こんにちは。時短父さんです。

国内通信大手のNTTドコモは、10月の自己株式取得状況を発表しました。

取得総数 9,166,900株
取得価額 26,057,912,900円

10月の取得総数は取得予定(上限)の7.1%で、金額ベースでは8.6%です。

取得総数は前月比で35%増加しました。金額ベースでも40%増加しました。

取得単価は概算で2842円でした。
NTTドコモ 自社株買い推移(2019年度)

9月は取得ペースが鈍化したと、当ブログで報告していましたが、10月はまたペースを少し戻しましたね。

これまでに取得した累計は5,687万株で、進捗率は44%(9月時点は37%)、金額ベースでは1488億円で、進捗率は49%(同41%)になりました。
NTTドコモ 自社株買い進捗率(2019年度)

さて、NTTドコモが自社株買いを進める背景には、携帯電話料金の引き下げによる収益悪化の進行を押し留め、1株利益を下支えするためです。

実際、第2四半期の決算では売上高2.5%減、営業利益は11.5%減となりましたが、1株利益は0.8%減に留まりました。これは自社株買いの効果が一部にあったと言えると思います。

本来は営業努力によって利益を確保するのが望ましいですよね。とはいえ、半ば強制的に政府から値下げを実行させられたわけで、営業努力だけではいかんともし難い状況にあります。そんな中でも株主還元姿勢を示す必要があり、積極的に自社株を買っているのです。

自社株買いは、1株利益を押し上げる効果があるのは周知のこと。1株利益は株価の指標になるため、株価維持にとっても重要です。
NTTドコモ チャート(2019年11月7日)

また市場に出回る株式数が減少するので、配当金の支払い負担額を減らすことができます。かなり中長期的な話ですがね。

ちなみに今年既に取得した5687万株では、年間で68億円の支出を減らす効果があります。これは毎年毎年じわじわと効いてくると思います。

今年度(2020年4月まで)は3000億円を上限に取得を目指しているNTTドコモ。3000億円ですよ!すごい額ですね。配当金に回そうが、自社株買いに回そうが結構なのですが、これができるのは財務基盤がしっかりしている証左です。

あぁ、そうだ。決算発表ではキャッシュフロー計算書の記載がありませんでしたが、一昨日四半期報告書が同社サイトに掲載されました。下に4~9月期累積のキャッシュフロー推移を示します。

2QCF推移


四半期利益の減少や営業債務などが減少したことにより、営業CFは前年同期比で減少しました。投資CFも短期投資の償還による収入の減少により増加しました。よってフリーCFは、前年同期比で26%減少しました。
営業CFマージンは27.0%で、前年同期28.5%から減少しました。

減少、減少と言っていますが、やはりなんだかんだ言っても安定的ではありますね。FY2013以降であれば、昨年に次ぐ高水準です。安定的なキャッシュフローが、しっかりとした財務状況を維持して、配当や自社株買いに活かせている面があるのは間違いありません。

今後も粛々と自社株買いを実行して、株主還元を進めてくれることを期待しています。


今日もポチっとお願いします。
↓↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ