こんにちは。時短父さんです。
昨日は投稿をお休みしてすみませんでした。前回の投稿で書いたように、ファイナンスの勉強を始めていて、少しそちらにパワーを振り向けていました。が、勉強したことをアウトプットしないと、身に着きません。だから、この場を借りてそれをやらせてもらいたいと思います。
通常の財務分析だと損益計算書やバランスシートを対象としますが、ファイナンスではキャッシュフローをベースに企業を分析するそうです。投資家や債権者の立場から見るからです。もちろん分析ツールはキャッシュフローだけではありません。他にもあるのですが、まだそこまで至っていないので、まずはキャッシュフローを使ってみます。
今回企業分析を行うのは、エネルギー企業の代表格であるシェブロン(CVX)とエクソン・モービル(XOM)です。両社ともに歴史があり、世界的な石油メジャーとして存在感のある企業です。しかし、原油価格の暴落により両社の業績は今後かなり厳しいものになると予想されます。XOMは何とか配当を維持する見込みですが、今後の業績見通しによってはそれも守れない可能性があります。世界的な協調減産を前進させられるかが両社の業績を左右しそうです。
今回の分析では両社のキャッシュフロー(以下、CF)を使って、4つの分析・比較を行います。
一つは営業CFマージン。営業CFを売上高で割った比率です。こちらはCFベースでの利益率ともいえるもので、本業からCFが安定して生み出されているかを示す指標です。
二つ目は、事業投資営業CF比率です。本業から生み出されたCFをどの程度事業投資に向けているかを表す指標です。事業投資額÷営業CF×100という式で計算します。※事業投資額は、設備投資額+事業売却額-事業取得額としました。
三つ目は1株あたりの営業CFです。CFをベースにした1株利益(EPS)のようなものです。営業CF÷発行済み株式数で計算します。
四つ目はCFベースの配当性向です。本業から生み出されたCFをどの程度配当に向けているかを表しています。配当金額÷フリーCF×100です。
では早速見ていきましょう。
といってもまずは、両社のCF推移からです。
こちらはCVXの推移。

こちらはXOMの推移。

どちらも似たような棒グラフの動きをしていますね。毎年安定的にフリーCF(営業F-投資支出)がプラスになっているのはXOMの方ですね。しかしここ数年はCVXの方が調子がいいようにも見えます。
では先ほどの分析ツールではどう出てくるのか?以下で見ていきましょう。
①営業CFマージン
下に両社の2009年から2019年までの推移を載せました。どうでしょう?一貫してCVXがXOMを上回っているのが分かります。しかも2016年を除き、かなりその差を引き離していますね。同期間の平均はCVXが16%、XOMは12%です。
営業CFマージンは、本業から安定してCFが生まれているかを見るものでした。これを見る限りでは、CVXに軍配が上がります。

②事業投資額営業CF比率
この指標は通信業や鉄道業のように設備投資が多くなる企業に高めになる傾向があるようです、エネルギー企業も同様ですね。開発や採掘に莫大な金が掛かります。ただ高過ぎるのは過大投資の危険もあるので注意が必要です。
CVXとXOMではどうでしょうか?
全体的にはXOMが安定して50%~100%で推移しているのに対して、CVXはマイナス圏から100%超えとやや不安定な動きをしています。この比率がマイナスというのは、設備投資が少なかったことを意味します。100%超えは営業CFよりも多く投資していることになります。
安定度で言えば、XOMに軍配ですかね。ただその時の企業を取り巻く環境にもよるので、高ければ良いとか低ければ良いというものでもないのですが。

③1株当たり営業CF
こちらは1株当たりの営業CFがどの程度生み出されたかを示すもので、これが高い場合は株価上昇に繋がることもあります。
両社の比較をしてみると、営業CFマージンと同様に、一貫してCVXがXOMを上回っていますね。これは明らかにCVXに軍配が上がります。

ちなみに、2019年CVXの1株利益は1.54ドル、XOMは3.36ドルでした。1株当たり営業CFとは全く違った結果となっています(CVXは昨年巨額の減損処理をしました)。
④CFベースの配当性向
最後はCFベースの配当性向です。普通は利益ベースで配当性向を見ますね。どちらも株主還元への姿勢を図ることを目的としていますが、CFベース配当性向は、CFをベースに計算します。
こちらは非常に見づらいグラフですみません。
100%超=フリーCF以上に配当を払っていることを意味し、0%以下=フリーCFがマイナスであるこを意味ます。正直、この2社に関しては振れ幅が大きすぎてあまり参考になりません。
異常値を除くと、CVXはだいたい40%~70%で、近年は落ち着いてきています。XOMは70%~120%で、常に高めとなっています。

総じて見てみると、CFをベースにした分析によるとCVXの方が、XOMに比べて指標は高く、安定感があることが分かりました。エネルギー企業へ投資する目的の多くは、その配当だと思います。配当を安定的に支払ってもらうためには、やはりCFが安定的成長しに、かつ高位にあることが望ましいですね。CFだけが投資のための指標ではありませんが、これを軽視すると足元をすくわれるかもしれません。
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昨日は投稿をお休みしてすみませんでした。前回の投稿で書いたように、ファイナンスの勉強を始めていて、少しそちらにパワーを振り向けていました。が、勉強したことをアウトプットしないと、身に着きません。だから、この場を借りてそれをやらせてもらいたいと思います。
通常の財務分析だと損益計算書やバランスシートを対象としますが、ファイナンスではキャッシュフローをベースに企業を分析するそうです。投資家や債権者の立場から見るからです。もちろん分析ツールはキャッシュフローだけではありません。他にもあるのですが、まだそこまで至っていないので、まずはキャッシュフローを使ってみます。
今回企業分析を行うのは、エネルギー企業の代表格であるシェブロン(CVX)とエクソン・モービル(XOM)です。両社ともに歴史があり、世界的な石油メジャーとして存在感のある企業です。しかし、原油価格の暴落により両社の業績は今後かなり厳しいものになると予想されます。XOMは何とか配当を維持する見込みですが、今後の業績見通しによってはそれも守れない可能性があります。世界的な協調減産を前進させられるかが両社の業績を左右しそうです。
今回の分析では両社のキャッシュフロー(以下、CF)を使って、4つの分析・比較を行います。
一つは営業CFマージン。営業CFを売上高で割った比率です。こちらはCFベースでの利益率ともいえるもので、本業からCFが安定して生み出されているかを示す指標です。
二つ目は、事業投資営業CF比率です。本業から生み出されたCFをどの程度事業投資に向けているかを表す指標です。事業投資額÷営業CF×100という式で計算します。※事業投資額は、設備投資額+事業売却額-事業取得額としました。
三つ目は1株あたりの営業CFです。CFをベースにした1株利益(EPS)のようなものです。営業CF÷発行済み株式数で計算します。
四つ目はCFベースの配当性向です。本業から生み出されたCFをどの程度配当に向けているかを表しています。配当金額÷フリーCF×100です。
では早速見ていきましょう。
といってもまずは、両社のCF推移からです。
こちらはCVXの推移。

こちらはXOMの推移。

どちらも似たような棒グラフの動きをしていますね。毎年安定的にフリーCF(営業F-投資支出)がプラスになっているのはXOMの方ですね。しかしここ数年はCVXの方が調子がいいようにも見えます。
では先ほどの分析ツールではどう出てくるのか?以下で見ていきましょう。
①営業CFマージン
下に両社の2009年から2019年までの推移を載せました。どうでしょう?一貫してCVXがXOMを上回っているのが分かります。しかも2016年を除き、かなりその差を引き離していますね。同期間の平均はCVXが16%、XOMは12%です。
営業CFマージンは、本業から安定してCFが生まれているかを見るものでした。これを見る限りでは、CVXに軍配が上がります。

②事業投資額営業CF比率
この指標は通信業や鉄道業のように設備投資が多くなる企業に高めになる傾向があるようです、エネルギー企業も同様ですね。開発や採掘に莫大な金が掛かります。ただ高過ぎるのは過大投資の危険もあるので注意が必要です。
CVXとXOMではどうでしょうか?
全体的にはXOMが安定して50%~100%で推移しているのに対して、CVXはマイナス圏から100%超えとやや不安定な動きをしています。この比率がマイナスというのは、設備投資が少なかったことを意味します。100%超えは営業CFよりも多く投資していることになります。
安定度で言えば、XOMに軍配ですかね。ただその時の企業を取り巻く環境にもよるので、高ければ良いとか低ければ良いというものでもないのですが。

③1株当たり営業CF
こちらは1株当たりの営業CFがどの程度生み出されたかを示すもので、これが高い場合は株価上昇に繋がることもあります。
両社の比較をしてみると、営業CFマージンと同様に、一貫してCVXがXOMを上回っていますね。これは明らかにCVXに軍配が上がります。

ちなみに、2019年CVXの1株利益は1.54ドル、XOMは3.36ドルでした。1株当たり営業CFとは全く違った結果となっています(CVXは昨年巨額の減損処理をしました)。
④CFベースの配当性向
最後はCFベースの配当性向です。普通は利益ベースで配当性向を見ますね。どちらも株主還元への姿勢を図ることを目的としていますが、CFベース配当性向は、CFをベースに計算します。
こちらは非常に見づらいグラフですみません。
100%超=フリーCF以上に配当を払っていることを意味し、0%以下=フリーCFがマイナスであるこを意味ます。正直、この2社に関しては振れ幅が大きすぎてあまり参考になりません。
異常値を除くと、CVXはだいたい40%~70%で、近年は落ち着いてきています。XOMは70%~120%で、常に高めとなっています。

総じて見てみると、CFをベースにした分析によるとCVXの方が、XOMに比べて指標は高く、安定感があることが分かりました。エネルギー企業へ投資する目的の多くは、その配当だと思います。配当を安定的に支払ってもらうためには、やはりCFが安定的成長しに、かつ高位にあることが望ましいですね。CFだけが投資のための指標ではありませんが、これを軽視すると足元をすくわれるかもしれません。
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