こんにちは。時短父さんです。

米食品大手クラフト・ハインツ(KHC)は規制当局(SEC)への提出書類(8K)にて、2020年第1四半期から再編を予定している報告セグメントの詳細と、過去決算の修正を公表しました。

報告セグメントの再編は、2月に提出されていた年次報告書(10K)で触れられていました。今回公表された内容は、以下の通りです。

●セグメント数の変更
これまでセグメントは、米国、カナダ、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、その他の4つでした。 それが、米国、カナダ、国際の3つになりました。国際には、EMEA、アジア太平洋地域、南米を含むことになります。またこれまで「その他」に含まれていたプエルトリコは事業マネジメントやサプライチェーンの観点から「米国」に移管されます。


●過去のセグメント業績の修正
報告セグメントの再編に伴い、クラフト・ハインツは、セグメント毎の業績を過去に遡って修正しました。四半期の売上高とセグメントEBITAは2年分(8四半期分)を、通年では3年分を修正しました。
【KHC】セグメント別四半期売上高推移


報告セグメントを再編(減ら)したところで、クラフト・ハインツの売上高が増える訳でも、費用が削減できる訳でもないと思います。何のための再編なのか、肝心なところは8Kには書いてありませんでした。

おそらくですが、EMEAとアジア太平洋、南米を分けて管理する必要性が少なくなったのでしょうね。地理的には広大で離れている3地域ではありますが、マーケティング戦略上は一つにまとめられるほどの位置付け(格下げ?)になったのだと思います。

逆を言えば、再編されなかった米国、そしてカナダを重視する姿勢を暗に示したのかもしれません。米国は売上高の7割を占めますので、戦略的には事業基盤とも言える地域ですから、再編されなかったのは理解できます。
【KHC】セグメント別売上高比率

カナダについては、少し不可解です。売上高は全体の8%に過ぎず(といっても一国としてはかなりのボリュームはある)、昨年はカナダのナチュラルチーズ事業が売却されました。売上高は減少傾向にあり、クラフト・ハインツが各国に保有するブランド数も多くありません。
各国ブランド数

何故カナダが、一国だけで報告セグメントに残ったのか。これはちょっとした疑問です。
カナダは米国の隣国であり、消費嗜好や食習慣が似ているからくらいしか理由が思いつきません(;´∀`)似ているなら、いっそのこと米国とくっつけて「北米」セグメントにしちゃえばいいんですね。でもそれはやらない。やはり何か理由があるのでしょうね。

いずれにしても、米国とカナダをそれぞれ残したのは、ここの地域を重視するからでしょう。どう重視するかは分かりません。事業売却の対象となるからなのか、売上・利益成長のエンジンとするからなのか。でもクラフト・ハインツの中で、何かが変わろうとしていることだけは事実のようです。


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