こんにちは。時短父さんです。

連続増配株のなかでも最長記録を持ち、それを毎年更新し続けている銘柄があります。アメリカン・ステーツ・ウォーター(AWR)です。
AWR

カリフォルニア州を中心とした地域で、その社名の通り主に水道事業(一部電力事業あり)を手掛けています。日本では水道事業と言えば、地方自治体の管轄のイメージが強いですよね。「東京都水道局」「○○市水道局」みたいな。

でもアメリカは民間企業が水道事業を担っているんですね。善し悪しは別にしても、やはり進んでいるな、という印象です。

さて冒頭でも述べたように、アメリカン・ステーツ・ウォーターは、連続増配年数の最長記録を更新しています。現在のところ64年です。もうここまで来ると意地でしょうね。絶対に増配を止めないよ、と。

といはいえ、意地だけでは増配を維持できません。


きっと売上高や利益は伸びていて、キャッシュがじゃんじゃん会社に入って来ているのだろう、と普通は思いますよね?

実はそうでもないことが分かりました。まぁ、ちょっと調べれば分かることなのですが。今後も同社が増配を続けてくれるのか?気になりますよね。

以下にいくつかのグラフを載せたので、一緒に見て行きましょう!

まずは過去10年間の売上高や各利益の推移です。

業績推移

売上高は10年間で39%増加していますが、年率換算だと3.4%です。成熟産業としてはなかなかの伸び率ではないでしょうか?直近の売上高ピークは2013年で、2018年はそこからは7%減少しました。最近は売上高が伸びていないですね。

営業利益や純利益も2013年あたりから成長が止まり、横ばいで推移しています。2017年に良くなりましたが、2018年は大きく減少に転じました。

希薄化EPSは増加傾向なので、売上高とはちょっと違いますね。ちなみに同社は2013年に株式分割をしていて、それを考慮していいます。

本当に勝手な想像で申し訳無いですが、事業基盤となるカリフォルニア州は全米一人口(3956万人)が多い州ですから、公益ビジネスであっても勢いがあるものだと思っていました。過去10年間におけるカリフォルニア州の人口増加率は8.2%に対して、米国全体の人口増加率は7.6%でした。

ただ近年では、同州でも出生率低下や移民などの転入者の減少に伴う「少子化」が問題となっているようで、今後人口増加が順調に進んでいくのは難しいかもしれません。


次に過去10年間の配当の推移です。

配当推移
こちらも株式分割を考慮しています。綺麗な右肩上がりですね。さすが配当王と呼ばれるだけのことはあります。

赤色線で示した前年比の増配率は、1桁台の半ばで推移しています。2012~2013年は15%を超える大幅な増配を実施しました。連続増配銘柄としては優秀な増配率だと思います。

緑色線で示した配当性向は50~60%で推移しています。まだまだ余力がある感じがします。


以下は過去10年間のキャッシュフローの推移です。
CF推移

キャッシュフローはどうかというと、こちらはあまり好ましくない形をしています。配当を出し続ける会社にしては珍しく投資キャッシュフローが多いですね。やはり事業柄、水道設備などの維持管理にお金を掛けざるを得ないのでしょう。10年間で3回もフリーCFがマイナスになっていますし、辛うじてプラスになってのも2回あります。
営業CFマージンは20~30%を維持しているので、ちゃんとキャッシュを稼げているようです。

最後に株価と配当利回りを見ておきます。
株価と配当利回りの推移
2012年の初めくらいまでは20ドル以下で推移していて、配当利回りも3%前後ある高配当株でした。しかしその後は徐々に株価が上昇に伴って、配当利回りの低下が一気に進みました。現在の配当利回りは
1.4%台です。ちょっと高配当とは呼べないし、配当狙いで買うには高すぎますかね。PERも38倍ありますし。

きっと米中貿易摩擦の影響で、リスク回避の流れが進んだ結果、確実に稼いでくれるディフェンシブ銘柄や公益セクターが買われたのだと思います。株価が2018年以降大きく上昇しているのが分かると思います。


いかがでしたか?
アメリカン・ステーツ・ウォーターの売上高や利益は伸び悩んでいますが、配当性向には余裕がありますし、増配率も無理はしていないレベルです。キャッシュフローについては、事業の特性を考慮すればまぁ合格点なのか。あとは、同社に投資する場合、カリフォルニア州の人口動態をどう考えるかがポイントになりそうです。

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