売掛金や売上債権が多ければ、会社にキャッシュが入ってきません。営業CFマージンは会社にどれだけキャッシュが入ってきたかを見るには、適したものさしです。

ペプシコとコカ・コーラの営業CFマージンを比較すると、明確な違いが見えます。ペプシコは平均で15%、コカ・コーラのそれは23%となっています。両社ともに安定的な営業CFの推移で、金額の規模も似たようなものでした。なのに、ここまで違いが出るのは何故ですかね?ペプシコの売上高は620~670億ドルなのに対して、コカ・コーラは350~400億ドルとなっています。
明らかにコカ・コーラの方が効率的にキャッシュを稼いでいると言えます。おそらく事業ポートフォリオが関係しているのでは?と推察します。ペプシコはスナックと飲料で半々、コカ・コーラは全て飲料です。
②事業投資営業CF比率
事業投資営業CF比率は、営業CFに対してどれだけ事業投資にキャッシュを回しているを計ります。事業の維持と将来の成長のためには投資は欠かせません。基本的に両社ともに事業を維持するだけなら、そこまでの投資は必要ないと思いますけどね。

今度はペプシコがコカ・コーラを上回りました。ペプシコの平均は31%、コカ・コーラは24%です。現在の事業を維持するために必要な投資(設備の入れ替え)の額で、この差が出ています。事業の切り売りや他社買収に伴うキャッシュの出入りは含まれません。
ペプシコの営業CFマージンはコカ・コーラより低いのに、事業投資営業CF比率は高いというのは、ペプシコの事業は、キャッシュを稼ぎにくい構造をしているのかもしれません。
③1株当たりの営業CF
1株当たりの営業CFは、営業CFを発行済み株式で割ったものです。1株でどれだけのキャッシュを稼いできているかが分かります。CFベースのEPS(1株利益)みたいなものです。

1株当たり営業CFは、ペプシコに軍配が上がりそうです。ペプシコの平均は6.33ドルであるのに対して、コカ・コーラのそれは2.67ドルです。2.3倍の差となっています。こちらは明らかにペプシコの方が株式の価値は高いというのが分かります。
④CFベースの配当性向
CFベースの配当性向は、配当総額をフリーCFで割ったもので、本業で生み出されたキャッシュフローをどれだけ株主に還元できているかを表します。

ペプシコの平均は61%、コカ・コーラの平均は77%となっています。2009年~2012年までは両社ともに60%前後で推移していましたが、2013年からコカ・コーラの数値が上昇し始めて、差が開きました。一時的に100%を超えていました。しかし2017年からはペプシコも上昇し始めて、現在は両社同水準です。
先述したモトリーフールの記事によれば、コカ・コーラはフリーCFの75%の配当を目途としているようです。すでに81%となっているので、今後の増配余地は狭まっているのは事実のようです。ペプシコもフリーCFを伸ばしていかないと、100%を超えるのは確実です(7%増配を明言しているので)。
いかがでしたでしょうか?
コカ・コーラは、投資は少なくて済み、効率的にキャッシュを稼いでいるのが分かりました。ペプシコはやや投資が必要な事業を抱えて(ポートフォリオが分散されている、とも言える)ますが、株式の価値は高いというのが分かりました。
どちらも連続増配株で、株主還元には積極的な魅力ある銘柄です。投資家自身の好みに合わせて投資先を選んでみるのが良いと思います。
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先日のシェブロン(CVX)とエクソン・モービル(XOM)のキャッシュフロー比較に続いて、企画第2弾です。今回はペプシコ(PEP)とコカ・コーラ(KO)を扱ってみたいと思います。
ペプシコはペプシ・コーラのイメージが強いので、コカ・コーラとの全くの同業(のライバル)と思われがちですが、実は事業ポートフォリオの半分はスナック事業となっています。数日前もモトリーフールの記事で、両社が比較されていましたね。その記事によれば、コロナによる巣篭り消費で恩恵を受けるのは、ペプシコだそうです。増配余地もペプシコに軍配が上がると書かれていました。
コカ・コーラ株の保有者としては悔しいっ!!
モトリーフールの記事は置いておいて、ここでは両社のキャッシュフローを4つの指標で比較していきます。両者とも、連続増配銘柄の代表であるので、どんな特徴があるのか気になりますね。
両社のキャッシュフロー推移を見ていきます。以下にグラフを載せますが、営業CFは営業活動によるキャッシュフローを、投資支出はcapital expenditureまたはcapital spendingの額となっています。いずれもSEC Filingからです。他社買収や事業売却については、ここには反映されません。
フリーCFは、営業CFから投資支出を差し引いたものです。
まずはペプシコ。

営業CFは緩やかに成長し、または安定しているのが分かります。2016年からわずかに減少傾向でしたが、昨年は増加に転じました。投資支出は抑えられており、普段の営業において設備投資は少なくて済んでいます。
次にコカ・コーラ。

こちらはペプシコに比べるとやや変動が大きいように感じます。特に2016年~2019年にかけては減少と増加の勢いが激しいです。V字回復したと言えば、そうなのかもしれません。投資支出はしっかり抑えられていますね。
両社とも金額の規模はだいたい同じくらいですね。
では、以下においてキャッシュフロー分析の4つの指標で比較をしてみましょう。
①営業CFマージン
営業CFマージンは、売上高を営業CFで割った数値です。CFをベースにした利益率みたいなものです。いくら売上高が大きくても、営業利益率が高くても、売掛金や売上債権が多ければ、会社にキャッシュが入ってきません。営業CFマージンは会社にどれだけキャッシュが入ってきたかを見るには、適したものさしです。

ペプシコとコカ・コーラの営業CFマージンを比較すると、明確な違いが見えます。ペプシコは平均で15%、コカ・コーラのそれは23%となっています。両社ともに安定的な営業CFの推移で、金額の規模も似たようなものでした。なのに、ここまで違いが出るのは何故ですかね?ペプシコの売上高は620~670億ドルなのに対して、コカ・コーラは350~400億ドルとなっています。
明らかにコカ・コーラの方が効率的にキャッシュを稼いでいると言えます。おそらく事業ポートフォリオが関係しているのでは?と推察します。ペプシコはスナックと飲料で半々、コカ・コーラは全て飲料です。
②事業投資営業CF比率
事業投資営業CF比率は、営業CFに対してどれだけ事業投資にキャッシュを回しているを計ります。事業の維持と将来の成長のためには投資は欠かせません。基本的に両社ともに事業を維持するだけなら、そこまでの投資は必要ないと思いますけどね。

今度はペプシコがコカ・コーラを上回りました。ペプシコの平均は31%、コカ・コーラは24%です。現在の事業を維持するために必要な投資(設備の入れ替え)の額で、この差が出ています。事業の切り売りや他社買収に伴うキャッシュの出入りは含まれません。
ペプシコの営業CFマージンはコカ・コーラより低いのに、事業投資営業CF比率は高いというのは、ペプシコの事業は、キャッシュを稼ぎにくい構造をしているのかもしれません。
③1株当たりの営業CF
1株当たりの営業CFは、営業CFを発行済み株式で割ったものです。1株でどれだけのキャッシュを稼いできているかが分かります。CFベースのEPS(1株利益)みたいなものです。

1株当たり営業CFは、ペプシコに軍配が上がりそうです。ペプシコの平均は6.33ドルであるのに対して、コカ・コーラのそれは2.67ドルです。2.3倍の差となっています。こちらは明らかにペプシコの方が株式の価値は高いというのが分かります。
④CFベースの配当性向
CFベースの配当性向は、配当総額をフリーCFで割ったもので、本業で生み出されたキャッシュフローをどれだけ株主に還元できているかを表します。

ペプシコの平均は61%、コカ・コーラの平均は77%となっています。2009年~2012年までは両社ともに60%前後で推移していましたが、2013年からコカ・コーラの数値が上昇し始めて、差が開きました。一時的に100%を超えていました。しかし2017年からはペプシコも上昇し始めて、現在は両社同水準です。
先述したモトリーフールの記事によれば、コカ・コーラはフリーCFの75%の配当を目途としているようです。すでに81%となっているので、今後の増配余地は狭まっているのは事実のようです。ペプシコもフリーCFを伸ばしていかないと、100%を超えるのは確実です(7%増配を明言しているので)。
いかがでしたでしょうか?
コカ・コーラは、投資は少なくて済み、効率的にキャッシュを稼いでいるのが分かりました。ペプシコはやや投資が必要な事業を抱えて(ポートフォリオが分散されている、とも言える)ますが、株式の価値は高いというのが分かりました。
どちらも連続増配株で、株主還元には積極的な魅力ある銘柄です。投資家自身の好みに合わせて投資先を選んでみるのが良いと思います。
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