こんにちは。時短父さんです。

ヘルスケア大手ジョンソン&ジョンソン(JNJ、以下、J&J)は、2020年第1四半期の決算を発表しました内容は良かったです。

売上高は206.9億ドルで、前年同期比3.3%増加しました。
3部門のうち日用品部門と医薬品部門で、新型コロナの影響で増収となる一方、医療機器部門はそれにより減収となりました。

営業利益は58.4億ドルで、同9.7%増加しました。
売上原価は増加したものの、販管費を抑制し、研究開発費を減らしたことが要因です。

純利益は57.9億ドルで、同54.6%増加しました。一時的な要因を除いた調整後の純利益は61.5億ドルとなり、同8.7%増加でした。一時的な要因とは、オーリスヘルスの取得に伴って発生した条件付対価に関わるコスト(9.8億ドル)などのことです。

希薄化後の一株利益は2.17ドルで、前年同期1.39ドルから56.1%増加しました。調整後の一株利益は、2.30ドルで、同2.10ドルドルから9.5%増加しました。

【JNJ】1Q業績推移

部門別売上高は以下の通りです。

日用品部門の売上高は、36.2億ドルで、前年同期比9.3%増加しました。解熱鎮痛剤のタイレノールや消炎鎮痛剤のイブプロフェン、ヒスタミン薬のセチリジン、口臭予防薬のリステリンなどが好調でした。米国内での売上高増加(21%)が全体を押し上げました。

医薬品部門の売上高は111.3億ドルで、同8.7%増加しました。クローン病治療薬ステラーラや多発性骨髄症治療薬ダルツムマブなどが好調でした。医薬品部門は第1四半期だけでは、2009年以降一貫して増収を続けています。

医療機器部門の売上高は59.3億ドルで、同8.2%減少しました。新型コロナの影響で外科手術や整形外科の取り扱いが減ったことが影響したようです。医療機器部門は第1四半期だけでみると2年連続で減収となっています。

【JNJ】1Qセグメント別売上高推移

J&Jの地域別売上高は、米国が5.6%増加した一方で、その他地域は1.0増加で伸び悩みました。その他地域の内訳では、欧州が4.7%増加しましたが、カナダ・中南米・アフリカは0.1%減少、アジア太平洋は3.1%減少しました。

J&Jは2020年通期の見通しを、以下の通り修正しました。

売上高は、前回予想では854億ドル~862億ドルでしたが、これを775億ドル~805億ドルへ下方修正しました。対前年比では、増収予想から一転して、5.5%減少~2.0%減少予想となっています。

調整後EPSも、前回予想では8.95ドル~9.10ドルでした。これを7.50ドル~7.90ドルへ下方修正しました。対前年比では、13.6減少%~9.0%減少予想となっています。

2桁のEPS減少はかなり痛いですね。そのほとんどが新型コロナによる経済活動の停止が影響しています。

さてそんな悲観的な見通しにも関わらず、J&Jは思い切った決断をしました。6.3%の増配です。確かに第1四半期は良かったですが、今後の見通しは厳しいものになると予想するに増配した不思議ですね。J&J発表文によると、増配理由は、「2019年の好調な業績と強固な財務基盤、将来への自信」によるとなっています。2019年は売上高が微増、調整後EPSは6%増加していました。

【JNJ】配当推移

6.3%というのはJ&Jの配当政策では、特段高くもなく、低くもありません。過去10年間の平均増配率は7.0%なので、ほぼ平均に沿ったかたちです。それでも見通しが悪い分を考慮するならば、思い切った増配率と言えるのではないでしょうか?

今回の増配で支払日ベースの年間配当金は3.98ドルとなりました。4ドルまであと少し・・・そして連続増配年数は58年目に突入したことになります。なかなか60年近くも増配を続けることはできませんから、本当に素晴らしいことだと思います。

第2四半期はすでに始まっています。米国を始めとした世界経済は大きな影響を受けており、悲観的な数字がたくさん予想されています。J&Jも全く影響を受けないなんてことはないでしょうが、こんな状況でも自身の強みをしっかり業績に反映できる企業は、やはり強い。こんな銘柄をしっかり握っておくことが投資家としても大切なのかなと思います。


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