こんにちは。時短父さんです。

高配当株投資家に大人気のたばこ株。有名どころといえば、日本たばこ産業(JT)、フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)、アルトリア・グループ(MO)、ブリテッィシュ・アメリカン・タバコ(BTI)でしょうか。

これらたばこ株を持つ理由として良く挙げられるのが、「配当利回りが高い」というのがありますね。健康志向や各種規制の強化、訴訟リスクで、業界の先行きが不安定なので、あまり買われない銘柄の代表格です。

それでも配当を出せている要因は、各社が安定したキャッシュフローを維持しているからだと推測できます。私もそう思っているわけですが、それぞれの過去10年間のキャッシュフローの推移と営業キャッシュフローマージンの推移を改めて見返してみました。

日本たばこ産業(JT)
JT

まずはJTです。
営業CFは毎年4000億円程度で推移しています。営業CFが成長しているという印象は受けません。
投資CFは2015年までは比較的抑制されてきました。そのため、フリーCFは潤沢だったといえます。

しかし2016年以降、投資CFが急増しています。2016年はナチュラル・アメリカン・スピリッツの買収があり、翌年以降も海外事業で企業結合のための支出が相次ぎました。

過去10年間のうちフリーCFはマイナスだったのは1回(2016年)です。

営業CFマージンは増減がありますが、20%前後といったところでしょうか。

フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)
PM

次にフィリップ・モリスです。

毎年80~90億ドルの営業CFがあります。こちらは営業CFとフリーCFの安定感が抜群に良いですね。それはやはり投資CFがかなり抑制されているからだというのが、このグラフから分かると思います。

当然ながら、過去10年間でフリーCFはマイナスになったことは1度もありません。

営業CFマージンは12%前後となっています。こちらもほとんど動きがなく、安定感がすごいです。

アルトリア・グループ(MO)
MO

アルトリアはどうでしょうか?

営業CFは成長しているように見えます。営業CFは50億ドル前後です。
投資支出も全体ではほとんどないのですが、過去2回巨額の投資を行っています。2009年にUST LLCの取得、2018年にはJUULの取得がありましたので、同年はフリーCFがマイナスになっています。

営業CFマージンは15%~20%前後といったところでしょうか。2018年は33%と急増しました。

ブリテッィシュ・アメリカン・タバコ(BTI)
BTI

最後にブリテッィシュ・アメリカン・タバコです。

2009年から2016年まではかなり安定感のあるキャッシュフローの推移となっていました。営業CFは40億~50億ポンドとなっています。
2017年に投資CFが突出しているのは、 Reynolds American Incを取得したことによるものです。それにより2018年は営業CFは100億ポンドと急増しました。買収が奏功したように見えますね。

過去10年間でフリーCFのマイナスは2017年の1回のみです。

営業CFマージンは25%~30%前後と4社のなかでは一番高くなっています。


たばこ株の代表4銘柄のキャッシュフローを比較してみました。
一番安定感がありそうなのはフィリップ・モリスなのかなと思います。JTは最近投資が嵩んでいますが、これを収益と営業CFにつなげられないと厳しいのかもしれません。

現在の諸環境を踏まえると、たばこ会社の成長は他社の買収によって実現するが現実的です。そのためそれを効果的にできる会社なのかどうかは、見極める必要がありそうです。

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