こんにちは。時短父さんです。

米たばこ大手のフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)は、同社が持続可能なグローバル企業50社に選ばれたと発表しました。フィリップ・モリスを含む世界の主要な企業は、社会や環境に与える影響を考慮し、持続可能性の観点からビジネスに変革を起こそうとしています。
フィリップ・モリスにとっての持続可能性とは、自社製品(=たばこ)やオペレーションなどに関わるネガティブな外的要因を最小化することで、長期的な価値を生み出すことです。
自社の主要製品である紙巻きたばこによる健康被害が広がれば、規制はさらに強化され、消費者は一層離れてしまいます。フィリップ・モリスとしては、健康被害を拡大させうる副流煙など発生させる紙巻きたばこから、アイコスのような加熱式たばこへの移行を進めるしかないのです。これは社会的な要請でもあり、自社やそのステークホルダーを守るためでもあるのでしょう。
「大企業であれば、地元やグローバルを問わず、世界的な持続可能性を確かなものとするために、継続的で意味のある行動をする責任があります」とフィリップ・モリスの担当役員はコメントしています。
フィリップ・モリスは3年前に持続可能社会のためのコミットメントを行い、そこでは煙ゼロの未来を作るとしました。
現在、世界では推計で約11億人が紙巻きたばこまたは燃焼によるたばこ製品を使用しています。喫煙者の取るべき一番の行動は、煙を吸わないことですが、止められない場合にその代替として加熱式たばこに換えることでリスクを軽減できるとしています。
フィリップ・モリスの目標は、2025年までに紙巻きたばこ喫煙者の30%を、加熱式たばこ利用に移行させることとしています。そのためには約4000万人に紙巻きたばこを止めさせ、加熱式に切り換えてもらう計画です。
とまぁ、いかにも社会貢献をしていますよ、これからもして行きますよ、と訴えているわけですが、どうも偽善に感じてしまいます。紙巻きから加熱式に換えたところで、喫煙者や周囲の非喫煙者の健康へのリスクがゼロになるわけではありません。フィリップ・モリス自身も、リスクを軽減すると言っているだけで、リスクゼロとは言っていませんが。
そもそもこの持続可能なグローバル企業50社の選考は、国連の持続可能な開発目標の趣旨に沿って行われています。国連が主導するプロジェクトに、明らかに健康へ悪影響を出しているたばこメーカーを選定するのは何だか疑問ですね。
国連も本音では、11億人もいる喫煙者を一気にゼロにしたいのでしょうが、これはあまりにも非現実的です。だから、まずは紙巻きたばこの喫煙者を徐々にでも減らして行けるよう、たばこメーカーと手を組んだということでしょう。
日本たばこ産業(JT)にも、似たような持続可能性についての取り組みがあり、実はDJSI(ダウ・ジョーンズ社などが開発した経済・環境・社会の3つの側面から企業の持続可能性を評価する指数)に6年連続で選ばれています。
明らかに負の外部性があるたばこメーカーが、いかにも社会から認定を受けているような印象を持ってしまいますね。たばこメーカーも、業界への風当たりが強くなる中では、権威ある組織を背景にしたいという思惑が透けて見えます。
ちなみに私は今のところフィリップ・モリスにも、JTにも投資をしています。矛盾していると思われても仕方ないですが、両銘柄の安定した収益力には投資家として期待しているだけです。
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