こんにちは。時短父さんです。
米複合企業3M(MMM)は2019年第4四半期と通期の決算を発表しました。内容は良くなかったです。
まずは四半期決算から。
売上高は81.1億ドルで、前年同期比2.1%増加しました。ただしこの増収は、主に米国での医療機器メーカー買収に伴うものであって、既存事業売上ベースでは2.6%減少しています。
営業利益は13.2億ドルで、同25.7%減少しました。売上原価や販売管理費が大きく伸びており、営業費用全体で10%程度増加していました。
3M帰属の純利益は9.6億ドルで、同28.1%減少しました。2億ドルに及ぶ訴訟関連費用を計上したことが響きました。
よって希薄化後1株利益は1.66ドルで、前年同期の2.27ドルから27%減少しました。

セグメント別売上高の推移は以下のようになっています。

安全・産業部門は28.1億ドルで、前年同期比4.8%減少しました。
交通・エレクトロニクス部門は22.9億ドルで、同6.2%減少しました。
ヘルスケア部門は21.4億ドルで、冒頭でもお伝えしたように医療機器メーカーAcelity買収に伴い、25.4%の大幅な増加となりました。
消費者部門は12.6億ドルで、横ばいでした。
地域別の売上高増減は以下のように、既存事業・ローカル通貨ベースの売上高は横ばいか2%台後半の減少となっていて、世界的な需要の減退が起きている可能性があります。
事業売却・取得に伴う増減を加味した場合でも、アジア太平洋地域の不振が際立っています。米中貿易戦争の影響は大きいと言えます。

次に通期の業績とキャッシュフローを振り返ります。
売上高は321億ドル(前年比1.9%減少)、営業利益は61.7億ドル(同14.3%減少)、純利益は45.7億ドル(同14.6%減少)、希薄化後1株利益は7.81ドル(同12.1%減少)で、減収減益となりました。この4つの指標が揃って、前年割れとなったのは2009年以来のことです。

希薄化後1株利益は7.81となりましたが、訴訟関連費用とベネズエラ子会社の非連結化に伴って、1.29ドル分の利益を押し下げました。調整後の1株利益は9.10ドルとなりました。
通期の営業利益率は19%で、ここ12年間で初めて20%を割りました。

通期のキャッシュフローは以下のようになりました。

営業CFは前年より増加していて、営業CFマージンも2ポイント以上上昇して22%となりました。営業利益率が減少したのとは対照的です。利益は減ったけれども、ちゃんとキャッシュは稼げていることは安心材料だと思います。
ただ投資CFが大幅に増加し(下に突き抜け)ており、フリーCFは大きく減少しました。これは医療機器メーカーの買収に伴う支出(一時的な要因)があったためで、これが今後も続くとは思いません。フリーCFがマイナスにならなくて良かったです。
3Mは2020年の見通しを発表し、調整後1株利益で9.30ドル~9.75ドルとしました。これは2019年比で2%~7%の増加を見込んでいることになります。ただしこちらは市場予想を下回りました。
3Mの決算発表と業績見通しを受けて、株価は大きく値下がりました。28日の終値は、前日比で5%を超える下げ幅となりました。最近は米中関係の改善を受けて、株価は180ドルを超えて上向きかけてきただけに、水を差すかたちとなりました。28日のダウ平均株価は187ドル

最近は米中関係の改善を受けて、株価は180ドルを超えて上向きかけてきただけに、水を差すかたちとなりました。また28日のダウ平均株価は、6日ぶりに反発しまて187ドル上昇しましたが、3Mの下落が平均株価を68ドル押し下げてしまいました。
3Mは現在の業績低迷を受けて、全て地域、全ての部門を対象としたリストラを進めて、1500人の人員削減を発表しました。人員削減だけでなく、前年に5部門から4部門に再編した事業ポートフォリオを、より強化する施策も発表しています。また従業員のスピーディな意思決定や組織内の報告体制の簡素化など、ビジネスの進め方も改革しようとしています。
複合企業は、様々な分野のビジネスの集合体です。それらの多くは買収などを通じて事業ポートフォリオに組み込まれてきたはずで、様々な文化や考え、やり方を持った従業員がいることでしょう。複合企業である以上仕方のないことですが、それらを上手く統合して、事業間のシナジーを迅速に発揮できるようにしていてもらいたいものです。ここ数年3Mには逆風が吹いていますが、3Mなら乗りきれると思います。
今日もポチっとお願いします。
↓↓

米複合企業3M(MMM)は2019年第4四半期と通期の決算を発表しました。内容は良くなかったです。
まずは四半期決算から。
売上高は81.1億ドルで、前年同期比2.1%増加しました。ただしこの増収は、主に米国での医療機器メーカー買収に伴うものであって、既存事業売上ベースでは2.6%減少しています。
営業利益は13.2億ドルで、同25.7%減少しました。売上原価や販売管理費が大きく伸びており、営業費用全体で10%程度増加していました。
3M帰属の純利益は9.6億ドルで、同28.1%減少しました。2億ドルに及ぶ訴訟関連費用を計上したことが響きました。
よって希薄化後1株利益は1.66ドルで、前年同期の2.27ドルから27%減少しました。

セグメント別売上高の推移は以下のようになっています。

安全・産業部門は28.1億ドルで、前年同期比4.8%減少しました。
交通・エレクトロニクス部門は22.9億ドルで、同6.2%減少しました。
ヘルスケア部門は21.4億ドルで、冒頭でもお伝えしたように医療機器メーカーAcelity買収に伴い、25.4%の大幅な増加となりました。
消費者部門は12.6億ドルで、横ばいでした。
地域別の売上高増減は以下のように、既存事業・ローカル通貨ベースの売上高は横ばいか2%台後半の減少となっていて、世界的な需要の減退が起きている可能性があります。
事業売却・取得に伴う増減を加味した場合でも、アジア太平洋地域の不振が際立っています。米中貿易戦争の影響は大きいと言えます。

次に通期の業績とキャッシュフローを振り返ります。
売上高は321億ドル(前年比1.9%減少)、営業利益は61.7億ドル(同14.3%減少)、純利益は45.7億ドル(同14.6%減少)、希薄化後1株利益は7.81ドル(同12.1%減少)で、減収減益となりました。この4つの指標が揃って、前年割れとなったのは2009年以来のことです。

希薄化後1株利益は7.81となりましたが、訴訟関連費用とベネズエラ子会社の非連結化に伴って、1.29ドル分の利益を押し下げました。調整後の1株利益は9.10ドルとなりました。
通期の営業利益率は19%で、ここ12年間で初めて20%を割りました。

通期のキャッシュフローは以下のようになりました。

営業CFは前年より増加していて、営業CFマージンも2ポイント以上上昇して22%となりました。営業利益率が減少したのとは対照的です。利益は減ったけれども、ちゃんとキャッシュは稼げていることは安心材料だと思います。
ただ投資CFが大幅に増加し(下に突き抜け)ており、フリーCFは大きく減少しました。これは医療機器メーカーの買収に伴う支出(一時的な要因)があったためで、これが今後も続くとは思いません。フリーCFがマイナスにならなくて良かったです。
3Mは2020年の見通しを発表し、調整後1株利益で9.30ドル~9.75ドルとしました。これは2019年比で2%~7%の増加を見込んでいることになります。ただしこちらは市場予想を下回りました。
3Mの決算発表と業績見通しを受けて、株価は大きく値下がりました。28日の終値は、前日比で5%を超える下げ幅となりました。最近は米中関係の改善を受けて、株価は180ドルを超えて上向きかけてきただけに、水を差すかたちとなりました。28日のダウ平均株価は187ドル

最近は米中関係の改善を受けて、株価は180ドルを超えて上向きかけてきただけに、水を差すかたちとなりました。また28日のダウ平均株価は、6日ぶりに反発しまて187ドル上昇しましたが、3Mの下落が平均株価を68ドル押し下げてしまいました。
3Mは現在の業績低迷を受けて、全て地域、全ての部門を対象としたリストラを進めて、1500人の人員削減を発表しました。人員削減だけでなく、前年に5部門から4部門に再編した事業ポートフォリオを、より強化する施策も発表しています。また従業員のスピーディな意思決定や組織内の報告体制の簡素化など、ビジネスの進め方も改革しようとしています。
複合企業は、様々な分野のビジネスの集合体です。それらの多くは買収などを通じて事業ポートフォリオに組み込まれてきたはずで、様々な文化や考え、やり方を持った従業員がいることでしょう。複合企業である以上仕方のないことですが、それらを上手く統合して、事業間のシナジーを迅速に発揮できるようにしていてもらいたいものです。ここ数年3Mには逆風が吹いていますが、3Mなら乗りきれると思います。
今日もポチっとお願いします。
↓↓

コメント