こんにちは。時短父さんです。

石油メジャーのエクソン・モービル(XOM)は注目されていた投資・費用削減についてプレスリリースを発表しました。
ニュースリリース2

リリースされた内容を見ていくと、

・2020年の設備投資は、230億ドルに留まる見込み。当初は330億ドルとしていたので、10億ドル(30%)を削減します。

・現金支出を伴う営業費用は、効率性の向上と、コスト削減、低減しているエネルギーコストにより、15%削減させる。

の2点が柱となっています。
なかなか思い切った数字を出してきましたね。エクソンモービルの経営陣は、3月のうちから大幅な費用削減を検討していると述べていました。

確かに30%の設備投資削減は思い切った数字で、同業他社と比較しても遜色ありません。シェブロンは20%削減、ブリティッシュ・ペトロリウムは25%削減と表明していました。

設備投資の削減は、主に米国内パーミアン盆地において行われます。現在の原油マーケットを考えると、短期的な投資回収が可能な同地域が選ばれました。これは、パーミアン盆地への投資の長期的な価値を過小評価している訳ではありません。マーケットが改善すれば、すぐに採掘を再開できるように睨んだものです。

またガイアナ沖での開発と採掘は継続します。すでに第一工期では生産が始まり、第二工期では生産設備が建設中です。第三工期は、ガイアナ政府の承認待ちとなっています。いくつかの生産活動に半年から一年の遅れが見込まれています。

さらにモザンビークでの液化天然ガス事業では、事業の遅延が起きているものの、事業継続が決まっています。

ダレン・ウッズCEOによると、「パンデミックと原油マーケットの現状を考慮し検討した結果、長期的価値を残しつつ、コスト効率を最大化させ、マーケットが回復した時に強力なポジションを得るための資本調整」です。


「人口とエネルギー需要の成長、経済の回復を視野に入れており、長期的なビジネスプランには変更はない」ともコメントしています。

さて、設備投資の削減については分かりました。短期的な削減だけでなく、長期的な価値を維持するための戦略も分かりました。しっかりやってもらいたいと思います。

だが、エクソンモービルの株主にとって最大の関心事が、プレスリリースには書かれていません。最大の関心事、それは配当が維持されるか、減配があるかです。

プレスリリースに書かれていないのは、費用削減項目に配当は含めないと捉えて良いでしょう。つまり配当は維持される。この数ヶ月間かなりヤキモキしましたから、これはエクソンモービルの株主にとって朗報ですね。ひとまず安堵して良さそうです。

ただし、今のところはです。原油マーケットが更に悪化したり、費用削減、投資削減が見込みどおりに進まなければ、厳しい現実が待っていることは覚悟しておかなければなりません。

配当が確実に維持されるかは、次回四半期配当の発表を待つしかありません。まだ少しドキドキしますが、以前ほどではなくなりました。

個人的には、今回のパンデミックをきっかけにエクソンモービルがより効率的な経営に舵を切ってくれることを期待したいです。営業キャッシュフローは減少し続けている割には、投資はあまり減っていません。お陰で、配当の原資となるフリーキャッシュフローがほぼない状態です。

【XOM】CF推移

原油価格がそう簡単に回復する見込みがない中では、投資をある程度抑制するしか方策はありません。柔軟で機動的な対応が、エクソンモービルには求められています。

今日もポチっとお願いします。
↓↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ