こんにちは。時短父さんです。

米食品大手のクラフト・ハインツは、今月8日に2019年上半期の決算を発表していました。内容は、もうご存知の通りで、売上高の減少に加えて、いくつかのブランドに対する減損処理が嵩んだことで、大幅な減益でした。

売上高や利益の減少は理解できましたが、配当狙いの投資をしている身からすれば、キャッシュフローも確認したかった。ただ当日発表された決算資料では、キャッシュフロー計算書の掲載がありませんでした。

クラフト・ハインツは13日付けで、米証券取引委員会(SEC )に10Q形式の四半期報告書を提出しました。

そのなかには第1四半期、第2四半期決算の詳細が書かれており、キャッシュフロー計算書もありました。

内容を確認したところ、2019 年第1四半期(3ヶ月間)のキャッシュフローは以下の通りでした。
営業CFと投資CFは発表されている数値で、フリーCF営業CF+投資CFで計算、営業CFマージンは営業CF÷売上高で計算しています。

営業CF 304百万ドルの収入(前年同期408百万ドルの収入)
投資CF 177百万ドルの収入(同4百万ドルの収入)
フリーCF 481百万ドルの収入(同412百万ドルの収入)
営業CFマージン 5.1%(同6.5%)

第1四半期の営業CFは前年同期比で25%減少しました。今期は純利益が大きく減少しましたが、のれんや無形固定資産の減損として620百万ドルを収入として計上したために、営業CFを押し上げました。

投資CFについては、前年同期に売掛債権として436百万ドルを収入として計上。今期は事業売却による現金収入を640百万ドル計上しました。

結果、フリーCFは前年同期比16.7%改善した一方で、営業CFは1.4ポイント悪化しました。

2015年からの推移をグラフにすると、以下のようになりました。
【KHC】1Q CF推移

2019 年第2四半期(6ヶ月間累積)のキャッシュフローは以下の通りでした。

営業CF 13,25百万ドルの収入(前年同期216百万ドルの収入)
投資CF 18百万ドルの支出(同579百万ドルの収入)
フリーCF 1,307百万ドルの収入(同795百万ドルの収入)
営業CFマージン 10.7%(同1.7%)

第2四半期の営業CFは大幅に改善しました。前年同期は売上債権が2,001百万ドルの支出として計上されていたために、現金が残りませんでした。今期は純利益は減少したものの、のれんや無形固定資産の減損が1,218百万ドルの収入として計上されており、営業CFを押し上げました。

投資CFは支出が上回りました。前年同期は売掛債権が1,221百万ドルの収入として計上されていました。一方で今期は第1四半期に計上した事業売却による収入が640百万ドルがありました。投資支出や事業取得に伴う支払は、今期・前年同期ともに同様の水準となっており、第2四半期(累積)は、18百万ドルの支出となりました。

結果、フリーCFは前年同期比64.4%改善し、営業CFマージンは9ポイントも改善しました。

2015年からの6ヵ月間累積のキャッシュフロー推移をグラフにすると、以下のようになりました。
【KHC】2Q(累積) CF推移

第1四半期、第2四半期(累積)ともに、まずは2年連続でフリーCFがプラスになったことは朗報です。第1四半期は営業CFが減少したものの、第2四半期(3ヵ月)で大きく改善してみせたのでしょうか、6ヵ月の累積でも前年同期を大きく上回る結果となりました。

個人的には、営業CFマージンが回復したこと(しかも10%台!)が良かったと思っています。売上を効率的に現金に換える力を取り戻す兆しが見えてきた気がします。

最後に余談ではありますが、財務CFも見ておきます。
【KHC】2Q(累積) 財務CF
クラフト・ハインツは昨年の業績悪化を受けて、36%の減配を発表していました。すでに2回の配当支払が済んでいますが、減配の効果がすでにキャッシュフロー計算書にも表れています。
第2四半期(6ヵ月累積)の財務CFでは、今年の「配当支払」が大きく減少しているのが分かります。今年は976百万ドル、昨年は1,659百万ドルとなっており、約30%減っていましたね。これを見て何とも悲しくなりました・・・

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