こんにちは。時短父さんです。

昨日の記事でクラフト・ハインツ(KHC)が一年前に36%の減配を実施した背景を振り返りました。重荷となったのれんや無形固定資産、悪化したキャッシュフローなどがその要因と考えられるんでしたね。そして今年は2~4%の増配が期待できると書きました。

クラフト・ハインツには今後も増配を継続してもらう必要があるのですが、その条件は何か気になりますの。是非ここは過去に一時的に減配をしたが、現在に至るまで増配を続けている銘柄を調べてみることにしましょう。

クラフト・ハインツが連続増配株として投資家の支持を集めるために必要なことが見えてくるかもしれません。減配をしたからといって、このまま終わってしまうなんてことはありません。減配しても、復活した事例はたくさんあります。

銀行・投資銀行

バンク・オブ・アメリカ(BAC)やJPモルガン・チェース(JPM)に代表される金融機関は、2008年〜2009年のリーマンショック、サブプライムローン問題により業績が大打撃を受けました。当ブログでは、毎週権利落日がある米国株を紹介する中で、過去の配当推移を掲載していますが、大抵の金融機関(銀行、投資銀行、保険)は2009年〜2010年に減配を行っていると感じていました。

主要金融銘柄の年間配当の推移

金融機関にバラつきはあるものの、概ね減配後すぐに増配に転じていて、現在では減配前の水準を超える配当を出している銘柄も少なくありません。これはリーマンショック後、比較的早く景気後退を脱し、世界経済の拡大を取り込んできたからです。

食品
クラフト・ハインツと同業種のキャンベル・スープ(CPB)も減配の経験がありますが、増配に転じました。

【CPB】配当推移
キャンベル・スープの増配がストップしたのが2000年、減配をしたのは2001年と2002年の2年連続です。直近数年間の売上高は減少傾向にありましたが、2001年に事業取得したことで何とか売上を維持していました。しかし、2002年に売上高は再び減少、1株利益も1.55ドル→1.28ドルに減少しました。
EPS 1998~2002

キャッシュフローは比較的安定して推移していました。2001年に投資支出が増加したために、その年のフリーキャッシュフローはほぼゼロになってしまいました。
CF 1998~2002

キャンベル・スープは2001年〜2002年に減配を行い、2005年からは増配に転じています。増配ストップ→減配→配当維持→増配と絵に描いたような軌跡を追っていますが、その流れは業績の低迷・停滞→キャッシュフローの悪化→業績の改善→業績とキャッシュフローの回復をなぞるようです。キャッシュフローの改善のために事業売却(2007年〜2008年)も行っています。
EPS 2003~2019

2005年に増配を再開させたキャンベル・スープは、2013年に再び投資支出を拡大させ、今度はフリーキャッシュフローも大きくマイナスに。これにより増配も再びストップしてしまいました。
CF 2003~2019

同社は2018年にも事業取得のために70億ドル超の支出を行っています。1株利益も大きく減らしているので、前回の減配が繰り返されてしまうかもしれません。

ただ営業キャッシュフローマージンは15%〜17%を維持していて、本業でキャッシュを稼げているのは安心材料かもしれません。

まとめ
減配した銘柄についても、増配再開を諦める必要はなく、忍耐強く待つことが大切です。減配にはキャッシュフローの悪化が大きく影響する一方で、その改善が進めば増配を期待できます。
ただし事業取得のように一時的に過大な支出があったりすると、増配が止まったり、減配を再帰させかねません。過大な支出を伴う事業取得には注意しておく必要があります。

これらのことから、クラフト・ハインツの増配再開には、やはりキャッシュフローの改善が必須だと思います。経営陣は、クラフトとの合併で辛酸をなめたはずなので、今後しばらくは大規模な事業取得はないでしょう。

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